営業トークのコツとスキルを紹介|営業がうまくなる4ステップとは?
- 営業は、商品を売り込むことではなく、顧客のニーズを理解し、顧客にとって最善の解決策を提示することが求められる。
- 成果を上げる営業パーソンは、常に顧客に寄り添った営業トークを行なっている。
- 営業の成績を上げるためには、営業全体のノウハウを使い、営業の型を作ることが重要
営業トークのコツを聞いても、「続けていれば慣れる」「トークスクリプト通りに読め」など、曖昧なアドバイスでなかなかうまくいかない営業担当者は多くいます。
「営業が上手い人は元々コミュニケーション能力が高い人なんだ」、「センスがある人なんだ」と考えてしまいがちです。しかし、営業トークのスキルは今から学んで練習をすれば誰でも身につけられるスキルです。
この記事では「成果を挙げたい」、「売れる営業トークを身につけてトップセールスになりたい」と考えている方に向けて、スキルの紹介から、スキルの身につけ方までをご紹介します。
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目次
売れる営業トークの特徴
商談の中に成果を上げることのできる営業パーソンと、そうでない営業パーソンの違いが現れています。
それでは、売れる営業パーソンとはどのような特徴があり、どのようなスキルを身につけているのかを解説します。
費用の話を厭わない
意外かもしれませんが、売れる営業パーソンは価格の交渉を迫られても毅然とした態度でいることができます。なぜなら事前にコストメリットをしっかりと説明することができるからです。
本当に優れた製品を販売していたとしても、営業パーソンが価値を提供してくれると顧客が認識していなくては、成約に結びつくことは難しいです。
ここで重要なことは、顧客が考慮していないニーズを提供することです。このアプローチにより、顧客は営業パーソンから重要でありながらも未知な情報を得られると考えます。
自社では考えつかなかった課題を提供し、それの解決策を提示できることは、商品サービスや営業パーソンの価値を高めることになります。
自社製品やサービスがしっかりとコストに見合う価値があること、顧客の課題を定義し、自社製品によって顧客が知り得なかった課題を解決できるというビジョンを作成することで、自信を持って顧客からの価格交渉に対応することが可能になります。
顧客の合意をとりながら商談を進める
売れる営業の特徴として、独りよがりの営業をせず、顧客を商談から放置しないことが挙げられます。
顧客との合意を取らずに営業を進めてしまうケースがよくあります。商談に臨む前に、顧客の課題や事業の展望、仮説立てなどの事前準備を怠り、顧客の理解を深めることができず、自社のサービスの説明だけを行い、顧客を商談から置いてきぼりにしてしまうのがよくあるケースです。
顧客を前提とした商談を進め、合意形成を重ねることが求められます。
合意の段階においても、課題が残された状態から改善された未来への変化を強調し、その変化のストーリーを伝えることで顧客が将来のビジョンを想起しやすくなります。
顧客が使った際のベネフィットを伝える
先ほどの営業トークの流れでもお伝えしましたが、顧客に商品やサービスを使った際にどのようなベネフィットがあるのかを伝えることが重要となります。
顧客自身が気づいていないニーズを提示し、ソリューションの特定の機能をそれらのニーズを関連付けて、もたらされる恩恵について顧客に伝えましょう。
BREVET の調査1)によると、13%の顧客しか、営業マンは自身のニーズを理解してくれると考えていません。ニーズを理解してくれる信頼できる営業マンと思われるためには、顧客が考慮していないニーズを伝え、それに沿った解決策を提示しましょう。
成果の上がる営業パーソンは商品の機能をただ伝えるだけでなく、各顧客がもつ潜在的ニーズに適した商品やサービスの価値やメリットを説明することができます。
画一的なメリットを伝えるのではなく、事前に行った仮説立てや顧客との会話の中で掘り起こした潜在的ニーズに沿う提案を心がけるようにしましょう。
営業トークに必要なスキル
コミュニケーション力
一方的に話すのではなく、顧客の課題を把握しようと努力し、顧客のニーズを理解しようと、顧客と共に会話のキャッチボールを行うことが重要とされます。
またプラスアルファとして、他社の成功事例や顧客が知らないインサイトなど、顧客にとってメリットを感じられるような情報を会話の中に織り交ぜることで、少しずつ顧客の信頼の構築を図ることができます。
しかし、顧客と仲良くなるだけでは、成約につながりません。
必要に応じて決済者やキーマンに会えるように、担当者に迫ることも成果の上げられる営業パーソンには必要です。
顧客を理解し、支える力
顧客の潜在的ニーズや、顧客自身が気づいていない課題を発見するためには、顧客の会話を聞く必要があります。顧客への理解を深めるために、営業パーソンは優れた質問者でありながら、優れた聞き手になりましょう。
顧客が話しやすい状況を作るために、適宜質問を挟むことは重要ですが、質問攻めにならないように注意しましょう。
営業パーソンに求められていることは、商品の詳細を顧客に事細かに伝えることではなく、顧客の課題を把握し、顧客のサポーターとして意思決定を支えることにあります。一方的に情報を提供するのではなく、顧客の考えや意識を引き出すようにしましょう。
顧客を理解した上で、顧客が気づいていない課題や潜在的ニーズを提供できる営業パーソンは、顧客からの信頼を獲得でき、成果に結びつきやすくなります。
課題解決力
成約につながる営業パーソンになるためには、課題解決力が非常に重要です。
課題解決力は、商談の前に顧客の課題の仮説を立て、顧客との会話の中での潜在的ニーズの
把握から、自社商品によって解決されうる顧客の課題を考え抜くことによって磨くことができます。
顧客にとって何が最善なのかを検討し、理想に近づけるために解決すべき課題を発見することが、売れる営業パーソンに近づく一歩となります。
顧客の焦りを引き出す力
顧客の事業を理解した上での課題解決のための適切な助言、顧客が気づいていないインサイトなどを加え、自社サービスが顧客にどのようなメリットをもたらすのかを伝えましょう。
また、営業トークの中で、問題を抱えた現状のアプローチから、改善された新たな方法のギャップを強調することによって、顧客の心の中での変化への緊急性を刺激することが可能です。
顧客のストーリーを伝える際に、購入のビジョンを裏付けるための導入事例と、顧客の感情を結びつけましょう。
数字のデータだけでなく、ソリューションを使用した際に、過去事例のビジネスがどのように改善され、業務が楽になったのかについて話しましょう。
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営業トークがうまく行かない理由
営業がうまく行かない、頑張って顧客に説明しているのに成約になかなか繋がらないと、営業が向いていないのではないかとネガティブな気持ちになりがちです。
営業がうまく行かないのは、営業パーソン個人の性格や向き不向きが問題なのではなく、商談の中で改善できるいくつかのポイントがあるからです。
ここでは、営業トークがうまく行かないポイントを紹介します。
顧客の利益を追い求めていない
自社の商品を知ってもらいたい、サービス内容を知ってもらえれば成約につながると考え、顧客に耳を傾けることを忘れてしまいがちです。
成果の上がる営業パーソンは、顧客に商品やサービスを購入させたいのではなく、顧客が解決すべき課題を商品やサービスによって解決します。
顧客とのコミュニケーションは、営業パーソンが商品やサービスの内容を伝えることではなく、顧客の課題やニーズのヒアリングを行うことが最も重要です。
顧客が主体となっていない
顧客が抱える課題も把握せずに、自分自身の営業目標だけを追いかけていては、本来売れるはずの商材も売れなくなってしまいます。
顧客は商品やサービスを知りたいのではなく、サービスを購入することによって、どのようなメリットが得られ、自社の課題が解決できるのかが知りたいのです。
営業パーソンは、自身の売上成績ではなく、顧客の問題を解決する必要があります。メンターの役割を果たし、顧客がどのようにして変化を行なっていくのかを理解させる手助けをしましょう。
そんな中で、サービスを契約してもらうことだけを考え、顧客が知りたがっていることを提供できない営業は、売れない営業の特徴であると言えるでしょう。
意思決定者と会うことができない
顧客との関係性を良好に保とうと、「決裁者に会いたい」などの案件を前に進めるための交渉を顧客に迫ることができないケースがあります。
毎回の商談で、顧客との会話が弾み、関係性の向上が見てとれたとしても、本来の目的であるサービスの契約によって顧客の課題を解決するという本来の目的を達成することはできません。
成約への次のステップに進むためには、この事業における意思決定のプロセスを理解し、意思決定者が商談に参加してもらうことが可能か、を担当者に求めましょう。
顧客に興味がない
事前に顧客のいる環境や事業を調べて仮説を用意するということを行なっていないと、顧客ごとに合わせた質問や提案ができなくなってしまいます。
画一された質問や提案では、商談ごとに変化する顧客に対して、本当に適した質問や提案を行うことができません。
それだけでなく、顧客からの質問にも明確に答えることができません。当たり障りのないぼんやりとした解答しかできず、顧客からも自信がないように見えてしまいます。
このようなことが起こらないようにするためには、事前に顧客について調べ、顧客のニーズや課題を仮説立てることが必要となってきます。
あわせて読みたい:売れる営業と売れない営業の違いはどこにある?売れる営業になるために必要なスキル
営業トークの流れ:4ステップ
売れない営業の特徴がわかったところで、ここからは営業がうまくなるための商談の重要ポイントを、商談の流れに分けて紹介していきます。
商談の中で流動的な関係構築と商談のコントロールを行えているかで、他の営業パーソンと差をつけることができます。
Step 1 信頼関係を築く
顧客が営業パーソンから情報を得たい、サービスを購入したいと思ってもらうためには、顧客からの信頼を得ることが必要不可欠です。
営業パーソンが顧客から信頼を得るためには、事前に顧客のリサーチを行うことや、顧客にいくつかの質問をし、顧客の本来の課題やニーズを理解することが重要となってきます。
事前にリサーチを行い、課題やニーズの仮説だてを行うことや、顧客から課題やニーズを聞き出す本来の目的として、顧客を知るということに帰着します。
顧客を知り、顧客が知りたがっている情報を理解することが、信頼を得る近道になります。
Step 2 顧客に情報を提供する
先ほどのステップで、顧客の信頼を得ることの重要性を解説しました。
顧客の信頼を得たところで次のステップは、顧客の潜在的な課題やニーズ、それを解決する情報を提供することです。
顧客が知らなかった情報を提供することによって、顧客に驚きを与え、更なる情報を顧客は知りたいと考えます。
この顧客が知らなかった情報を得るためには、自社商品の理解を深めることや、事前に仮説を立て、顧客の理解を深めることが重要となります。
Step 3 顧客の心を揺さぶる
顧客が知らない情報や潜在的なニーズを提供したところで、顧客の事業がこのまま進むとどうなるのかを、他社事例の痛みを顧客の痛みと同様に捉えてもらいます。
その上で、その痛みを解決するストーリーを顧客に提示し、顧客が自分が痛みを味あうストーリー上にいること、ここで行動を変化させることによって、痛みを味わうストーリーから、課題を解決するストーリーへの変遷が可能であることをイメージさせます。
このことによって、顧客は行動を変化させなければならないと考え、心情にも変化を与えることが可能になります。
Step 4 解決策の提示
先ほどのステップで、顧客は自身の行動を変化させることによって、自社のビジネスがどのようにして改善するのかを想像します。
ここで顧客の課題解決や、ビジネスの改善を一番強く手助けできるのは、自社であるということを伝えます。
顧客にとって本当にメリットになる解決策や本当に解消すべきニーズのために、自社の商品やサービスがあることによって、商談をコントロールし、顧客はあなたを頼るようになります。
営業は顧客のパートナーであることを忘れてはいけません。
あわせて読みたい:【商談を成功させるコツ】優秀な営業が必ず意識しているテクニックを紹介
売れる営業トークをするためには
営業力を上げるためには、個人で意識してできることもありますが、組織として改革をもたらすことが近道となります。
トークスクリプトを作る
トークスクリプトを作る際にも、さまざまな工程が必要となってきます。
営業のトークスクリプトを作成する際の手順をこちらで紹介します。
- フェーズ、ゴール、達成目的を定義
- 受注するためにヒアリングすべき内容の精査
- 商談で参考になるスクリプトの作成
- 過不足がないかの最終確認
フェーズ、ゴール、達成目的を定義
優れた営業トークスクリプトを作成するためには、過去の受注、失注した企業の営業プロセスを見返し、受注するためのマイルストンを設定することが重要となってきます。
受注するためにヒアリングすべき内容の精査
トークスクリプトを作成する際に、過去に成果を上げているマネージャーやトップセールスからコツや意見を取り入れることが、トークスクリプトの作成には欠かせません。
商談の中で顧客と合意すべきポイントやヒアリング項目などを洗い出し、商談の中で踏むべきステップを洗い出すことによって、成約の確立を上げるトークスクリプトを作成することができます。
商談で参考になるスクリプトの作成
先ほどお伝えした内容から、トークスクリプトの作成を行います。
トップセールスのインタビューから得た情報や、録音された商談、架電の振り返りから、必要な質問事項や、商談の中での会話の順序などを織り込んだスクリプトを作成しましょう。
過不足がないか最終確認
トークスクリプトが完成したら、営業担当者と過不足がないかを確認します。
このような手順を踏み、トークスクリプトを作成していきます。
Magic Moment Playbookを使う
トークスクリプトの作成だけにとどまらず、営業の手助けをしてくれるツールが Magic Moment Playbook になります。
Magic Moment Playbook は、誰もが良質なトーク・商談をして、営業組織の生産性を向上させることで、営業が作る LTV を最大化できるツールです。
戦略を立て、面倒な事務作業なども自動で行い、これらの時間を顧客と関わる時間に変えることができます。
商談のトークスクリプトも、個人の経験値だけでなく、営業部隊全体の集合的な知識から作成することができ、すぐにでもトップセールスと同じアプローチを顧客にかけることが可能になります。
《引用文献》
1)Brian Williams, PhD. “21 Mind-Blowing Sales Stats”.BREVET. https://blog.thebrevetgroup.com/21-mind-blowing-sales-stats, (参照 2023-02-01)
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