商談のクロージングとは?クロージングを成功させるためのポイントを解説
- クロージングとは、契約を決めていただく商談の最終フェーズのことで、商談の成否が決まるため、営業プロセスの中でも重要視されている。
- クロージングを成功させるには、事前準備として顧客との関係性とBANT を確認する必要があり、商談実践時には、顧客の抱えている課題を明確化して、自社商品・サービスが課題を解決することを提示することが重要だ。
- クロージングを成功させ、成約率を向上させるためには、リードの創出とナーチャリングといった手前の一連のプロセスの質を向上させることも必要不可欠である。
商談のクロージングは営業プロセスにおいて重要なフェーズです。
営業プロセスは、見込み顧客の発掘から獲得、アプローチから商談のクロージングへと流れていきます。クロージングの成功は営業成果に直結しており、組織の売上を向上させるためにはクロージングスキルの高い人材の育成が重要です。
そこで本記事では、クロージングの概要からクロージングを成功させるためのポイントまで詳しく解説します。
目次
組織の営業力を強化し競争優位を築くためには、メンバーの育成が重要なテーマとなります。
また、弊社ではトップセールスの営業水準・内容を再現できる営業支援 SaaS 「Magic Moment Playbook」を提供しています。
データを用いた科学的なアプローチにより、属人性を排した効果的な人材育成を実現することができます。営業組織の人材育成の変革をサポートする資料が下記から無料でダウンロードできますので、是非ご活用ください。
無料ダウンロード:営業組織の育成ハンドブック
クロージングとは?
まずはじめに、クロージングの定義とその重要性について解説しましょう。
クロージングとは
クロージングとは、契約を決めていただく商談の最終フェーズのことです。英語で Closing は、終わりや締めくくりと訳され、ビジネスにおいて商談を締めくくる場面になります。
つまり、クロージングは、相手に商談の意思決定を促すため、商談の成否が決まる重要なフェーズです。いくら、多くの商談を獲得していてもクロージングが成功しないと成約数は伸びません。
クロージングは、単に契約を決めてもらって契約書にサインをもらう瞬間ではなく、契約獲得に至るまでの商談プロセス全体の結果を表しています。
商談を実施するためには、顧客とのスケジュール調整や事前準備など、営業担当者をはじめとする営業部門の時間やリソースがかかります。そのため、クロージングの成功率が低くなると、CAC (顧客獲得単価) が高くなります。
つまり、クロージングの成功率を高めることは、効率的な営業に結びつくことになります。
営業担当者のスキルや経験に依存するだけでなく、営業メンバーの底上げに組織的に取り組む必要があるのです。
あわせて読みたい:売れる営業と売れない営業の違いはどこにある?売れる営業になるために必要なスキル
クロージングを成功させるためのポイント
この章では、クロージングを成功させるための具体的なポイントを【事前準備】と【商談実践】の場面ごとに解説します。
クロージングのポイント【事前準備】
商談のクロージングを成功させるためには、実際に顧客に対してクロージングの商談を行う前の事前準備をもれなく周到に行う必要があります。事前準備を怠ると、クロージングのタイミングを誤ったり、顧客の考えと的外れな提案に終始してしまう可能性が高まります。
成果をあげている営業担当者の多くはしっかりと事前準備をしていることが多く、習慣として身についています。しかし、こうした優秀な営業担当者の営業活動は、属人化・ブラックボックス化していることが多いのも事実です。
この章では、商談のクロージングを成功させるための事前準備で外せない下記の2つのポイントを解説しましょう。
- 顧客との関係性を明確にする
- BANT を確認する
顧客との関係性を明確にする
クロージングの事前準備では、顧客と自社との関係を明確にすることが必要不可欠です。
顧客との関係性を可視化することで、顧客が今どれくらい自社に興味を抱いているのか、顧客が購入する動機を満たしているかなどを見極めることができるため、適切なタイミングでのクロージングの実行に繋がります。
下記図のように何をどのようなタイミングで顧客と合意するべき項目を定め、共有できる資料にすることでクロージングするべき基準を数値化することができます。
BANT を確認する
顧客との関係を可視化するために抑えておくべきポイントが「 BANT 」情報です。
BANT は、Budget (予算)、Authority (決裁権)、Need (必要性)、Timeframe (導入時期)の項目で、顧客が現段階でどのように考えているのかを把握するフレームワークです。
Budget (予算)
- 現在、自社の商品やサービスを導入する予算があるかどうかを把握
- 将来的に予算を確保できるかどうか把握
Authority (決裁権)
- 営業している担当者に決裁権があるかどうかを把握
- 担当者に決裁権がない場合、決裁権は誰にあるのかを把握
Need (必要性)
- 現在、顧客が抱えている問題点や課題を把握
- 将来的に顧客が直面するであろう問題点や課題を把握
- 問題点や課題が顧客にとって重要性が高いかどうかを把握
- 自社の商品やサービスが顧客の抱える問題点や課題の解決策となるかどうかを把握
Timeframe (導入時期)
- 顧客が商品やサービスを導入する時期を把握
- 導入に向けて検討していく具体的なスケジュールを把握
例えば、BANT 情報を分解し、ヒアリング項目化しておくことで効率的なクロージングにつなげることができます。
BANT のような営業のフレームワークは営業組織の生産性を向上させるヒントになります。営業の型化に活用できるフレームワークを以下の記事で解説しています。
あわせて読みたい:営業組織がスケールするためになぜ「型化」が必要なのか
クロージングのポイント【商談実践】
商談実践は、営業担当者の能力が問われる場面であり、営業が属人化しやすい部分でもあります。この章では、商談のクロージングを成功させるための商談実践で外せない下記の2つのポイントを解説しましょう。
顧客の抱えている課題を明確にする
顧客課題の仮説立てや顧客が達成すべき目標を明確にすることで、顧客にとっての自社サービスの魅力を明確にすることができ、より顧客にとって最適な提案に繋がります。
傾向として、多くの顧客は会社のニーズや困難や目標を話してくれますが、それは表面的なものが多いです。そのため、顧客の真のニーズや課題を把握するためには、仮説を事前に立てること、そしてヒアリングで深掘りすることを恐れないようにしましょう。
クロージング成功の鍵は、顧客ニーズの深堀りや、真に顧客のためになるインサイトを与えることです。この営業手法について下記記事で詳細に解説していますのでぜひお読みください。
あわせて読みたい:ソリューション営業とは?基本戦略や必要なポイントについて解説
自社商品・サービスが課題を解決することを提示する
ただサービスのメリットを伝えるだけでは、成約に繋がりません。自社のサービスはあくまで手段だと捉えましょう。
顧客の関心は課題の解決です。クロージングでは、自社の商品・サービスの機能を単に伝えるのではなく、顧客が抱える課題の解決策として有効であることを念頭において商談を行うことが重要です。
また、課題は顧客ごとに固有であるため、クロージング対象の顧客固有の課題を解決するために、顧客が言う表面的な課題に対してだけではなく、顧客が気付かない視点から提案を作成することが重要です。
あわせて読みたい:5分でわかる「Magic Moment Playbook」
クロージングの質を高め、成約率を上げるには手前のプロセスも重要
クロージングを成功させ、成約率を向上させるためにクロージングのフェーズだけではなく、案件そのものの質を向上させることも必要不可欠です。
質の高いリードを創出する
まず、商談の機会を増加させるためには効率的にリードを創出することが必要です。一定のリードを創出することができるプロセスを構築することが継続的なリード数の増加、すなわち商談数の増加に繋がります。
しかし、クロージングには、リードの量に加えて、質も大切になります。自社の商品・サービスに興味を抱いてくれる人を明確に定義するようにしましょう。
過去の商談のデータや顧客データをもとにターゲットを明確にすることが必要不可欠です。そのためには、リアルタイムで商談のデータや顧客データを活用できる組織体制を整備することが欠かせません。
リードを創出する手法としては、e-mail や電話、広告など幅広くあります(下記表参照)。自社の商品・サービスが適合する顧客を明確にし、顧客にリーチできるチャネルを選定することが重要です。
適切なナーチャリング
次に、商談効率を向上させるためには創出されたリードをナーチャリングしていくことが必要です。
ナーチャリングとは、アーリーステージにいる顧客との関係を構築し、強固にするプロセスであり、商談に結びつけるために必要不可欠です。リードがどのような状態であれば、クロージングに移行するのかを定義し、最適なタイミングでアプローチするのが理想です。
リードを丁寧にフォローしていき、ニーズに答えていくナーチャリングを実施することで、クロージングの質が高まり、クロージングの成約率を向上させることにつながります。
下記記事ではナーチャリングにおいて大きな役割を果たすインサイドセールスについて詳しく解説しています。併せて是非お読みください。
あわせて読みたい:インサイドセールスとは?意味やメリット、役割から導入・運用のポイントまで徹底解説
まとめ
クロージングを成功させるためのポイントは、大きく分けると以下の4つのポイントがあります。
- 顧客との関係性を明確にする
- BANT を確認する
- 顧客の抱えている課題を明確にする
- 自社商品・サービスが課題を解決することを提示する
クロージングの質を上げる手前のプロセスとして、質の高いリードを創出し、適切なナーチャリングを実施することも重要です。また、営業組織全体でクロージングの成功率を向上させるためには、組織全体の営業力の底上げが必要不可欠です。
データを用いて科学的にアプローチすることで営業の属人性を排することができ、営業力の底上げにつながります。
営業組織の育成をサポートする資料が下記から無料でダウンロードできますので、是非ご活用ください。
無料ダウンロード:営業組織の育成ハンドブック
また、Magic Moment Playbook の機能についての詳しい情報は こちらの記事「営業改革を実行するための主要機能」 をご覧ください。
Magic Moment Playbook サービスサイト:https://lp.magicmoment.jp/magic-moment-playbook
導入事例:https://www.magicmoment.jp/academy/category/case/
Accel の記事や、セミナーの告知、公開したホワイトペーパーなど、サブスクリプションビジネスの成功に役立つ情報を定期的にお届けします。