エクセルで売上管理を作成する方法とは?今後の管理を担う最新テックも紹介
- 売上管理は売上の予測や具体的な成長戦略の策定、具体的な営業活動の改善など多くの改善施策の基盤になる
- エクセルでの売上管理は情報量が多く容易なためハードルは低いが、データの連携や信頼性の確保、セキュリティ面で課題が多い
- 人が主体となるエクセルでの売上管理には、記入漏れやミス、データの劣化などの問題があり、テクノロジーでデータ分析や売上/トレンドの予測の自動化を行うセールステックが台頭している
自社で売上管理をすることが決定したとき、まず最初に考えられる手法がエクセルを使った管理になります。ただ、エクセル管理には取り掛かりやすい面がある一方、データの信頼性の担保やセキュリティなど多くの問題を抱えてもいます。
この記事では、売上管理をする意義や重要性、エクセル管理のメリット・デメリットを紹介します。また、売上管理で重視するべき観点や今後のデータ管理や分析を担う最新のセールステックを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
目次
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そもそも売上管理とは?
売上管理とは、毎日の売上を記録・集計し、週間・月間の売上状況や目標達成度をチェックすることです。自社全体の売上だけでなく、他部署や担当者別に売上の進捗を把握したりもします。
売上管理を通じてどの商品が誰に売れやすいのか、単価が高くより売上に繋がる顧客はどんな層か、どの地域で人気かなどを読み取ることができます。そのためには正確かつリアルタイムなデータが必要です。
一元的に正確なデータを管理することで将来の売上予測を立てることに繋がり、具体的な利益目標の設定や、具体的な営業戦略、リソースの分配にも活用できます。
売上管理の必要性
企業はなぜ売上管理をしなければいけないのでしょうか?企業の持続的な成長のためには売上の目標を計画し、目標達成に向けて行動を取ることが大切だからです。
日間・週間・月間などで売上を把握し、将来の売上を予測し、利益目標のための戦略やオペレーションに落とし込むためのすべての基礎が売上管理となります。
仮に目標と現実の売上の想定との差が大きければ、具体的な改善プランやリソースの最適化には信頼性がなくなってしまいます。つまり、データの信頼性と正確な管理が確度の高い意思決定に繋がります。
データを活用できないありがちな要因を以下の記事から知ることができます。
あわせて読みたい:なぜCRM内の顧客データが分析に使えないのか?データ活用を阻む8つの原因
エクセルを使った売上管理の方法
エクセルでの売上管理にそのような表やグラフが作成できるのかを紹介します。また売上管理に役立つ関数も紹介しますので、ぜひ取り入れてみてください。
エクセルで作成できる表やグラフ
ここからは、エクセルで作成できる売上管理にも役立つ表やグラフを紹介します。
損益計算書(P/L)
営業利益や経常利益、それに係る費用を知ることで自社が何で利益を上げているのかを知り、今後どのように経営をしていくべきかを検討できます。
サブスクリプションビジネスでは、従来の損益計算書とは異なる指標で事業の成長性や収益性を判断します。具体的な指標とその重要性を以下の資料で知ることができます。
無料ダウンロード:サブスクリプションビジネス経営者が見るべきKPI10選
貸借対照表(バランスシート)
貸借対照表を用いることで企業の財務状況を知ることができます。また、自己資本比率や流動比率を知ることで、自社の健全性を知ることができます。
マーケティング予算
企業が自社商品やサービスを販売するために、年間のマーケティング予算を計画する企業は多いでしょう。そのためには、マーケティング予算と支出の管理を行うことができる管理表が必要です。
エクセルで作成できますが、最近はインターネットで無料テンプレートも多く配布されています。
マーケティングレポート
マーケティングレポートとは、様々な業界やマーケットで有力な商品やサービス、注目するべき内容を調査や分析して、わかりやすくまとめたレポートのことです。
マーケティングレポートでは、文章の記述だけでなく、表やグラフなど統計資料を活用することで、自社の取引先や市場動向などを社内で共有しやすいです。
売上管理に役立つ関数
エクセルで使用できる関数を使用することで、売上管理を行いやすくなります。ここからは、売上管理に役立つエクセル関数を紹介します。
IF関数
IF関数は、ある特定の条件をテストするもので、セル内の値が条件を満たしているのかを判断し、決められた値を返してくれます。
IF関数:=IF(論理テスト, [TRUE の場合の値], [FALSE の場合の値])
例:IF(A1>50,”合格”,”失格”)
COUNTIF関数
COUNTIF関数は、1つ以上の条件に合うセルの数を返してくれます。範囲1で指定する範囲が基準1を適用する形となります。
COUNTIF関数:=COUNTIF(範囲1, 基準1, [範囲2], [基準2], …)
例:COUNTIF(C4:C15,”赤”)
SUMIF関数
SUMIF関数は、ある基準を満たす範囲の数を合計してくれる関数です。
SUMIF関数:=SUMIFS(合計範囲, 範囲1, 基準1, [範囲2], [基準2], …)
例:SUMIF(A1:A10,A1:A10,”>10”)
エクセルで管理を行うメリット・デメリット
売上管理には使いやすい点などの良い面もありますが、データ管理という観点において悪い面もあります。双方の良い面と悪い面を事前に知っておくことが大切です。
売上管理をエクセルで行うメリット
情報が溢れている
エクセルは世界中で多くの方に利用されている、表やグラフ作成が簡単に行える便利なツールです。インターネットにも使い方からトラブルの対処法など、様々な情報が溢れているため、すぐに調べることで解決することが可能です。
シンプルな計算で売上管理が可能
エクセルでは、シンプルな関数を用いて自社の売上管理に活用することができます。エクセルで使用可能な関数をいくつか組み合わせて、簡単に売上を管理することができます。
データ分析が可能
エクセルで売上管理を行いピボットテーブルを挿入して、データの集計や分析ができます。ピボットテーブルは、関数や数式を使用しませんので、エクセル初心者の方でも使いやすいのが特徴です。
データの可視化
エクセルで売上管理する場合には、表だけでなくグラフも有効活用するべきです。グラフ を作成することで、数字では読み取りにくいデータも簡単に可視化することができます。
主要なグラフはエクセルにすでに用意されていますので、自社でカスタマイズしたい場合 には自作することが可能です。
売上管理をエクセルで行うデメリット
モバイルアクセスができない
近年はスマートフォンやデジタルツールの普及により、外出先で得た最新の情報を社内に提供することが可能な時代です。ただエクセルには、モバイルアクセスできないため社内に帰社してからでないと情報の入力ができないため業務効率が低下します。
また社内に帰社してからだと時間が経過していますので、データ入力をし忘れるケースにも繋がりかねません。
他のツールとの連携ができない
エクセルでは異なるデータソースから集められたデータを自動的に取得、統合ができません。また、担当者のパソコンに(ローカル)にインストールしたエクセルでは複数人での同時編集ができません。
結果的に、分析ファイルの中身や使い方を知っている担当者のみしかそのデータを扱えないことにつながります。分析データが属人化することで、部署間の情報断絶の原因にもなり得ます。
データの断絶問題は、営業活動の分業化が進む昨今、大きなボトルネックとなりつつあります。下の図のようにマーケティングと営業間でツールが異なる、または横断的な管理になっていないことで、顧客情報がうまく伝わらず思わぬ機会損出を生んでしまいます。
また、これらデータの統合には莫大な金銭的及び時間的コストがかかります。欠損したデータの収集と整形、システムの再設計には多くの企業が多額の費用を投じている状況です。
セキュリティの担保が難しい
エクセルには、個人を特定できる情報などの機密データを保護するために暗号化機能がないため売上データのセキュリティの担保が難しいのが現状です。仮にパスワードで保護していたとしても、悪意があるハッカーなら簡単にファイルにアクセスできます。
売上管理にはデータの信頼性が必須
売上管理の起点は正確なデータとなります。データの質を担保し、データドリブンな意思決定をサポートする資料を無料で提供していますのでぜひご活用ください。
無料ダウンロード:企業のデータ活用の鍵を握るデータの「質」〜データの質を向上させるデータマネジメントの5つのステップ〜
容易ではないデータの信頼性の担保
Ventana Research の調査によると、35%の利用者がデータエラーを起こしていると述べています。どうしても人が主体となって管理するため、管理者のスキルに依存してしまうことが原因です。人的ミスのリンク切れや数字の入力ミス、計算式の設定ミスなどが考えられ、データが活用できない状態が定常化してしまいます。
売上管理のデータには、正確性やリアルタイム性、アクセシビリティの3点が求められます。特に、データガバナンスが確立されていない企業においてはこの問題は顕著に現れます。
データが不正確であればあるほど改善策や意思決定の精度が下がる
担当者の記入漏れや記入ミスによって、データの網羅性・正確性の欠如が起きてしまうと、当然データをもとにした予測や戦略策定、改善点の示唆、施策の振り返りの精度が下がってしまいます。
つまり、データが不正確であるということは、それらを分析して得た示唆は現状のリアルな経営や施策の実態を捉えていないということです。売上の目標設定や今後の見通し、どこを改善するべきかという観点でも見当違いな仮説に行き着く可能性が高まります。
米国の企業では、これらデータの設計や収集・分析をテクノロジーで人ではなくテクノロジーで担う動きが出てきています。
セールステックと呼ばれる領域では、近年セールスエンゲージメントプラットフォームと呼ばれるデータ分析や売上/トレンドの予測の自動化を備えた機能を持つグループが台頭しています。
最新動向を以下の資料で知ることができます。
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