なぜ売上が上がらないのか?営業組織が陥りやすいポイントと対処法
営業は芸術なのかと思うときさえあります。
というのも、営業がどんな提案をしているのか、どんな活動をしているのかは、直属のマネージャーにとっても可視化されているとは言えません。営業を芸術と表したのは、その様相は外から理解しがたいからです。
加えて、売上を上げられる担当者と売上を上げられない担当者の差がはっきりしていると感じることも多くあるでしょう。しかし、その要因を把握している人はいるのでしょうか。
だから、みんなこう考えます。
「売上を上げられるようにマネジメントしよう。」
「あれっ、そもそも優秀な人を採用できていないんじゃないか?」
「効率的な営業になるように、研修しよう。」
なかには、商材そのものや、例えば、「マーケティングからのリードがターゲットにほど遠いからだ」と感じる人もいるかもしれませんね。
事実、売上を左右する要因は営業部門に留まらず複雑です。
この記事では、なぜ営業の成績が悪くなるのか、なぜ営業組織の売上が上がらないのか、どうやって売上を上げるのかをお伝えします。
目次
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売上にならない営業のあるある行動3選
前段でも触れましたが、そもそも売上を左右する要因は多く、その要因を網羅することはかえって主張を曖昧にしてしまいます。それに、売上をどのように定めるかによっても変わってくるでしょう。
例えば、サブスクリプションなどの SaaS プロダクトを販売する企業では、売上は受注の瞬間ではなく、どれだけの期間製品を愛用してくれるのかといった LTV(顧客生涯価値)が重要な指標になります。つまり、いわゆるカスタマーサクセスの働きが重要になります。
ここでは、営業部門という範囲でなぜ売上が上がらないのかをお伝えします。
まず、よくある成果が出ない営業担当者の特徴を見ていきましょう。共感する部分も多いかと思います。
1.やるべきことをやるべきタイミングできていない
前提として、営業の成果はどうやって決まるのでしょうか。
すごくシンプルな見方をすると、営業の成果は以下の公式で表現できます。
営業成果=量×質
当然ながら、ある個人のリソースを最大限活用でき、尚且つその活動の質も高ければ成果は最大化します。
しかし、やるべきことをやるべきタイミングでできない担当者はこの公式における量と質に負の影響を及ぼします。
例えば、1日◯件アプローチする、商談後にお礼メールをすぐに送る、商談の結果を記録するといった行動です。これらは成果目標ではなく、行動目標であるので、本来はコントロール可能なものです。
ただ、目標とする件数のアプローチに達しなければ量を担保できませんし、メールの返信が遅くては、顧客からの信頼を築くことが難しくなります。
2.顧客のニーズを把握できていない
営業にはもちろん買い手がいます。その買い手がどんな課題感を持っているのか、特にその役職の人にとっては何が解決されればメリットになるのか、自社の製品・サービスを購買する動機になり得るのはどんな情報か、それらをしっかりと握らないことには営業は難しくなります。
ありがちな行動として、自社のサービスの特徴・価値をずっと説明し続けるケースです。担当者にとっては満足感があるかもしれませんね。「伝えるべきことは伝えました。反応も良かったです。」と、あなたに報告するかもしれません。
しかし、提案は相手の課題ありきです。相手が何に不満を持っていて、何を成し遂げたいのかを提案の前にしっかり把握しなければなりません。
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3.顧客の御用聞きに終始してしまう
「さっき、顧客のニーズをしっかりヒアリングするように言ったばかりじゃないか」と感じた人もいるかと思います。
たしかに、顧客の課題を把握することは大切です。ただ、それは必要条件であり、十分条件ではないことに注意が必要です。顧客のことを知らなければ、提案はできません。
まず、営業活動は顧客と自社サービス・製品の相対的な関係で成り立ちます。つまり、顧客のことを知りつつ、かつそれぞれの顧客に合わせて自社サービスをどう魅力的に映すのかを考えないといけません。
そのためには、まず前提として自社サービスの価値を知っている必要があります。そして、サービスを顧客にアピールするためも、サービスの価値そのものではなく、そのサービスを使った際に顧客にどんなメリットがあるのかを伝えることが大切です。特に、さまざまなプロダクトが市場に溢れる昨今、顧客は製品・サービスの価値そのものではなく、その製品・サービスが生み出す価値に興味を持ちます。
例えば、「水が欲しい」と話す顧客がいます。しかし、その水を求める背景にはどんな欲求があるのかと想像し、聞くことが大切です。「健康のため?」「単純に喉が乾いてるから?」。
その背景にある欲求が営業が解決すべき事柄です。顧客が口にすることは本心ではないことが多々あります。そして、どうすればその欲求を解決できるのかを顧客が置かれている環境を加味して情報提供します。そして、それを解決するのが自社製品だと伝えるのです。だからこそ、顧客はあなたの製品に興味を持ちます。
「顧客はあなたの製品・サービスではなく、それがもたらすメリットに興味を持つ」ということを念頭において営業活動をしましょう。
ありがちな営業行動としては、ただひたすらに顧客のニーズを確認し、それに賛同する姿勢を見せることです。営業が「顧客との信頼関係を築きたい」と考えるのは当然です。そして、その気持ちはこのような行動に表れます。
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売上をあげられない営業組織の行動
視野を営業個人から営業組織に広げてみます。先述の通り、営業の成績は以下の公式で成り立ちます。
営業成果=量×質
つまり、営業の集合体である営業組織の売上を上げるためには、個々の営業活動の量と質を上げることとイコールです。
ただ、問題になるのはどのように営業の量と質を改善するのかという点です。
一般的に改善の行動は PDCA サイクルによって行われます。
もともとは生産・品質管理を行うためのフレームワークです。1950年代にアメリカの William Edwards Deming が提唱したものですが、営業の改善にも幅広く使われています。
この PDCA サイクルでは、プラン(Plan)を立てて、実行(Do)する。その後、結果の検証と要因の分析を行い、評価(Check)がなされ、次の改善(Action)へ向かいます。しかし、このサイクルは言ってしまえば簡単に思えるものですが、実際に改善につなげるのは簡単ではないとも言えます。
このサイクルの D→C 間に着目しましょう。改善へ向かうためには、結果を左右した要因を正確に分析し、結果に大きな影響を及ぼした要因の分布まで見る必要があります。それができなければ、プランと実行との間のギャップがわからなくなるので、改善には及ばなくなるからです。
では、多くの営業組織はこの改善のサイクルをどのように実行しているでしょうか。
マネジメントが評価・フィードバック・改善をする
一般的に代表される手法です。マネージャーがそれぞれの営業担当者の成績・報告をもとに「こうしたほうが良い」とアドバイスします。しかし、これが的確であるかどうかはそのマネージャー個人によるとしか言えません。
というのも、改善に必要な以下の要素をマネージャーが判断するからです。人が判断する以上、その評価の根拠やデータの扱いはその人の経験にもとづく判断に比重が寄る傾向があります。
・結果のボトルネックの分析・把握
・ボトルネックのうち、結果を大きく左右する要因
・ボトルネックから導く改善への仮説立て
・営業の量・質のどちらに要因があるのか
特に、ボトルネックとその影響度は客観的な数値で把握・判断しなければ的確な改善にはつなげることができません。
また、営業が右肩上がりに力をつけていくことを考えると、マネージャーの人事異動・退職はリスク要因になります。人の分析・判断をもとに改善していたものが、根本から変わってしまうからです。
営業担当者の成長を定性的に見るうえでマネージャーは大切ですが、結果を分析し、行動の判断をすることにおいては最適な手段とは言えません。
最初から効率化・生産性にこだわる
量と質の関係で成り立つ営業成果のうち、まず質をコントロールしようとすることです。
質、特にその個人の技量が求められる商談の質を上げるためには、当然ながら改善のプロセスを経る必要があります。そして、その改善のプロセスは避けることができません。というのも、最初から売上になる営業のやり方、再現性のある営業プロセスをつくろうと思っても、それは顧客の動態変化や自社環境の変化により常に改善を要するからです。
つまり、質の改善には量が不可欠であり、質は量の延長線上にある結果ともいえます。だからこそまずは、営業の量をコントロールすることに着目すべきだと言えます。
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売上を上げるための量と質に必要なものは?
ここまでを振り返ると、多くの企業で売上があがらない要因が当てはまるのではないでしょうか。では、量と質を上げるために必要なものは何でしょうか。
それぞれ以下の状態をつくることで改善しましょう。
量
・営業プロセス全体のうち、営業担当者が担う作業が減っている
・営業が迷いなく行動できている
質
・抱える案件のうち、確度の高い案件に優先してアプローチできる
・成果を担保する営業のやり方を仕組み化でき、改善のためのデータを取れる
・PDCA サイクルの D→C を定量的かつ客観的に分析・ボトルネックを把握できる
・PDCA サイクルの C→A を最適な条件で実行できる
それぞれ見ていきましょう。
量=総営業活動時間×時間あたりの営業量
量を増やすためには、業務全体のうち営業活動に使える時間を増やさないといけません。実際、多くの営業担当者は1日のうち、およそ40%を営業とは関係のない作業に使っていると言われてます。
そして、1つ1つの営業にかかる工数を減らすことです。迷わず営業できるトークスクリプトを作り、営業の項目を標準化することも有効です。
質はどうでしょうか。
まず、アタックする案件は自社製品・サービスを購買してくる可能性が高いところを選定しましょう。成果の出ている営業担当者のやり方を標準化すること。そして改善のために、営業活動の結果の要因を数値化・分析できるツールが有効になります。
あわせて読みたい:なぜ効率化と営業の質は両立できないのか? Magic Moment Playbook の活用例
売上を上げるためにはテクノロジーをもとに営業をすること
量と質を上げるためには、人の判断に委ねないことが大切です。
量であれば、営業活動量は定型作業の自動化により向上、行動のタイミングは人ではなくデータをもとにシステムによって提案されるべきです。
というのも、個人レベルの成果である優秀なマネージャーと1人の営業担当者の1on1の関係であれば、その人の指示により営業を行えますが、総体である営業組織の売上を上げる観点ではそうはいきません。1対Nの関係で1人あたりの量を担保しなければなりません。つまり、営業のタイミングは客観的な指標による標準化が必要になります。
質も同様です。質を上げるためには、どの案件が確度が高いのかを教えてくれ、営業結果のボトルネックを収集・分析できるシステムが必要です。
ここで、大切なのは可視化の先の行動まで見据えることです。質の改善は検証をもとにした行動への転換が起きた時に生じるからです。つまり、PDCA の C→A の判断までテクノロジーで代替することで質を担保できます。
営業はこれまでアートの領域であり、成果を再現することは容易ではありませんでした。営業は不確実性が高く、定型化しづらいからです。
結果的に、営業プロセスにはテクノロジーのメスが入ってくることがなかったのです。
いま、そこの領域にメスを入れているのが私たちです。
Magic Moment では、営業活動の量と質をあげるプロダクト Magic Moment Playbook を提供しています。テクノロジーの力で徹底して売上にこだわる営業組織を作っていくプロダクトになります。
Magic Moment Playbook の機能についての詳しい情報は こちらの記事「営業改革を実行するための主要機能」 をご覧ください。
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