

Salesforceが使いこなせない7つの原因と組織課題を解決する5つのステップ
この記事の要約
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なぜ定着しない?Salesforceが“使われなくなる”7つの組織課題 ― 目的の不明確さ、現場不在の設計、教育不足…ツール以前の問題を見直し。
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入力負荷を減らし、メリットを実感させることが活用の第一歩 ― 自動記録・連携機能で「使わせる」から「使いたくなる」仕組みへ。
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小さな成功体験(Small Win)がSalesforce活用文化をつくる ― 会議短縮、案件成約、成功事例の共有が、現場と組織を前向きに動かす。
目次
- Salesforceを使いこなせない7つの原因
- 原因1:導入目的が曖昧で、全社で共有されていない
- 原因2:経営層・マネジメント層のコミットメント不足
- 原因3:現場の業務フローを無視したシステム設計
- 原因4:データ品質を維持するルールがない
- 原因5:ユーザー教育とサポート体制が不十分
- 原因6:営業担当にとってのメリットが伝わっていない
- 原因7:心理的な抵抗と成功体験の欠如
- Salesforce課題を解決し定着させる5つの実践ステップ
- ステップ1:目的の再定義とKGI/KPIの明確化
- ステップ2:現場を巻き込んだ“最小限”からの再設計
- ステップ3:推進体制とサポートチャネルの構築
- ステップ4:入力自動化による“負担軽減”と“活用メリット”の両立
- ステップ5:Small Winの共有と称賛
- まとめ:Salesforceを使いこなせない理由は“組織”にある
Salesforceを導入したものの、現場に定着せず使われていない――そんな悩みを抱えていませんか? 「入力されない」「活用されない」「結局成果が見えない」といった“Salesforceを使いこなせない課題”は、多くの企業が直面する共通の壁です。
なぜ、あれほど高機能なツールが定着せず、形骸化してしまうのか。その答えは「ツールそのもの」ではなく「組織運用や体制」にあることがほとんどです。
本記事では、「Salesforceを使いこなせない」状況を生む7つの代表的な組織課題を明らかにし、それを乗り越えるための5つの実践的な解決ステップを紹介します。自社の状況に当てはめながら、Salesforceを成果に直結させるヒントを探ってみてください。
Salesforceを使いこなせない7つの原因
ではなぜ、多くの企業でSalesforceが“使われないツール”になってしまうのでしょうか?
まずは、Salesforceが使いこなせない状態に陥る7つの原因を紐解いていきます。
原因1:導入目的が曖昧で、全社で共有されていない
「営業の効率化」「データの一元管理」など、目的がふんわりしていては、現場は何をどう使えば良いのかわかりません。KGIやKPIが不明確で、現場・マネジメント・経営の目指すゴールがバラバラな状態では、現場は「何のために、どの項目を、どこまで入力すればいいのか」分からず、Salesforceは“なぜ使うのか分からないツール”として形骸化してしまいます。
原因2:経営層・マネジメント層のコミットメント不足
導入して終わり、あとは現場任せ──これではSalesforceは定着しません。経営会議の資料をSalesforceから出力するなど、上層部が率先して活用する姿勢を示すことで、現場の意識も変わっていきます。
原因3:現場の業務フローを無視したシステム設計
導入時の要件定義が経営・IT部門中心に行われ、実際の営業活動と乖離しているケースは少なくありません。活動報告に20項目もの入力が必要だったり、使わない項目ばかりが並んでいたりすると、現場は「自分達のためでない面倒なツール」と認識します。営業の実務に寄り添った設計でなければ、定着は望めません。
原因4:データ品質を維持するルールがない
表記ゆれや重複データが発生すると、信頼できるレポートは作れません。Garbage In, Garbage Out(ゴミが入れば、ゴミしか出てこない)――質の低い入力は、成果につながる分析を阻みます。
最新の調査でも、企業の約80%が「不正確なデータにより意思決定に悪影響が出た」と回答しており(出典:Precisely調査[Business Wire])、Garbage In, Garbage Out のリスクは無視できません。
原因5:ユーザー教育とサポート体制が不十分
導入時の研修だけで放置していませんか?異動・新入社員への教育や、日々のちょっとした疑問を解決できるサポートチャネルがなければ、現場は次第に使わなくなります。
原因6:営業担当にとってのメリットが伝わっていない
営業担当者にとって、Salesforceは「自分の営業活動を管理されるためのツール」だと認識されがちです。そうではなく、「入力すれば報告が自動化される」「レポートで効率よく見込み客を把握できる」といった、現場にとっての利点を提示しなければ、モチベーションは生まれません。
原因7:心理的な抵抗と成功体験の欠如
変化を嫌う心理は誰しも持っています。特にベテランほど抵抗が強くなりがちです。 「Salesforceを使ったら埋もれていた案件を受注できた」「入力データのおかげで、会議の準備時間が半分になった」といった、小さな成功体験(Small Win)を積み重ね、共有していくことが、文化を変える第一歩になります。
Salesforce課題を解決し定着させる5つの実践ステップ
7つの原因を把握したところで、次はその解決策です。 Salesforceを“使いこなせる仕組み”として定着させるための、5つの実践ステップを紹介します。
ステップ1:目的の再定義とKGI/KPIの明確化
「何のために、いつまでに、何を達成するのか?」を全社で再定義しましょう。例:「半年後に新規商談化数を5件→7件に増やす」など、具体的な指標で全員の意識を揃えることが出発点です。
ステップ2:現場を巻き込んだ“最小限”からの再設計
ゼロベースで入力項目を見直し、営業担当者の声を取り入れながら「使える構成」を構築。完璧を目指すよりも、小さく始めて改善する“ミニマム・バイアブル・プロダクト”思考が鍵です。
ステップ3:推進体制とサポートチャネルの構築
各部門にSalesforce推進担当を配置し、社内Chatterグループなどでサポート体制を整備。質問しやすい文化が定着を促します。
ステップ4:入力自動化による“負担軽減”と“活用メリット”の両立
メールやカレンダーとの連携、通話ログの自動記録などにより、“入力負荷”をテクノロジーで解消しましょう。自動化が進めばデータが貯まり、成果に直結するレポートが作成可能になります。
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ステップ5:Small Winの共有と称賛
「入力を徹底したチームが、報告会議を30分短縮」「失注案件の再発掘から成約」など、成功事例を社内報や朝礼で共有し、称賛の文化を築きましょう。
実際、日々の“小さな達成”の積み重ねが、前向きな感情を生み出し、社員のモチベーションや創造性を高めることが研究でも示されています。(出典:Harvard Business School)
まとめ:Salesforceを使いこなせない理由は“組織”にある
Salesforceが定着しない最大の理由は、ツールそのものではなく、「目的の不明確さ」「運用体制の甘さ」「現場への伝え方」にあります。
しかし裏を返せば、これらはすべて“組織側で解決可能”な課題です。本記事で紹介した7つの原因と5つのステップを参考に、Salesforceを“形骸化した報告ツール”から、“戦略的に活用される営業の羅針盤”へと進化させましょう。
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