営業日報の書き方とは?書き方や効率化のポイントを紹介
- 営業日報は重要ですが、その重要性を理解している人は必ずしも多くありません。営業日報を営業活動の改善のために効果的に活用するためには、その意義を理解することが不可欠です。
- 営業日報はわかりやすく作成することが重要です。営業担当者自身が振り返るためだけでなく、関係者にとっても読みやすい内容にすべきです。そのためには結論ファーストで、構造的に、シンプルに記載すると良いでしょう。決して上手な文章を書く必要はありません。
- 営業日報は知見の共有や他の人の日報を読むことで、営業活動が改善され、個人だけでなく組織としての営業力強化に活かすことができます。
- 日報はツールやクラウドサービスを通じ、できるだけ運用のしやすい環境を整え、管理の負荷軽減を行い、継続できる環境を整えることも重要です。
営業を改善する示唆を得たり、営業の成長を促すために営業日報を作成している企業も多いのではないでしょうか。しかし、「書き方や目的がよくわからない」「管理が大変だ」などと、書くことが目的化もしくは、形骸化していてただの負担になってしまっていると感じる人もいるのが現状です。
営業日報は活用できれば組織や個人の営業力強化に有効なものですが、目的が周知されていない場合、ただの負担になってしまいます。そこで今回は、営業日報の書き方のポイントから効率化していくためのポイント、営業日報を効果的に活用する際の考え方などを紹介します。
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目次
なぜ営業日報が必要なのか?
人は目的のわからない作業を続けることを苦痛に感じるものです。営業日報も同様で、一般的に重要であると言われている一方で、実際になぜ営業日報を記録するか理解している人はそう多くないかもしれません。本章ではなぜ営業日報が必要なのかについて解説します。
担当者の目的
商談の結果や示唆を組織で共有するため
日報は「日々の業務報告」という意味ですが、その日あった出来事を記録に残す行為です。商談におけるやり取りや、顧客の反応など重要なポイントを記録し、関係者に共有することで次のアクションを明確にできます。関係者に情報を共有することで、組織として営業活動を進めることもできます。
自身の営業を振り返り、PDCA を回すため
営業日報を残しておくことで、当時の出来事をいつでも振り返ることもできます。記録に残していない場合、記憶に頼ることになりますが、当時の詳細なやり取りを記憶だけに頼るのは現実的ではありません。反省点や次の営業に活かすためのポイントなどを記録しておくことで、自身のウィークポイントの特徴が分かったり、より効果的なフィードバックをもらうこともできます。
管理者の目的
営業の進捗と課題を把握し、営業戦略の見直しに活用するため
管理者の立場からすると、管理下にいる営業が正しい行動を取れているかを把握することが重要です。なぜなら管理者は管理下の営業が KPI を達成するためのマネジメントをミッションとしているからです。
営業日報で、成果や進捗はもちろんメンバーの課題を把握したり、顧客の傾向や需要を把握することで、より効果的な営業戦略の策定やターゲットの見直しなどが進みます。
個人にフィードバックをするため
営業個人の活動状況を日報を通して把握できれば、個人個人に合わせたフィードバックを実施できます。どのような活動をしているかの把握が難しい場合は日報の書き方からアドバイスをする必要がありますが、日報から日々の活動状況の改善点を効果的にフィードバックしてパフォーマンスの改善につなげることができるでしょう。
トップセールスの知見を共有して、営業力を底上げする
日報の優れたポイントは、他の人と共有ができることです。これは、トップセールスの活動を追体験できることと同じです。売れている営業が数字を上げるためにどういった行動をとり、工夫をしているか分かれば、他の営業にシェアすることもできます。属人的なものもあるかもしれませんが、誰にでもできる工夫であれば積極的に日報の内容をシェアし、営業力の底上げに活かすことができるでしょう。
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営業日報のメリット・デメリット
営業日報を作成するメリット
組織やチームで知見を溜められる
メリットの一つ目は、組織で知見を溜められる点です。1人だけの経験の場合、その経験はその人のみが活用でき、営業組織としてのレベル向上には繋がりません。
しかし、他の人の日報を共有し組織として有効活用すると、1人1人の優れた点をみんなで真似できるようになります。また、自分とは異なる意見や考え方を取り入れることで、より効果的なアプローチ方が見えてくることもあるでしょう。
個人個人の特性に沿ったミクロマネジメントができる
共有して知見を貯めることができ、新しいアプローチや多様な考え方を得られるメリットがある一方で、個人個人に合わせたマネジメントに活用できる点も日報を作成するメリットと言えるでしょう。
日報は特定の人の行動パターンや考え方の記録であるため、管理者が1人の営業担当者のアプローチに疑問を持ったり、改善点を見つけた場合、より具体的なアドバイスを実施することができます。日報は毎日の極めてパーソナルな活動の記録であるため、営業個人へのアドバイスやコーチングの材料として有効活用ができるのです。
営業日報を作成するデメリット
知見があっても、管理に手間取り、結局知見を活かせない
日報は毎日記録する方も読む方も一定の労力が発生します。内容を読んでアクションプランを考えアドバイスを受け取ったり、伝えたりするのにも手間取ります。
日報は確かな活動の記録ですが、その情報を踏まえた活用は簡単ではありません。また、日報をもとに的確なアドバイスの実施も経験のある管理者ではないと難しい場合もあります。したがって、有益な情報があるとしても、その情報や知見を活かせないと日報を記録するだけでとなり、徒労に終わってしまうケースがあるでしょう。
ルーティン化して、営業担当者の負担になる
日報はどんなに短くても記録するために数分の時間がかかります。また、記録する前には、何を記録するかという思考を巡らせたり、振り返る時間も必要です。仮にそれが5分間だけだとしても、毎日続けるとなると営業担当者の負担になります。
営業日報を記録することが営業担当者や管理者にとって意味のあるものという合意があれば良いですが、必ずしもそうではありません。営業日報の記録に意味を感じない、その意味を理解していない営業は、ただの負担と感じてしまいます。したがって、なんのために日報を記録するのかベネフィットを周知徹底させると良いでしょう。
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日報を作ることが目的化してしまう
日報は管理者や営業担当者にとって多くのメリットがあります。しかし、そのメリットを理解しないまま続けると、ただの記録作業となります。
営業日報はあくまで手段であり、営業日報を通じて組織力の強化や、営業活動の改善につなげるためにあります。その本来の目的を理解しないまま、漫然と日報を作り続けると手段が目的化してしまいます。その結果、営業日報の効果が発揮されず、営業日報を作成する行為そのものが面倒な作業となってしまうでしょう。
営業日報の書き方
本章では一般的な営業日報の書き方を紹介します。営業日報は検索するとさまざまなフォーマットが結果として表示されます。さまざまなフォーマットがありますが、ほとんどの日報には下記のような項目が含まれています。
- 日時
- 所属
- 本日の目標
- 業務内容
- 結果
- 所感
- 改善点
- 次のアクションと期限
最初は組織やチームで決められた項目に沿って記載していき、事実と所感を記載していくと良いでしょう。できるだけシンプルに無駄なく、ポイントを抑え記載していきます。作文ではなく、業務報告書の体裁を取るため、結論ファーストを心がけましょう。
営業日報に書くこと
営業の目標
営業組織のビジョンや KPI から逆算して、目的を達成するためにどのように貢献できるかを書くように心がけましょう。
具体的には「◯◯する」という形で定量的に書くと、誰が見ても誤解のない記載になり、振り返りも容易になります。また、5W1H を意識して書くと、読んでいる側が欲しい情報が押さえられるので、読む側のストレスも軽減され、より多くのアドバイスをもらいやすくなります。
このように、ビジョンや KPI など目標や成果を可視化することは、日報を書いている本人が何のために営業活動を行っているか意識づけられます。また周囲からも営業担当者の行動が具体的に測れるようになるため、具体的なコミュニケーションを行うことができるでしょう。
営業内容
営業内容を記載する際、何をしたのか明確にわかるように構造的かつシンプルに書くと良い日報が書けるはずです。
例えば、スケジュールや営業ステップと合わせて書くなどすると読みやすくなります。構造的かつシンプルに書こうとすると自ずと無駄な表現が消えていきます。
また、取り組んだこと、特に何をしたのかの行動は定量的に書くとわかりやすくなります。そして、中途半端な内容や不明瞭な表現はできるだけ控えましょう。日報は相手にわかりやすく伝えることが目的なので、上手い文章である必要はありません。誰が見てもわかりやすくするために、構造化し、シンプルな内容に留めると良いのです。
スケジュール
いつ、何に、どれくらいの時間をかけているのかを把握するため、時間軸を明確にしておくことも重要です。
営業は定められた目標や KPI にアンテナを貼る必要があります。さらに、月や四半期といった限られた時間の中で結果を出す必要があるため、スケジュールを意識した行動が求められます。
高いパフォーマンスを出すためには、決められた時間内でより多くの仕事を進める必要があります。効率化していくためにはタイムマネジメントが欠かせません。
営業成果
営業目標や、営業内容と紐づく形で、具体的に定量的に書くことが重要です。
定性的な表現や誤解を与える記載をすると、解釈が分かれ評価が難しくなるばかりか、次の最適なアクションや改善につながらない場合があります。
示唆
事実の記載は重要ですが、最後に営業担当者の意志や考え、営業活動で感じたインサイトなどを記載することも重要です。
活動内容や知見の共有をするためには、商談オーナーである営業担当者がどのように感じたかを所感として記載すると関係者に内容が伝わりやすくなります。また、周囲からのアドバイスを受けやすくなり、営業活動の改善につながる可能性が高まります。
以下の項目を記載すると良いでしょう。
- その日の業務を振り返り何をしようとしていたのか
- 反省点/課題
- 今後もっとより良くしてくためにはどうするべきか対策
- チームで活かせる示唆
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営業日報の例
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2022/11/18 所属:XX 名前:XX
【本日の目標】
・A 商談の契約を受注
・イベントで獲得したリードに架電を行い◯件のアポイントメントを獲得
・〇〇株式会社の担当〇〇様と商談を行い課題をヒアリングし、提案の骨子を詰める
【業務内容】
・9:00-9:30:営業部の定例 MTG
・10:00-11:00:メール対応・移動
・13:00-14:00:〇〇社訪問 提案内容のすり合わせ
(省略)
【結果】
・〇〇株式会社 – 提案内容の合意(◯月◯日)
・架電後、アポイントメント1件獲得
【所感】
・〇〇株式会社の担当〇〇様は、初回訪問時には他社サービスを主に検討されていたが、今回の訪問で〇〇のメリットを訴求したところ、意思決定者からの合意を得られるだろうというお墨付きをいただいた。事前に立てていた仮説をもとに、サービスのメリットを定量的にわかるようにしたこと、それがなぜ課題解決につながるのかをコンテンツ化したことが良かった。これは横展開していきたい。◯月◯日に行う最終提案では、さらに〇〇や〇〇の部分も含めて ROI を訴求し、経営会議にかけてもらえるよう提案書を仕上げていきます。
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営業日報を書くポイント
営業日報はただ漫然と書いていても意味がありません。記録した内容をシェアし、上司にフィードバックをもらったり、他の人の日報を読んだりしながら改善策に落とし込んでいかなければ意味がありません。本章ではそのポイントを抑えるためのコツを解説します。
簡潔で構造的に書く
日報を記録する際は、数字や行動など、客観的な事実をベースに書くと良いでしょう。また、内容を盛り込みすぎないように心がけ、書く内容はできるだけ最低限の内容に絞るように意識すると良いでしょう。
最低限の内容にすると目に入りやすく、振り返りもしやすいメリットがあります。また、他の人が読んでも読みやすい内容の方がより多くの人の目に入り、思いがけないコメントやフィードバックをもらうことができるでしょう。
例えば、その日あった出来事や活動内容を冗長に書くのではなく、まず結論を書くなど、組織やチームで項目やルールを決めておくと非常に効果的です。
事実とインサイトを区別する
成果などの事実と、今後の展望や反省点/改善策などのインサイトは混同しないように分けて書くと良いでしょう。
明確に事実を記載する箇所、その上で所感という形でインサイトを記載すれば、組織として取り入れる手法などを体系的に構築しやすくなります。
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営業日報で上司が気をつけるべきポイント
書くべき項目を統一化して、ルール化する
営業日報を書くことは重要ですが、属人的な方法をとっていては効果も薄れてしまいます。したがって、営業日報を記載する際は、ルールを制定し、どの営業担当者が日報を作っても、統一感のあるフォーマットになるよう徹底しましょう。
仮に日報の記載方法がバラバラの場合、管理に手間取ってしまいますし、そもそも日報本来の目的である、知見の共有や営業手法の改善に活用できません。しかし、フォーマットさえ統一されていれば、日報作成にかかる時間が短縮されますし、働き方の改善に寄与することになりますので、営業担当者の負荷軽減や日報を目にする人の頻度も向上するはずです。
日報を書く意義/目的を共有する
営業日報を継続して書いてもらうためには、何のために日報を書くのかその意義を理解させることが重要です。
活動の記録として毎日作成するものであるため、その意識が徹底していないと、日報の質が下がったり、作成しなくなる営業担当者も出てきてしまいます。日報の意義や目的を周知しないと、何度も同じ内容を書いてしまったり、面倒だけどとりあえず日報を書く、という日報の本来の目的が形骸化する恐れがあります。
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営業日報を効率化する
ツールを活用する
日報作成は活動を記録し、知見を共有することが重要であることをお伝えしました。さらに日報を有効活用するためには CRM や SFA など、積極的に営業日報を記録するツールを活用すると良いでしょう。
クラウドサービスなどのツールを活用することでリアルタイムで関係者に日報が共有されます。オンラインでやりとりが完結すれば、ローカルデータとして埋もれることもなく、日報を活用した営業活動の改善につながるアクションも取りやすくなるはずです。
営業日報の意義を再検討する
営業日報の作成や管理は骨が折れる作業なので、書くことそれ自体が目的になってしまっていないかを定期的に確認することが重要です。
日報を何に活用したいのかを再考するようにしましょう。例えば、営業戦略を練る上で、どんな顧客にどんなアプローチが刺さっているのか知りたいというケースもあります。
他にも、営業担当者の改善ポイントを理解し、人材育成のために活用するというケースもあるでしょう。このようにそもそもの営業日報を書く目的を再確認し、その目的に合った手段を考えることは非常に大切です。
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Magic Moment Playbook を活用し営業を楽にする
本日ツール活用の必要性についても触れましたが、 Magic Moment Playbook を活用すると、日報を作る、報告する、管理するといった営業の無駄をどんどん自動化/標準化して、売上の向上と営業の効率化を実現することができるようになります。
また、営業日報の重要性をより理解し、改善ポイントを洗い出すためのツールとして弊社は「 BtoB 営業組織レベルチェックシート」を無料で提供しています。
「 BtoB 営業組織レベルチェックシート」を使うことで、営業日報を作る目的を整理する際に、自社の営業組織の課題や現状を把握しておかないといけない項目を事前に確認することができます。また、組織の状態を簡単に把握でき、何を改善すべきかのヒントになるのです。
Magic Moment Playbook を活用して、生産性を向上させつつ、営業の負担を減らして行きませんか。
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