【働き方改革】営業チームの疲弊を解消するテクノロジーの活用

「膨大な営業業務によるセールスメンバーの疲弊に悩んでいる」

このような悩みを抱えている企業は少なくないでしょう。そこで、人員リソースを増やすことで現状の打開を試みる。

しかし、人海戦術ではコストや時間がかかるうえ、そもそも有能なセールスパーソンが転職市場にいない可能性が考えられます。また、人員が増えて一時的に状況を変えることができたとしても、確度の高い営業活動を無くしては管理が煩雑してしまい、機会損失を招く危険性もあります。

では、どうしたらセールスチームの負担を減らして、売上を維持・拡大することができるのでしょうか。本記事では、CRM・SFAツールの導入でセールス業務を効率化させ、ビジネスを拡大させる方法を紹介します。

新しいツールの導入による効率化

セールス業務を効率化するための手立てとして、SFAとCRMの導入が有効だと言えます。Salesforce社によると、自社に合ったCRMを導入することでセールス活動の効率が向上し、生産性を30%改善できるそうです。SFAの導入によってセールスプロセスに抜け漏れが無くなり、案件をクローズさせる確率が26%向上したことも、他サイトで説明されています。1)

SFAとCRMはもともと異なるツールですが、共通している機能が多いため、ひとまとめに説明されることがあります。それは両者がどちらもセールス業務・活動を効率化するツールであり、顧客情報を管理して共有する機能を持っているからです。ただし、両者にはツールの使用目的に違いがあります。

SFAとは

SFAとは Sales Force Automationの略語であり、日本語では営業支援システムと訳されます。SFAは売上や受注数だけでなく、営業プロセスや進捗状況、商談の内容などを可視化して管理・共有することで、日々の営業活動を支援して効率化します。代表的な例としてはSalesforceが挙げられます。

CRMとは

一方でCRMはCustomer Relationship Managementの略語であり、日本語では顧客管理システムと訳されます。CRMは顧客の各種データを一つのシステムに統合させて、膨大な顧客情報を管理・分析し、フェーズに応じた顧客への効果的なアプローチを補助します。

従来の定量情報に加えて、顧客のニーズや志向などの定性情報を社内で共有することで、顧客満足度を高めることがCRMの役割です。代表的な例としてはHubSpotが挙げられます。

図1:HubSpot HP 画面

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SFA・CRM導入のメリット

SFA導入のメリット

SFAを活用して顧客に関する詳細な情報を集約し、アポ・商談に至るまでの営業プロセスを可視化することで、営業担当が不在の時でもセールスのメンバー全員が進捗状況を的確に把握できます。

また、属人化しがちな営業の行動やプロセスが可視化されることで、収益に繋がる営業パフォーマンスを共有することができ、売上や成約率を目指すシステムの構築や問題の改善に対応することも可能です。つまり、SFAは「営業を見える化」するものなのです。

CRM導入のメリット

CRMを活用することで、現在の顧客や見込み客とのやりとりを記録・分析し、セールスパフォーマンスや顧客との関係を向上させて、顧客満足度を高めることができます。

SFAは従来の定量的な顧客情報だけを管理しているため、顧客のニーズや志向を十分に把握できません。一方で、CRMは膨大な情報を元に可視化された顧客のニーズや志向を管理できるため、営業プロセスへの柔軟な適用が可能です。つまり、CRMは「顧客を見える化」するものなのです。

多くのユーザーに利用されているCRMツールの比較を、こちらの記事でまとめています。

しかしSFA・CRM導入の失敗例もある

SFA・CRMの導入には上記で述べたメリットがありますが、導入を決断する前に危惧すべき要素もあります。

例えば、新しいツールの導入には導入コストに加えて、学習コストや運用コストがかかります。また、機能が豊富で操作が難しく使いこなせないという事例も多いのが現実です。高額なSFA・CRMツールを購入しても、各種ツールとの連携を行うための環境整備ができていなかったり、運用できる人材がいなければ投資したコストが無駄になってしまい、営業業務をさらに増やしてしまうことになります。

そのため、SFA・CRMツールの導入前に、自社のビジネスモデルに合ったツールの選定と、運用するための準備をしておくことが重要です。

SFA・CRM導入のための施策

人材不足により、これからは更に有能なセールス人材獲得が難しくなると予測されます。そのため、小規模のセールスチームでも業務の効率化を図り収益に繋がるチャンスをとりこぼさないようにする方が、セールスチームの負荷を緩和して長期的なビジネス戦略を立てることが可能だと考えられます。

そこで有効なのがSFA・CRMの導入です。しかし費用対効果を出すためには、導入前に自社にあったツールの選定と運用方法を考える必要があります。最新テクノロジーの運用や、ツールに関する専門的な知見が不可欠です。

《引用文献》

1)Converge Hub, https://www.convergehub.com/blog/sales-force-automation-increases-win-rates-decreases-sales-cycles-and-makes-quotas