インサイドセールスの KPI 売上拡大を続けるためのデータ活用術【ウェビナーレポート】

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要約SUMMARY
  • インサイドセールスの KPI として一般的に設定されるのは、商談設定数、活動量、受注率、受注金額などがある
  • インサイドセールスの成功のために、適切な KPI の設定とデータ活用が重要
  • KPI を管理して営業担当ごとの成果やボトルネックを明確化することで、営業組織の強化・改善が可能となる

Magic Moment では『インサイドセールスの KPI – 売上拡大を続けるためのデータ活用 -』のウェビナーを開催しました。


営業の成果創出および生産性拡大のため、インサイドセールスの立ち上げ検討や実際に導入・運用を始めた方も多いのではないでしょうか?

しかし、インサイドセールスの導入はしたけれど中々成果に繋がらず KPI に届かないことや、KPI は達成しているのにその後受注に繋がらないことも多いかと思われます。
インサイドセールスの KPI の立て方やデータ活用に課題を感じている企業様が、実際にお話している中で多いです。

当ウェビナーでは、インサイドセールスの KPI の立て方やデータの活用について、事例を交えながらお話ししました。本記事では、ウェビナー内容の一部を紹介いたします。

インサイドセールスを立ち上げ、営業の成果を10倍にした『Magic Moment Playbook』

インサイドセールスの現状

日本でも注目が集まるインサイドセールス

インサイドセールスが盛んな米国では、業種・業態によらず7割の営業活動が非対面で実施されています。

日本のインサイドセールス導入率は1割程度(2019年)ですが、1年以内の導入予定を含むと4割近くにのぼり、急速に加速することが予測されています。現代のコロナ禍の世界情勢によって、急速にリモートでの活動が要求されている状況です。

同時に、インサイドセールスの立ち上げや運用にも注目が集まっています。

図1:(左)InsideSales.”The State of Sales 2017”よりMagic Moment 作成/(右)HubSpot Japan.”日本の営業に対する意識・実態調査”よりMagic Moment 作成

なぜインサイドセールスに注目が集まるのか?

売上減少に直面し、業績急回復は喫緊の課題

2020年はコロナの影響により、売上減少させた企業は多い状況です。
業績急回復は喫緊の課題で、改革をしやすい状況にあります。

コロナ禍における非対面需要の高まり

コロナは従来の外勤営業のスタイルを大きく変え、非対面でのオンライン商談が増加しています。外勤営業が訪問営業できず、生産性を下げている企業も多いです。
一方、インサイドセールスは非対面前提であり、コロナ禍との相性が良いという特徴があります。
結果、Sales force が広めた The model を各社が導入し、インサイドセールスを立ち上げています。

事業部の裁量で始めることが可能

エンタープライズ企業のように組織が出来上がっている場合、導入のハードルは高いと言えます。
一方、スタートアップやエンタープライズでも一事業部であれば、数名から10数名でトライアルを開始することもできます。リソースアロケーション、コストの面からも、事業部の裁量内で推進することが可能(実証実験として始めることも可能)です。

KPI を立てた上で PDCA を回し、結果を踏まえ進めることが可能

商材・事業により異なるものの、顧客の反応を見ながら仮説検証を繰り返し、筋の良い手を見極めていくことはどの場合でも必要になっています。仮説検証して実施した結果をもとに、事業部内拡大、他部門連携を図っていくことが可能であり、少しずつ業務改善を実施していけます。

インサイドセールスの KPI

一般的なインサイドセールスの KPI

インサイドセールスの KPI として、商談設定数、活動量、受注率、受注金額がよく設定されます。

インサイドセールスの KPI および目標は、どれだけの見込み客を獲得できたか、そしてその見込客数の中でどのくらいの割合の案件の商談を営業にパスできたかで評価されます。クロージングまでをインサイドセールが行うとなると、商談数から受注までを KPI として評価される場合もあります。

具体的なコンバージョン率を測定することで、設定した KPI に対してどのくらい達成しているか、足りないかを分析し、改善ポイントを洗い出すことができるのです。

図2: インサイドセールスの KPI (Magic Moment 作成)

一般的な営業の KPI

日々の営業活動において、どのくらいの数を架電をしているか、アプローチをしたか、アプローチをしたが不通だったかなどの数字を元に、コンバージョン率を見ていきます。

最初は商談の数をいくつ作れたかの KPI を設定していきますが、最終的に創出したアポイントが結果的に受注に繋がったかなど、インサイドセールスの枠を超えて結果にどのように影響したかまでを追っていけることが理想です。

部門間の連携や、商談の平均日数、商談の単価により影響はあるものの、スコープを設定し、適切な KPI を取りに行き、分析を行うことが重要です。分析を続けていくと、連絡がつながりやすい曜日や時間帯もわかってくるので、それがわかるようになると生産性の向上につながります。

図3: 一般的な営業の KPI(Magic Moment 作成)

貢献 KPI に関して(インサイドセールスのトスアップ担当者)

インサイドセールスがどのくらいのパイプラインを創出し、クロージングに貢献したかまでを見れるようになると、インサイドセールスの貢献度を精緻に測ることができます。

図4: インサイドセールスの貢献KPI(Magic Moment 作成)

先行指標となる KPI:PCR

図5: 先行指標となる KPI:PCR (Magic Moment 作成)

PCR は Pipeline Creation Rate のことで、有望リードおよびパイプラインの進捗度を測定するものであり、前月、前月比で評価(トレンドがわかる)できます。

売り上げを作るためにクリアすべき KPI について触れてきましたが、実際にマネージャーになるには、売り上げにつながる選考指標を見ていく必要があります。インサイドセールスとオペレーションが回り始めたタイミングで見ていきます。

Pipeline Creation Rate が前月と比較してどのくらい差があるかトレンドを見ていくことで、将来予測をすることができます。この PCR が上がっていると、Pipeline の総量が上がっていき、売り上げも伸び続けていくと見込めるようになるのです。それを月次、日次のペースで分析していけると、余裕を持った営業活動や Pipeline 管理ができるようになります。

先行指標で今後の売上や成長の度合いを予測するだけでなく、将来の成長傾向まで予測できるところが良い点と言えます。

図6: PCR(Pipeline Creation Rate)の計算式(Magic Moment 作成)

KPI 設定や運用のポイント

チーム間同士で KPI や行動基軸、引き渡しルールを決定

アポイントを取りやすい条件は各企業や商材によってパターンが決まっています。その条件を周知させ、インサイドセールスが最大限にパフォーマンスを出せるような環境づくりをすることが重要です。

ツールによってはアクションフローを定義したり、コミュニケーションのルートを複数持てるなど、取りうるアクションが変わってきますので、チーム全体で知恵を出し合うと良いでしょう。

活動のトリガー(条件)となるデータを KPI と連動

属性データをみて、優先的にリードを割り当てる際、インサイドセールスの特徴に合わせることができます。分析をした結果、アクティビティのデータやコール設定が意外と漏れており、結果的にそれらが取りこぼしにつながってしまいます。

図7: 活動のトリガー(条件)となるデータ(Magic Moment 作成)

KPI から営業メンバーの改善ポイントの抽出

メンバーによってナーチャリングを行いどのくらい結果に差が出るのか、転換率などを定量的に分析することができます。実際に個人の結果にばらつきがある場合、何を改善すべきかを明確にできないと、同じようなポイントで躓いたり、思うような結果が出ない場合があります。

アポイントをたくさん取りたいという思いからコール件数を優先することは重要ですが、本質的にどのくらい合意すべきポイントをどのくらいクリアできたか等の情報を積み上げていくことが正しい結果につながると言って良いでしょう。

マーケティングチーム&インサイドセールスチームで行動・KPI を規定する場合

1リードに対し、どのくらいのアクションをすべきか定義して PDCA を回していくことが重要です。例えば、少なくとも獲得したリードに対し5回のアクションを行うなど、行動を規定します。また電話、メール以外に SNS などを通して連絡をとった方が接触率が良い場合があります。

ユーザー体験を加味した上で対応することで、結果にも影響が出てきます。特に SMB であれば、スマートフォンや SNS の方が反応がいい時があります。

インサイドセールスの KPI 管理

セールスイネーブルメント

図8:採用・育成活動までのステップ(Magic Moment 作成)

具体的にアプローチの方法が決まっていても、人によってアプローチの精度や商談創出の数に差が出てきます。それらを定量的に定めることで成果を可視化し、ボトルネックを明確化することで、修正することが可能です。

また成果を可視化し、理想的な営業担当者を抽出し、採用や育成に活用することで、営業組織の強化が実現されます。これら一連の営業組織の強化・改善のための取り組みがセールスイネーブルメントです。

まとめ

  • インサイドセールスの KPI として一般的に設定されるのは、商談設定数、活動量、受注率、受注金額などがある
  • インサイドセールスの成功のために、適切な KPI の設定とデータ活用が重要
  • KPI を管理して営業担当ごとの成果やボトルネックを明確化することで、営業組織の強化・改善が可能となる

インサイドセールスの KPI 管理でよく利用されるツールの一つに CRM がありますが、US では CRM 単体では限界が来ていると認識されています。これは CRM があくまで顧客データを管理するツールであり、営業の成果を直接高めるためのツールではないことに起因しています。そこで注目されているのが、セールスエンゲージメントプラットフォームと呼ばれるツールです。

セールスエンゲージメントプラットフォームとは、営業担当者が顧客とのコミュニケーションをより効果的に実行できるようにするテクノロジーです。

従来の CRM/SFA はデータの蓄積、管理のためのツールとなることが多く、売上拡大までの改善案を出す部分は営業マンが考える必要があります。一方で、セールスエンゲージメントプラットフォームはデータに基づきそれぞれの顧客への最適なアプローチを営業担当者に提案し、その結果の分析とさらなる改善を自動で担うことで、営業担当者一人一人の生産性向上を直接支援できます。

こちらの資料でもセールスエンゲージメントプラットフォームついて詳しく解説しております。
無料でダウンロードいただけますので、ぜひご活用ください。

《引用文献》

1)InsaideSales.”State of Sales 2017 – Sales Organization Structure Trends”.2017-9-14 (更新 2023-06-28).https://www.insidesales.com/state-sales-2017-sales-organization-structure/(閲覧2021-11-05)

2)HubSpot.”日本の営業に関する意識・実態調査2021″.2021-02-08(更新 2023-06-27).https://www.hubspot.jp/company-news/stateofsales-20210208(閲覧 2021-11-05)