クラウドと SaaS とは? PaaS・IaaS との違いや意味も解説
- クラウドはインターネット上のアプリやデータにアクセスして使用するシステムのこと
- SaaSはクラウドサービスの一形態で、少額の初期費用で柔軟にサービスを利用できる
- PaaSやIaaSと比較すると開発の自由度は小さい分、すぐにサービスを実用化可能
- 現在SaaSには8つのタイプがあり、どれも業務効率化やビジネス強化に役立つ
- Magic Momentでは、SaaSの一形態のSEPサービス「Magic Moment Playbook」を提供
Zoom、Slack、Google Workspace、 Adobe Creative Cloud など、SaaS をはじめとするクラウドサービスの名前を耳にすることが一般的になりました。
しかし、様々なクラウドサービスが普及するにつれ、他の用語や考え方との区別が難しくなってきている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、混同されやすいクラウドと SaaS の違いと、SaaS の考え方に近い PaaS や IaaS の意味を解説します。
また、弊社 Magic Moment では営業活動量を圧倒的に増やし、全ての営業活動から優れた顧客体験を生み出すセールスオペレーションクラウドとして、「Magic Moment Playbook」を提供しています。詳細についてはプロダクトページからご確認ください。
目次
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クラウドとは
クラウドは、正式名称は「クラウド・コンピューティング」と呼ばれ、サーバーなどにデータを保存せずにインターネットを通じてアプリケーションやデータを利用する形態を指します。
ユーザーは、クラウドプロバイダーにお金を支払い、利用期間やデータ量に応じてソフトウェアやストレージなどのサービスを利用します。通常は契約して料金を支払う期間だけサービス利用が可能です。
従来はハードウェアやソフトウェアを購入、インストールして利用する形態が一般的でしたが、クラウドを導入すれば、インターネットを通じて必要なコンピューティングリソースのみを、必要な時・量だけ利用できます。
また、パソコンやスマホ、タブレットなどインターネット接続ができる環境があれば、いつでもどこでもサービスを利用可能に。サービスの導入コストを抑えたり、複数人が離れた場所から同時に接続してサービスを同時利用したりするなど、アプリケーションやデータ運用の効率性や柔軟性が向上します。
クラウドサービスを利用するメリット
クラウドサービスは、次の5つのメリットが存在します
- 初期費用が小さい
- 組織のニーズに対応可能
- 高度なセキュリティ
- 複数人で利用可能
- どこでも利用できる
それぞれのメリットについて詳しくみていきましょう。
クラウドサービスを導入すると、自前で IT インフラやデータセンターの構築が不要です。月々の利用料を支払えばすぐにサービスを使えるため、設備導入の初期費用が大幅に削減されます。また、クラウドサービスなら、組織のニーズに合わせてプランの拡充やサービスの導入・削減が容易になります。組織のビジネス成長に合わせて利用するサービスを柔軟に調整できます。
さらに、クラウドサービスの多くは、各社が高度なセキュリティシステムを構築しています。よほど専門的な知見のある企業でない限り、自社でセキュリティ対策を施すよりも高い水準のセキュリティを享受できます。
クラウドサービスは共同作業を促進するための非常に優れたツールです。複数の人が同時にドキュメントを編集したり、プロジェクトの進行状況を管理したりできます。また、インターネットに接続できる環境さえあれば、誰でもどこでもクラウドサービスを利用可能に。サーバーにアクセスできる環境を整えなければ使用できないオンプレミス型と比較して、地理的な制約を受けずにすみます。
近年のリモートワークやテレワークなどの労働環境においては、複数の人が異なる場所から同時に作業する局面が増えるため、クラウドサービスは重要な役割を果たしています。
クラウドと SaaS の違い
SaaS は「Software as a Service」の略で、クラウドサービスの一形態です。利用者はクラウド上にあるソフトウェアをインターネットからアクセスして利用します。そのため一般のクラウドサービス同様に、インフラやソフトウェアの構築や導入が必要ないため、初期費用を抑えられます。
自分たちでハードウェアやソフトウェアを用意する必要がなく、サービス提供企業がインフラからデータ、ソフトウェアの更新までを行うため、高度なサービスでも利用のハードルが非常に低いというメリットが挙げられます。
SaaS もまた、インターネットに接続できる環境があれば、どこからでも使用できます。また、同時に多数のユーザーが使用できる仕組みになっています。また、料金体系は「サブスクリプション」とも呼ばれる月額などの定期料金システムとなっているのが一般的です。
近年広く普及している Zoom、Slack、Google Workspace、Adobe Creative Cloud など、多くのクラウドサービスに導入されているサービス形態です。
SaaS サービスの代表的な例として、Google のストレージサービス「Google Drive」を簡単に紹介します。同サービスは、個々人が、ドキュメントやスプレッドシートのデータを Google のクラウド上へアクセスして使用するものです。クラウド上にデータを保存し、また複数人での共同編集などができます。料金を支払えば保存容量を増やすことも可能です。
このように多くのサービスは利用期間や人数、容量などに応じて、サービス事業者に料金を支払う仕組みです。また、Google Drive のようにトライアルやエントリープランなどは無料もしくは低価格で利用できる仕組みになっているものも少なくありません。
SaaS と PaaS・IaaS との違い
クラウドサービスには、SaaS の他に「PaaS(Platform as a Service)」、「IaaS(Infrastructure as a Service)」などの形態があります。それぞれの違いについて、ここでおさえておきましょう。
図で示すと上記のような形で、上に行くほどユーザーの開発が不要である一方、下に行くほどユーザーが自由にアプリケーションを開発できます。
SaaS(Software as a Service)はここまで紹介した通り、それ自体がサービスとしてすぐに利用可能です。PaaS(Platform as a Service)は開発環境や実行環境を提供するプラットフォームのことで、自社に必要なアプリ開発に必要なインフラが環境を入手できます。
また、IaaS は開発などをおこなうためのインフラを提供するサービスです。具体的にはハードウェア、ストレージ、ネットワーク、オペレーティングシステムやネットワークなどを利用できるようになります。
PaaS(パース)との違い
PaaS(Platform as a Service)とは、インターネット上でプラットフォームを提供するサービスです。事業者がOSやミドルウェアなどのプラットフォームを外部に解放し、利用者はその上で自社に必要なアプリケーション開発をおこなうことができます。SaaSはすでに完成されたアプリやサービスを利用することしかできないのに対して、PaaS なら自社に必要な機能を構築可能です。
すでにサーバやインフラ設定は完了しているため、利用者はシステム開発に集中して、迅速に進めることができます。一方で、プラットフォームをサービス提供側が用意しているものを使用しなければならないため、開発の自由度は下がります。
IaaS(イァース/アイアース)との違い
IaaS(Infrastructure as a Service)は、クラウド上に開発のためのハードウェアリソースを提供するサービスです。SaaS や PaaS とは異なり、提供されるのはシステムを構築・稼働する基盤だけで、サーバーやインフラなどの設定は自前でおこないます。
開発者はネットワーク越しに仮想サーバを自由に起動させることができ、OS や言語なども自分で選択できます。開発のための手間は PaaS よりもかかる一方で、開発の自由度も向上します。
おすすめの SaaS サービス8選
現在では多くの SaaS サービスが存在しています。そこで今回はビジネスを効率的に進めていくうえでおさえておくべき8つのサービスを紹介します。まずは、どのような種類があるのかだけでも、おさえておきましょう。
ビジネスチャット
ビジネスチャットは、おもに業務上の企業内コミュニケーションを支援するためのツールです。テキストメッセージを主体に、通話やデータの授受など業務上の連絡や情報共有に適した機能が備わっています。
SNS と使用感が近いため、メールと比べてカジュアルかつ柔軟にコミュニケーションが取れます。また、情報共有や管理の円滑化にも役立ちます。
最近では次のようなサービスが盛んに利用されています。
- LINE WORKS
- Microsoft Teams
- Chatwork
- Slack
プロジェクト管理
プロジェクト管理ツールはプロジェクトメンバーのタスク管理や情報共有を一元管理できるツールです。プロジェクトの工程やスケジュールを可視化し、メンバーのタスク進捗状況やコスト管理が可視化されるなど、プロジェクト管理が容易になります。
情報共有機能も備わっていて、メンバー間で簡単に最新情報の共有が可能になります。同ツールを活用すればプロジェクト管理が円滑化し、スムーズで効率的な作業進捗が可能に。また状況把握が容易になるため、プロジェクトがスタック・頓挫するリスクも回避できます。
最近では次のようなサービスが盛んに利用されています。
- Trello
- Backlog
- Asana
- Wrike
ERP
ERP とは企業内に散在する情報を一元管理し、経営資源の効率的な活用を支援するためのシステムです。販売管理や生産管理、在庫管理、人事管理などを統合することで、経営資源が可視化され、有効活用するための計画策定や実行を支援します。
ERP の導入により、業務プロセスの改善やコスト削減、法律や制度変更への迅速な対応が実現します。さらに、企業内の情報を可視化することで意思決定の迅速化や問題解決が円滑化します。
最近では次のようなサービスが盛んに利用されています。
- NetSuite ERP
- SAP Business One
- クラウドERP freee
グループウェア
グループウェアは企業内の情報共有を目的としたシステムです。スケジュール管理、掲示板、タスク管理や業務の進捗管理、ファイル共有、設備予約など多様な情報共有機能をパッケージ化しています。
スケジューリングやコミュニケーションチャット、タスク管理、勤怠管理などが一つのグループウェアで完結するため、さまざまな業務プロセスを効率化。社員間でのコミュニケーションの円滑化にも役立ちます。
最近では次のようなサービスが盛んに利用されています。
- Office365
- Desknet’s NEO(デスクネッツ ネオ)
- G Suite
- サイボウズOffice10 / Garoon(ガルーン) / kintone(キントーン)
会計ソフト
会計業務を効率化するソフトウェアです。収支計算を行い、現金出納帳や総勘定元帳などの帳簿、決算書などの帳票を作成・出力できます。
税務署への確定申告をはじめとした会計・経理関連の法定書類の作成や、請求書作成などの業務にも対応しています。人的ミスの削減や業務効率の向上、迅速な決算作業の実現など、様々なメリットが得られます。また、近年でいえばインボイス制度導入など、会計制度の変更にも円滑に対応できます。
次のようなサービスが盛んに利用されています。
- マネーフォワード クラウド会計
- クラウド会計ソフト freee
- 弥生会計 オンライン
CRM/SFA
CRM は、顧客満足度の向上や顧客とのリレーション強化に向けて、円滑な顧客情報管理を実現するシステムです。顧客情報を一元管理し、マーケティング、営業、カスタマーサポートなどの業務に活用できます。
SFA は営業担当者の進捗状況を可視化し、生産性を向上させるシステムです。CRM と SFA はしばしば連携して活用することで営業・マーケティングを強化します。
次のようなサービスが盛んに利用されています。
- eセールスマネージャー
- Microsoft Dynamics 365
- kintone
- GENIEE SFA/CRM (旧ちきゅう)
- Zoho CRM
- Knowledge Suite
また、CRM・ SFA でデータを活用するためのコツは、こちらの記事も参考にしてください。
MA
MA(マーケティングオートメーション)は、顧客の属性と行動に合わせた体験を創造し、長期的な関係を構築するプラットフォームです。同ツールを活用すれば、顧客データに基づいてマーケティングが自動的に推進され、顧客育成からセールスへの送客を効率化できます。
次のようなサービスが盛んに利用されています。
- Marketing Cloud Account Engagement(旧 Pardot)
- Hubspot Marketing hub
- b→dash
新たな営業手法として注目されている「インサイドセールス」を効率よくつくるには、 MA が欠かせません。
Sales Engagement Platform
SEP(Sales Engagement Platform)とは、CRM や営業データを活用し、AI が顧客への最適なアプローチを自動で分析・提案するセールステックのことです。
営業活動に直結しないリスト作成や商談データ入力を最大限効率化させ、データドリブンの営業を後押しします。アプローチ先に合わせてメール送信などの日常的な営業活動の自動化もおこないます。
日本では SFA や CRM を導入している企業が多いが、SEP については充分に活用できていない傾向にあります。一方で、米国では CRM よりも SEP への投資が進んでおり、SaaS 系企業の多くが SEP を営業組織に導入しています。SEP の導入により、営業活動の効率化や競争力の強化が期待できます。
上図のように米国では CRM よりも SEP を含む Sales Engagement や Sales Intelligence へ積極的に投資する企業が多く、約80%の営業組織がセールステックに最低200ドル/月以上を投資しています。セールステックにより営業活動の中で得られたデータを有効活用し、営業活動の自動化や強化に役立てているのです。
SEP について、日本では次のようなサービスが盛んに利用されています。
- Magic Moment Playbook
- Senses
- Outreach
- Salesloft
SaaS をはじめとするクラウドサービスの普及は、これからのビジネスの在り方を大きく変化させていきます。テクノロジーの発展とともに、企業は人手不足や顧客の購買行動の変化といった、現状の課題に対応していかなくてはなりません。
Magic Moment で はお客さまの営業の量と質を向上させる SEP(セールスエンゲージメントプラットフォーム)である Magic Moment Playbook を提供しています。
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