サブスクリプションビジネスの営業組織が陥りがちな3つの課題と解決策
- "サブスクリプションビジネスの特徴として売り切り型ビジネスと違い「月額定額制」のため、長期にわたって継続的にサポートする必要がある
- 課題の一つとして顧客体験の断絶があり、顧客のニーズや要望が把握できず、顧客の声を営業に生かせない状態を指す
- 課題を解決するためにはデータを活用し、見込み顧客の行動、営業のアクションを可視化することが有効である
- データを活用し、顧客とよりよい関係を構築することが、 LTV 最大化のために必要なことである"
サブスクリプションビジネスは、多くの業種や企業で導入されるなど、近年注目を集めてきました。このため、新たなサービスとして導入を検討している企業も多いのではないでしょうか?
とはいえ、サブスクリプションビジネスは従来の売り切り型ビジネスとは購買プロセスが異なるため、営業もそれに対応しなければなりません。
本記事では、サブスクリプションビジネスの営業組織の課題とその解決策を解説します。
サブスクリプションビジネスの推進に役立つポイントは、下記の資料でも紹介しています。計27枚のスライドで詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
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目次
サブスクリプションビジネスの営業の特徴と課題
□サブスクリプション営業成功のポイント
最初に、「サブスクリプション営業成功のポイント」について紹介します。
サブスクリプション営業を成功のポイントは、「顧客の獲得からチャーン(サービスの解約)まで、全てのプロセスをカバーする」という点です。
サブスクリプションビジネスは、モノを売ったら対価を支払ってもらう売り切り型ビジネスと違い、「月額定額制」といった継続的にサービス利用料を支払ってもらうビジネスです。このため、顧客を長期にわたって継続的にサポートする必要があります。
また、顧客の継続的なサポートで、アップセル、クロスセルにつなげる必要があります。「アップセル」とは、既存顧客にアップグレードで売上を上げる営業プロセスです。また、「クロスセル」とは、既存顧客に別の機能やサービスを追加で販売することで売上を上げる営業プロセスです。
アップセル、クロスセルにつなげ、LTV ( Lifetime Value :顧客が取引期間に会社にもたらす利益)を最大化することが、サブスクリプションビジネスの成功につながります。
□ 顧客の行動プロセスの変化と3つの課題
次に、「顧客の行動プロセスの変化と3つの課題」について紹介します。
従来の購買プロセスは、営業が自ら見込み客を発掘し、商談を通じて営業から提供された情報もとに顧客が判断するというものでした。しかし、インターネットと検索エンジンが発達し、顧客は自らプロダクトやサービスの情報を検索し、その情報をもとに比較検討を行うようになりました。このため、営業が登場するのは、比較検討段階の後半からとなります。
顧客の行動プロセスの変化する中、従来のプロセスによるサブスクリプション ビジネスの営業では、以下の3つの課題に直面する可能性があります。
1つめは「顧客体験の断絶」です。
顧客のニーズや要望を把握できず、顧客の声を営業に活かすことができない状態を指します。例えば、「顧客はサービスに興味を持ち、サービスの紹介サイトにアクセスするも、興味を持っていることを営業が知らない状態」などです。
2つめは「情報提供型の限界」です。
営業の役割の1つに、「顧客へのプロダクトやサービスの情報提供」があります。しかし、インターネットや検索エンジンが発達した現代において、レビューブログや口コミサイトなどでプロダクトやサービスの詳細情報や評価情報を手に入れることができます。このため、営業が伝える情報は既に顧客が知っており、単に情報を伝えるだけでは顧客にとっては価値がない可能性があります。
3つめは「顧客の離脱」です。
近年は業種を問わず、サブスクリプションサービスの提供を行う企業が増えています。このため、多くの類似サービスが登場しています。また、検索サービスの発達に夜情報取集の易化、初期費用や利用料の低下により、顧客の要望に応えられない場合は別のプロダクトやサービスに乗り換えられてしまいます。
従来の売り切り型の営業プロセスでサブスクリプションビジネスに対応すると、先に紹介した3つの課題に陥る可能性があります。次に、これら3つの課題に陥らないための解決策を提示します。
解決策①サブスクリプションビジネスの営業で顧客体験を断絶させないためには
サブスクリプションビジネスの営業で顧客体験を断絶させないためには、以下の対策が
有効です。
①顧客体験を設計し、顧客と自社の関係を明確にする
②データを活用し、見込み客の行動、営業のアクションを可視化する
①の具体策には「カスタマージャーニーの作成」があります。カスタマージャーニーとは、顧客がサービスを知流ところからサービスの購入に至るまでの一連のプロセスの「行動」、「思考」、「感情」を図解で表したものです。これを作成することで、顧客体験と、それに付随する営業の行動を明確にできます。
②の具体策には、「. CRM/SFA や MA の活用」があります。CRM は「顧客関係管理」、SFA は「営業活動管理」のためのツールです。また、MA は「マーケティングオートメーション」の略で、効率的にマーケティングを進めるためのツールです。これらを導入して、一連のプロセスの状況を可視化し、適切な行動を行うことが必要です。
解決策②サブスクリプションビジネスの営業が情報提供に留まらないためには
サブスクリプションビジネスの営業で情報提供だけに留まらないためには、以下の対策が有効です。
①マーケット情報の把握と顧客への情報提供
②ユースケースの作成
①は顧客どの接点で得た情報、あるいはマーケット情報を CRM や SFA に登録して分析し、商談に活かすことです。また、競合の状況についても分析し、顧客への提供データとして整理しておくことが必要です。
②は自社プロダクトやサービスの利用シーンなどを顧客に提示できるよう、あらかじめ整理しておきます。ユースケースを顧客に提示することで、顧客はプロダクトやサービスの利用シーンを具体的にイメージすることができる効果があります。
解決策③サブスクリプションビジネスの営業が顧客の離脱を防ぐには?
サブスクリプションビジネスの営業が顧客の離脱を防ぐためには、以下の対策が
有効です。
①顧客データの収集と価値実感に向けたアクションの実行
②解約率が低いトップセールスのノウハウの検証
①について、「顧客はどのようなプロダクトの機能をどれだけ使い、どの機能を使っていないのか」など、アンケートやヒアリングを行い、よく使われる機能のバージョンアップを図るなどがあります。
②はトップセールスのノウハウを検証し、他のセールスとノウハウを共有することが必要です。とはいえ、単にトップセールスからノウハウを聞いただけでは組織全体に浸透させることはできません。ノウハウをプロセスとして可視化し、それをセールスのアクションにつなげることが大切です。プロセスをSFAに導入し、日々のミーティングで確認していきましょう。
+α収益向上のためのアップセルとクロスセル
LTV の最大化に向け、「アップセル」、「クロスセル」は有効な手段です。
サブスクリプションビジネスにおけるアップセルは、有料にすると機能を無制限に使えるなど、既存製品にアップグレードするなどの方法が有効です。
また、クロスセルは、営業支援サービスにマーケティングサービスを連携させるなど、マーケットの別の側面にフォーカスしたプロダクトやサービスを提供するのが有効です。
とはいえ、アップセル、クロスセルを成功させるには、押し付けを排除するなど、気を配る必要があります。そのためには、「ロイヤリティの高い顧客」を抽出し、該当顧客にメッセージを表示するなど、そっと背中を押すことが必要です。
まとめ
本記事では、「サブスクリプションビジネスの営業組織が陥りがちな3つの課題と解決策」について開設しましたが、いかがでしたか?
サブスクリプションビジネスの営業で陥りがちな3つの課題とは、「顧客体験の断絶」、「情報提供型の限界」、「顧客の離脱」です。この課題を解決するためには、長期に渡って顧客とのより良い関係を築き、アップセル・クロスセルにつなげて LTV を最大化することが全てです。そのためには、データを上手く活用しながら、顧客のニーズを把握し、提案することが大切です。
データを活用しながら顧客とより良い関係を構築し、LTV を最大化していきましょう。
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