Magic Moment

BUDGET ALLOCATION / JAPAN & GLOBAL

獲得型マーケティングの予算アロケーション日本と世界の違い

広告のデジタル化は進んだ。それでもBtoBの予算は動きにくい。国別の比率ではなく、何を買い、どの成果へ移し替えられるかという判断単位から考えます。

マーケティング戦略Revenue PlatformMagic Moment 編集部約13分
BUDGET ALLOCATIONJAPAN / GLOBAL
JAPAN媒体別の支出広告 / 展示会 / 制作 / ツール
GLOBAL目的別の支出認知 / 獲得 / 維持 / 実行
SHIFT THE UNIT何を使うか → 何を得るか
OUTCOME-CONTROLLED BUDGET対象 × 商談条件 × 予算上限
日次で活動を見る条件に合う確定商談

CHANNEL ALLOCATION OUTCOME ALLOCATION

予算会議の資料には、媒体名と前年比が並びます。

検索広告は維持。展示会は二回。ウェビナーは月一回。マーケティングオートメーションは更新。AIツールは新規導入。営業データベースも継続。

一つずつ理由はあります。ところが「この配分で、どの条件の商談を何件増やすのか」と聞かれると、資料をまたいで説明しなければなりません。

日本の広告がデジタル化していないわけではありません。電通によると、2025年の日本の総広告費は8兆623億円。インターネット広告費は4兆459億円で、構成比は初めて50.2%に達しました。[1]

世界でもデジタルと顧客獲得への傾斜は続いています。Gartnerは2026年、認知とコンバージョンがメディア支出の62.6%を占め、CMOが成長を求めて顧客獲得とデジタルチャネルへ配分を移していると報告しました。[2]

では、日本は世界より遅れているのでしょうか。

その比べ方では、大切なことを見落とします。

TWO DIFFERENT LENSES

二つの数字は、同じ物差しではない。

JAPAN / MARKET ESTIMATE50.2%

インターネット広告

日本国内で使われた広告費を、媒体別に推定した市場統計。

GLOBAL / CMO SURVEY62.6%

認知+コンバージョン

北米・英国・欧州の大企業を中心に、CMOへ支出目的を尋ねた調査。

比較できることデジタル化と獲得重視は、どちらでも進んでいる。比較できないこと50.2と62.6の大小で、国の優劣は決められない。
電通の「2025年 日本の広告費」とGartnerの2026年調査は、対象地域、母集団、費目、集計方法が異なります。数値を同じ分母で比較した図ではありません。[1][2]

違いは、広告比率より「予算を動かす単位」に出る

国内のBtoBマーケティング担当者は、成果を軽視しているわけではありません。

Macbee Planetが2025年12月にマーケティング担当者1,086人へ行った調査では、BtoB企業で投資判断の上位に「新規顧客獲得数の増加」が39.6%で挙がりました。一方、「毎月」予算配分を見直す回答は5.0%でした。[4]

この調査は一社によるインターネット調査で、日本企業全体を代表する統計ではありません。それでも、目標と運用の間にある距離は示しています。

新規顧客は増やしたい。しかし予算は、毎月動かす単位になっていない。

同じ調査で、BtoB企業が優先的に増やしたい領域の上位は「自社Webサイト・アプリ改善」32.7%と「生成AIツール・業務効率化ツール」29.6%でした。[4]

どちらも必要な投資です。ただ、WebサイトやAIツールを買うことと、商談が増えることの間には実行が残ります。

  • 来訪した企業を見分ける
  • 会いたい部門と役割を定める
  • 相手に届く方法を探す
  • 反応を読み、次の接触を決める
  • 営業が受け取れる条件まで確認する

予算科目が媒体や製品で固定されると、この実行区間には名前が付きません。結果として、獲得した接点は増えても、商談へ運ぶ人と仕組みが足りないままになります。

「何に使うか」から「何を得るか」へ

獲得型マーケティングの予算は、五つに分けて見ると動かしやすくなります。

FROM INPUT TO OUTCOME

費目は残してよい。成果との距離を見えるようにする。

MEDIA媒体費広告枠、配信、出展接触機会を買う
CONTENT制作費記事、動画、イベント理解と関心をつくる
DATA / TOOLデータ・機能費MA、CRM、企業情報判断材料と運用機能を買う
PEOPLE人・外注費企画、運用、接触、分析実行能力を買う
OUTCOME成果条件付き予算対象、商談条件、上限を先に合意条件に合う確定商談を買う
予算科目の優劣ではなく、支出から得られるものと商談までの距離を整理したMagic Moment編集部の概念図です。

媒体、コンテンツ、データ、人をゼロにする話ではありません。ブランド形成も、製品理解も、顧客データの整備も要ります。

変えるのは、余った予算の置き先です。

前年踏襲で増額する前に、いまの施策が商談まで進まない理由を分けます。需要が足りないのか。理解が足りないのか。対象が違うのか。それとも、相手へ届き、反応を受け取り、商談条件まで進める実行が足りないのか。

最後のケースなら、同じ媒体やツールを追加するより、成果条件付きの実行へ予算を移す方が筋が通ります。

世界から学ぶべきは、比率ではなく「動かし方」

Gartnerの2026年CMO調査では、企業売上に占めるマーケティング予算は平均7.8%で前年とほぼ同じでした。CMOの56%は戦略実行に十分な予算がないと回答しています。[3]

予算総額が増えないなら、何かを止め、何かへ移す必要があります。

海外企業の数字をそのまま日本へ持ち込む必要はありません。市場も商流も、顧客データの扱いも違います。学ぶべきなのは、配分を固定費の一覧ではなく、成長機会に応じて動かす姿勢です。

McKinseyはマーケティング予算の再配分について、前年の計画を微調整するのではなく、将来の成長余地がある顧客セグメントや市場へ細かく配分し、急激に全額を動かさずパイロットで段階的に進める方法を紹介しています。[6]

これはBtoBの商談創出にも使えます。

REALLOCATION LOOP

年間で固める予算から、結果を見て動かす予算へ。

01成果条件を決める誰との、どの状態の商談か
02検証枠を置く既存施策を壊さない範囲で上限を決める
03実行を見る活動、反応、商談候補を日次で確認
04次の配分を決める増やす、変える、止める
予算を一度に移すのではなく、成果条件と上限を置いた検証から始める考え方です。実際の投資額と期間は事業の採算、営業能力、対象市場により異なります。

成果へ予算を移す前に、四つの条件をそろえる

「成果に予算を移す」と言うだけなら簡単です。難しいのは、成果を誰も同じ意味で読める状態にすることです。

商談創出を予算単位にするには、少なくとも四つの条件が要ります。

WHEN OUTCOME BUDGET WORKS

商談と呼ぶだけでは、成果予算にならない。

01 / DEFINITION成果の定義どの企業の、誰と、何を確認し、どの状態なら営業へ渡すか。
02 / ECONOMICS採算上限受注率と粗利から、一件の商談に使える費用を決める。
03 / VISIBILITY途中経過活動、反応、商談候補、確定商談を途中で確認できる。
04 / EXECUTION実行範囲対象選定、接触、反応対応、条件確認のどこまでを内製するか。

四条件が定まったら、同じ成果条件を実行できる主体を選ぶ

自社で回せる内製を続ける
既存委託先が同条件で回せる契約を組み替える
自社・既存委託先では回せない成果条件付きの外部実行を選ぶ
四つの成立条件を確認し、実行体制を選ぶためのMagic Moment編集部による判断図です。

自社に実行人員があり、対象選定から商談条件の確認まで回せるなら、内製を続ける方が合理的です。既存の代理店や営業支援会社が、同じ条件と途中経過で運用できるなら、その契約を組み替える方法もあります。

一方、需要や対象企業は見えているのに、接触後を商談まで運ぶ実行が足りない。そのうえ、成果条件、予算上限、途中経過を顧客側で握りたい。この場合に必要なのは、新しい媒体やデータベースではなく、成果条件に基づいて実行する仕組みです。

Revenue Platformは、この三つ目の選択肢です。成果条件と予算上限を顧客が握ったまま、商談化に必要な実行と途中経過の確認を一つの流れにします。[19][20]

成果条件付きの外部実行を具体化するRevenue Platform

Revenue Platformでは、顧客が対象市場、商談条件、除外条件、月の予算上限を決めます。AIと人が実行し、活動数と成果は日次で確認できます。条件に合う確定商談が成果です。[19][20]

広告予算をそのまま移す製品ではありません。

予算会議で分断されていた、対象、実行、商談条件、費用、結果を一つの判断単位にする選択肢です。

たとえば、展示会後の名刺はあるが追客が止まっている。重点企業は決めたが、営業が手を付けられない。広告で取り切れない層へ接点をつくりたい。このように、需要や対象は見えているのに実行が足りない区間が対象になります。

そこで得られるのは、送信数を増やしたという報告ではありません。

  • 合意した対象へ活動が進んだか
  • どのような反応があったか
  • 商談候補が生まれているか
  • 条件に合う確定商談が届いたか
  • 予算上限に対して、いくら使われたか

これを見て、次の配分を決めます。

次の予算会議で、四つだけ変える

予算表へ新しい列を四つ追加してください。

  1. 01
    その費用で、何を買っているか

    接触機会、理解、データ、機能、人の実行、確定商談のどれか。

  2. 02
    商談まで、誰の仕事が残るか

    社内のマーケティング、インサイドセールス、営業、外部パートナーのどこが担うか。

  3. 03
    途中で何を見れば、変えられるか

    年度末の総括ではなく、活動、反応、商談候補、成果を確認できるか。

  4. 04
    成果条件へ移せる上限はいくらか

    受注率、粗利、顧客生涯価値から、一件の商談に使える範囲を決める。

日本と世界の違いは、派手なグラフの中だけにはありません。

予算を何という単位で持ち、結果を見て動かせるか。

デジタル広告が半分を超えた次に必要なのは、もう一つの媒体ではなく、商談という成果へ予算を動かせる運用です。

商談創出投資の成果条件から整理したい方は、こちらもご覧ください。

商談創出への投資を、経営会議で説明できますか?

次の記事では、好調・不調を一つの指標で決めず、継続、修正、停止、置換へ分ける方法を扱います。

好調な施策、不調な施策。継続・入れ替え・改善をどう判断するか

Sources

[1] https://www.dentsu.co.jp/news/release/2026/0305-011003.html — 電通 2025年 日本の広告費 [2] https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2026-06-08-gartner-marketing-survey-finds-awareness-and-conversion-account-for-62-6-of-total-media-spend — Gartner 2026 Media Spend Allocation Survey [3] https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2026-05-11-gartner-2026-cmo-spend-survey-finds-cmos-allocate-15-point-3-percent-of-marketing-budgets-to-ai-but-only-30-percent-are-ready-to-scale-ai-capabilities — Gartner 2026 CMO Spend Survey [4] https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000175.000023647.html — Macbee Planet 投資シフトマップ調査 2026 [6] https://www.mckinsey.com/capabilities/growth-marketing-and-sales/our-insights/how-to-reallocate-marketing-budgets-to-drive-growth — McKinsey How to reallocate marketing budgets to drive growth [19] https://revenueops.jp — Revenue Platform 専用サイト [20] https://magicmoment.jp/revenue-platform — Magic Moment Revenue Platform 公式ページ

#マーケティング予算#予算配分#BtoBマーケティング#商談創出#Revenue Platform

相談する

次の予算会議で、動かせる検証枠を整理します。

広告、展示会、ツール、人件費のうち、どこを守り、どこを小さく動かせるか。狙う市場、欲しい商談、採算上限から一緒に整理します。