コスト削減が求められる営業組織に役立つ4つの施策
- ノウハウの共有および水平展開として組織内のハイパフォーマーのメール、トークスクリプトなどをテンプレート化することによって効率よく第二、第三のハイパフォーマーを生み出すことにつながる
- マーケティングとセールスとの情報を連携がうまくいけば、セールスはより営業行為に注力することができる
- SFAやCRMを導入することにより日常の煩雑な業務を効率化でき、一番時間をかけたい部分に時間を使えるようになる
新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ終わりが見えず、回復傾向にあった日本の景気も一転して不況へと陥ってしまいました。この状況下では、今まで以上にコストを削減し生産性高く業務を進めなければ利益確保が難しいという営業組織も多いでしょう。経済が回りにくい一方、営業体制や業務プロセスの見直し対策はすぐにでも実行することができます。この機会を利用して組織をアップデートすることが、ポストコロナでも生き残ることができる強い組織への一歩となるでしょう。本記事では、業務効率化やコスト削減に役立つ4つの具体的な施策についてお伝えします。
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目次
成果を生み出したノウハウの共有および水平展開
「真似る」の語源が「学ぶ」にあるように、成功への道は成功者の手法を真似るところから始まります。組織内にハイパフォーマーがいるなら、その人がどのような手法を採っているのかを共有することで、効率よく第二、第三のハイパフォーマーを生み出すことにつながります。以下にその具体例を記述します。
メール
営業担当者は、1日のうち21%もの時間をメール作成に当てていることがわかっています。1)成功者のメールをテンプレ化することで、各担当者は宛名等の該当箇所のみを書き換えるだけで済むため、各々がメール作成に使っていた時間は大幅に減ることが予想されます。
トークスクリプト
テレアポや電話商談が上手くいかないのには必ず理由があります。例えば、ハイパフォーマーはそうでない担当者に比べ、「必ず」「間違いなく」等の信頼感をもたらす言葉を5倍も使用していることがわかっています。そのようなコツを各々が探るよりも、成功者のトークスプリクトをベースにオリジナリティを加えっていく方が圧倒的に効率が上がります。経験が浅い担当者のためにも、フローチャートのようなわかりやすい図でトークの道筋がわかるようにするとよいでしょう。
成果物、納品事例
ハイパフォーマーがどのような提案をし、どのような成果物を顧客に残しているのかは意外と他の人に知られていないことです。より多くの売上を構築しているということは、その分バリエーション豊かな提案内容や依頼をこなしているはずです。それらを共有することで、自社製品・サービスを日頃勉強している担当者であっても、思わぬ発見につながります。
また、上記の手本となるようなハイパフォーマー自身も、成功を一回きりのものとせず、担当している顧客に水平展開をすることでより効率化を目指せるでしょう。
成功者を真似ることは決して悪ではなく、むしろ組織の成長と効率化につながる素晴らしいことです。成功と模倣のサイクルを繰り返すことで、不況にも耐えうる筋肉質な組織作りにつながるでしょう。
マーケティング・セールスとの連携強化
マーケティングとの連携がうまくいけば、セールスはより営業行為に注力することができ高い成果を生み出すことができます。営業活動に関する調査では、1日のうち17%をリードの新規獲得と調査2)に当てていることがわかっています。その業務をマーケティングに任せ、セールスは顧客とのコンタクトに注力することができれば、言うまでもなく生産性は向上するでしょう。
ここでポイントになるのは、マーケティングがセールスに渡す見込み顧客の精度は十分かということです。マーケティングからの渡された顧客が案件につながっているかについての調査では、「リードが十分に案件につながっていない」と回答した割合は86%にも上ることがわかりました。さらにその理由として、「売上につながるリードの基準が不明確」「リードのターゲットが適していない」等が挙げられ、部門間の認識のズレが生じていると言えます。ここの目線合わせをしておかなければ、セールスのアクションが無駄打ちに終わってしまったり、金額や件数が目標に満たずに売上が達成できない等、余計にコストがかかってしまう可能性があります。
また、見込み顧客全てに対応できるだけのリソースがセールス側にあるかどうかも重要です。せっかくの見込み顧客も、取りこぼしがあっては効率が悪いだけでなく顧客からの信用も失いかねません。
ツール導入による営業活動の効率化・自動化
世の中には、ビジネスをより効率的に進めるため様々なサポートツールが日々リリースされています。販売分析等のツールを使用する組織は、そうでない組織と比べ4倍の速さで目標を達成するというデータからもわかる通り、もはやツールなしでは業務を効率化することは難しいでしょう。以下、具体的なツールと導入によってどのようなメリットが考えられるかを例示します。
クラウド型グループウェア
グループウェアとは、複数人で同時に仕事をするための補助ツールです。社内チャットやビデオ会議、ファイル共有等はグループウェアの機能に含まれます。ネットワーク環境が整っていれば外出先からでも作業できることから、近年クラウド型の採用率が高まっています。
クラウド型グループウェアをうまく運用することができれば、ほとんどの「報・連・相」はオンライン上で完結できます。情報共有にかかる時間を削減でき、他方ではチャットや Web 会議の活用によりコミュニケーション量が増え、相互理解と生産性の高い組織を実現することができます。
SFA/CRM
SFA (営業支援ツール)と CRM (顧客管理ツール)はもともとは別のシステムとして活用されていましたが、両者の業務フローはシームレスであることから、現在はほとんどのシステムが一体化しています。
注意したいのが、初期コストが高い製品も多いという点です。もちろん、システムをフル活用して最大限のパフォーマンスを発揮できればいずれはペイできるでしょう。しかし、ユーザーのスキル不足によりシステムを活用しきれず組織に定着しなかったり、想定していた運用方法が導入したシステムでは実現できない可能性もあります。その場合、導入にかかるコストは大きなリスクとなってくるでしょう。海外では Salesloft や Outreach などのツールが登場しており、負担なく営業効率を高めることができるようになっています。もしも初期コストを低減したい場合は、それらのシステムも選択肢に含めることをおすすめします。
ハード面の充実
1~3つ目まではソフト的な施策についてお伝えしましたが、ハード面の見直しも忘れてはいけないポイントです。どんなに優れたソフトウェアも、それに見合うだけのハードウェアがなければスムーズに機能しないものです。
フリーアドレスの導入
固定席を廃止し、各自が好きな席を選んで仕事ができるフリーアドレスはオフィスのコスト削減につながります。特に営業組織であれば、外勤にでたり直行直帰の場合もあるため、必ずしも人数分の席を用意する必要はありません。その分のオフィス面積を縮小し、販管費を押さえることができるでしょう。
システム環境の整備
システム環境を整えることは、上記で紹介した施策と切っても切り離せない関係です。例えば、無線LANの導入や持ち出し用端末を貸与することでより柔軟な働き方が可能になります。特に先に紹介したツールはリモートワークとの相性もよく、効率を高めるための相乗効果も期待できるでしょう。
まとめ
業務の効率化やコスト削減に役立つ4つの施策についてまとめると以下のようになります。
・成果を生み出したノウハウの共有および水平展開
・マーケティング・セールスとの連携強化
・ツール導入による営業活動の効率化・自動化
・ハード面の充実
これらの施策を一度に推し進めることは難しいかもしれません。しかし、出来るところから対策を始めることで、この不況が長引いても耐えうる筋肉質な組織体制へと進化することができるでしょう。
また、本記事をお読みになり「自社に合うサービスを具体的に知りたい、対策したい」とお考えの方は、「営業組織のコスト削減で検討すべき 営業支援ツール 3選」をお読みください。
《引用文献》
1)Hubspot, 【2023年版】営業活動の改善に役立つ73の統計データ,
https://blog.hubspot.jp/sales/sales-statistics
2)Hubspot, 【2023年版】営業活動の改善に役立つ73の統計データ,
https://blog.hubspot.jp/sales/sales-statistics
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