サブスクリプションビジネスの成長に SFA/CRM が必要な理由
本記事ではSFA/CRMとはどのようなシステムであるのかに触れながら、サブスクリプションビジネスにおけるSFA/CRM活用や導入のメリット・デメリットについて説明します。
サブスクリプションビジネスの立ち上げ・推進に役立つポイントは、下記の資料でも紹介しています。計27枚のスライドで詳しく解説していますので、ぜひ合わせてご覧ください。
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目次
SFA(営業支援システム)とは?
SFA とは営業活動を支援するシステムのことです。代表的なサービスは、セールスフォース社の「Salesforce」、サイボウズ社の「kintone」、ナレッジスイート社の「
Knowledge Suite」などです。日本国内では20年近く前に普及が始まりました。
料金体系は利用ユーザー数に応じて課金する ID 課金制の企業が多いですが、「
Knowledge Suite」はユーザー数ではなく容量課金制を取り入れています。SFA では営業報告や顧客情報、担当者情報、商談情報などを管理でき、名刺管理も搭載している SFA もあります。
PC のほかスマートフォンやタブレットから入力できるSFAもあるので、顧客訪問など外出先でも記録入力が可能です。
CRM(顧客管理システム)とは?
CRM とは顧客管理を支援するシステムのことです。SFAもCRMも顧客情報管理を行うシステムということは共通しています。違いは情報の出力先が営業部署内であるか社内全体であるかというイメージです。
SFA はあくまでも営業活動の顧客情報の管理を行いますが、CRM は営業だけでなく会社内の管理や開発部門など複数部門がデータベースとして活用します。
CRM はメールの一斉配信やアンケート、マーケティングなどの顧客のデータ分析などができる機能が搭載されているものもあります。
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サブスクリプションビジネスとは?
サブスクリプションビジネスとは、利用期間に一定の料金を支払い、サービスを利用するビジネスモデルです。古くからあるものだと新聞の定期購読など毎月利用料を支払うこれもサブスクに該当します。
近年では自動車業界や飲食業界でも導入している企業も見られます。初期費用無料で導入して、月額の利用料を支払い、利用期間が終了したら解約するという形でサブスクリプションビジネスを利用する企業も存在します。
このようなサービス形態を取ることで、顧客は必要に応じてサービスの価値を受け取ることができるようになります。言い換えれば、サービスを必要ないと判断すればいつでも解約することができるため、顧客が期待した価値をしっかり提供できるサービスでなければ売上(LTV)を伸ばすことができません。
SFA/CRMの導入するメリットは?
SFA/CRM を導入するメリットのひとつとして、会社の顧客資産をシステム上で管理できるということが挙げられます。
例えば転職や働き方の多様化により、人材の流動化が進んでいます。そんな流れの中では、スキルを持った人間が残した資産を何らかの形で残すという考え方が大事になります。SFA/CRM を導入することで、人材が流動的になっても会社に資産を残すことが可能になるのです。
例えばA社が過去に B 社に営業活動において提案を行いました。月日が流れて再度提案を行います。しかし、当時担当していた B 社を担当していた A 社のCさん、 B 社の窓口を担当していたDさん、双方が退職した場合、当時の営業記録や担当者情報を情報としてない場合、当時の提案状況の話もできず一から商談が開始される事になります。
このような時、SFA/CRM を導入していれば当日の商談の状況を双方が確認した上で商談が可能になります。
また自社内の営業活動においても組織活性化につながる可能性もあります。例えば、過去にどんな営業活動、提案を行っていたかという情報を共有できるので営業マンのスキル向上や教育にも活用できます。
SFA/CRM によっては数値管理やグループウェア(社内メッセージなど)を搭載したシステムもあるので、会社組織内の売上受注状況を公開して、営業マン自身に現在の立ち位置を把握させて、競わせるという事もできます。
個人目標や売上が社内で共有できていれば、例えば人事考課をなどで評価を決定する際に、SFA/CRM での数値を根拠に査定する事もできますし、仮に普段は接点のない営業部署の役員や異動直後の管理職が下位部署の営業マンの人事考課を行う事になっても数値を根拠に査定が可能です。SFA/CRM を導入して、営業活動の「見える化」を行うことは会社組織の活性化につながります。
SFA/CRMを導入するデメリットは?
SFA/CRM の導入はメリットだけではありません。デメリットもあります。システムを使いこなせないケースが多い点です。実際の営業の現場では営業活動上のやり取りはメールで対応して、売上や顧客情報はエクセルなどで管理するという場面が存在します。
営業マン自身の IT リテラシーが高くない場合、SFA や CRM に情報を入力する事は手間になる可能性もあります。その営業マンに情報入力しないからと会社組織側が情報を必ず入力するようにと指示をだして、情報入力に手間がかかり、営業活動の効率が悪くなり、結果受注減、売上減につながることで、残業時間が逆に増えてしまう可能性もあります。
また、SFA/CRM を導入する際は、設定や顧客情報の登録作業を行う事もあります。システムを設定できる担当者がいれば良いのですが、そうでない場合は情報の移行などができずに、結局使いこなせず、システムの費用のみが発生して運用失敗につながるということもあります。
SFA/CRMの運用を定着化させるには
SFA/CRM 導入のメリットデメリットを説明しましたが、自社の状況(従業員数や ITリテラシーの高さ)などを把握して、状況に合致した SFA/CRM を導入する事が、運用定着につながる近道です。SFA/CRM も数多くの種類があります。
例えば営業活動で蓄積した情報を営業支援として活用するだけでなくカスタマーサクセスやマーケティングまで高機能で幅広くSFA/CRMを活用する場合はセールスフォース。社内SNSなどグループウェアや営業での見積作成も一緒にしたい場合は、サイボウズ。グループウェアとSFA、名刺管理も一体化したSFA/CRMを利用したい場合はナレッジスイートと、それぞれ特徴があります。ツールを導入することが目的になってしまわないように、営業活動や顧客管理を行う目的を明確化する事が大事です。
また定着に自信がない場合は、導入支援のプログラムを取り入れるなどして定着を図ることが効果的です。費用面を重視して導入するという視点ではなく、定着化させる目的を明確化した上で導入するのが運用定着につながります。
サブスクリプションビジネスに SFA/CRM が必要な理由とは?
なぜ SFA/CRMの重要性が高まっているのでしょうか? サブスクリプションビジネスの売上を拡大するためには、契約更新・上位プランの契約の2つを実現する必要があります。しかし、顧客満足度が低ければ、すぐにでも解約されてしまうのがサブスクリプションビジネスの特徴です。
顧客満足度を高めるためには、顧客のことを深く理解して、ニーズにあった価値を提供できるようにする仕組みをつくることが求められます。そのため、顧客ひとりひとりに関するデータを徹底的に収集して、SFA/CRMに蓄積することで、満足度の高い顧客はどのような体験をしてきたのかなどを分析することができるようになります。
その結果、再現性を持って優良顧客を生み出せます。このサイクルを繰り返す事で、営業活動や社内業務の効率化につながり、顧客満足度が高くなります。サブスクリプションビジネス提供企業は売上を拡大できます。
まとめ
SFA/CRM を導入する事は、人材の流動化が進むなかで、顧客データを属人化させないことにつなげられることが可能になります。
また、営業活動をシステムで管理して社内で「見える化」する事が、営業マン個々のスキルアップ、社内の活性化につなげられる可能性がある一方で、システムを使いこなす事ができなければ業務効率化というという視点から逆の展開となり、ただ費用が発生するというデメリットも存在します。会社組織内の状況に合致したSFA/CRMを導入して、社員の状況に応じて導入支援を入れて定着化を図ることが運用定着つながる近道です。
適切なツールを選定するためにも、まずは組織の正確な現状把握を行い、導入の目的をはっきりさせることが必要です。「BtoB営業組織レベルチェックシート」を使って、自社の営業組織を評価してみてはいかがですか?
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