CRMのメリット BtoB SaaS企業において必要不可欠な理由

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要約SUMMARY
  • CRMを導入するとデータ管理はもちろん、業務効率化や生産性向上、顧客との関係構築や情報共有など様々なメリットがあります。
  • サブスクリプションビジネスにおいてのCRM導入による成功は、顧客に更新してもらうことになるでしょう。
  • 導入目的を明確にした上で、戦略を立てた上で運用することが成功の鍵となります。

BtoB ビジネスにおける SaaS 企業では CRM の導入によるメリットは大きく、高い効果を得られるのでしょうか?特にサブスクリプション方式のSaaS製品を取り扱う企業にとって、CRM の導入効果は大きく、メリットが大きいと言えるでしょう。

その理由は、ベンダーによるクラウド管理において、データシステムを活用している企業にとって自社管理ではなく膨大なデータ管理をゆだねられる点です。この記事では、サブスクリプションビジネスに CRM が必要な点について、導入メリットと理由にフォーカスして解説していきます。

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CRMを導入するメリット

まず初めに SaaS 製品を取り扱うサブスクリプションビジネスでの CRM を導入するメリットについて見ていきましょう。なぜ、サブスクリプション方式の BtoB ビジネスでは、CRM が必要になるのでしょうか?それは、次のようなメリットがあるからです。

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顧客との濃い関係性とニーズの獲得

サブスクリプションビジネスでは、顧客との長期的なコミュニケーションと関係性が必要になってきます。それは、定額継続課金システムという性質から特に重要視しておかなければいけないポイントとなるでしょう。そのようなサブスクリプションビジネスに CRM を使用することで顧客関係管理が可能になります。

そのため、CRM を導入した営業担当部署は顧客との最初の段階から潜在ニーズを判断することができるのです。はじめのタッチポイントから最適な訴求を行えるため、顧客企業の組織から個の担当者まで関係性を深めていくことができます。

なぜ、CRM の導入により、組織的に関係性を向上できるのでしょうか?それは、ベンダーによる一貫したデータの記録システムの一部をメガクラウド上で管理される点です。

それらビッグデータを最適なセールス機会に販売ファネルと合致させて活用できる点が大きなポイントとなります。つまり、戦略的なマーケティングを組織内で一貫して扱うことができるのです。CRM を導入してデータに沿った販促活動を維持できる点が実用するメリットになるのです。

営業担当にとってのメリット

企業がCRMを導入することで、営業担当にもたらすメリットを紹介します。それは、業務測定の効率の向上です。多くの企業では、業務測定で使うフォーマットなど異なるスプレッドシートを使用しているケースがあります。経験と状況による判断を求められる営業担当にとっては、業務測定のフォーマットは複雑化していくことでしょう。つまり、全てのデータを共有する点から見て、営業担当の業務を測定することは非常に困難になるのです。

従来のスプレッドシートによる測定になると膨大な計算やクォリティに差が出るグラフの作成、複数のデータグループの結合が不可欠になります。それらを実行するには、長い時間的コストが必要です。また、営業担当自信がスプレッドシートを明確に活用していることが前提となるので、データが不十分な場合は機能しないことでしょう。 

このような場合、企業においてCRMシステムを使用することで営業担当の業務を迅速に測定することが可能になります。特にサブスクリプションビジネスにおいて、アフター段階のカスタマーサポートと新規獲得段階の営業担当の扱うデータに一貫性を保持することができるのです。

サブスクリプションモデルによるメリット

SaaSを取り扱う企業では、製品の販売以上に契約の更新について重要視されます。それは、一時的に高めたニーズによる売上増加とは違う判断になるでしょう。定額課金システムは、顧客に継続的に価値を感じてもらうことが必要になります。自社で扱う製品がサブスクリプション方式で提供されていく場合、契約更新こそ重要視される重要な分析対象になるのです。

図:サブスクリプション / SaaS のビジネスモデル(Magic Moment 作成)

SaaSを取り扱う企業では、製品の販売以上に契約の更新について重要視されます。それは、一時的に高めたニーズによる売上増加とは違う判断になるでしょう。定額課金システムは、顧客に継続的に価値を感じてもらうことが必要になります。自社で扱う製品がサブスクリプション方式で提供されていく場合、契約更新こそ重要視される重要な分析対象になるのです。

CRMがもたらすメリット

サブスクリプションだけではなく、CRM(顧客関係管理)を導入することで、もたらすメリットを紹介しましょう。それは、販売経路の中で人的リソースを多く使う部分に効果的だという事です。

具体的には、販売後のアフター段階となる次の施策があります。

  • サービス
  • サポート
  • 保持
  • アップセル
  • 更新

・アフターサービス:
アフターサービスにかかる顧客データを組織全体で共有できるため、営業段階で提案した情報との一貫性が保持できます。

・アフターサポート:
アフターサポートにおいても、トラブルシューティングやFAQの具体性を高め、膨大なデータ事例をカテゴリ分けして保存、活用ができるのです。

・保持:
ベンダーによるメガクラウド環境により膨大なデータを管理することで、自社のデータ管理規模に関係なく大量のデータを保持できることになります。

・アップセル:
顧客データを効率よく活用できることから、顧客関係性を深めさらなるアップセル戦略に効率よくつなげていくことができるでしょう。

・更新:
サービス、サポート、データ保持、アップセルまでにつながることで定額課金システムの大きな成果となるアカウントの更新に大きく貢献していくことになります。

このように、アフター段階においてCRMがサブスクリプションビジネスに大きな役割を果たすことになるのです。たとえ優れた製品を持っている企業といえども、販売方式によっては一時的な売上で終わってしまうケースも少なくありません。CRMの導入により、上記に取り上げた売上の継続に向けた施策に大きく役立つのです。

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CRMを導入すべき理由

それでは、CRM を導入すべき理由について解説していきましょう。CRMを導入すべき理由の1つは、顧客の契約の更新があります。CRMの導入に合致するビジネススタイルが「更新」を重要視するサブスクリプションビジネスと言えるでしょう。サブスクリプションビジネスを企業のシステムとして稼働させることで積極的に新規顧客の登録を推進することができます。

また、自社のカスタマー部署の関連データの保有量を増大させることができ、製品の使用についてのエキスパートを共通認識の上、保有することができるのです。この状況こそ、サブスクリプションビジネスにおいてのCRM導入により「更新」を確実なものにする点がポイントとなります。さらに CRM を導入すべき理由を取り上げてきましょう。

セールスとマーケティングの情報共有

組織内のセールスとマーケティングが効率よく顧客情報が共有できる点もCRMを導入すべき理由になるでしょう。CRM を活用することにより、マーケティング部門やセールス部門、カスタマーサービスにおいて顧客情報の共有がスムーズに実行されます。

顧客と長期的な関係を構築する必要のある各部署間でデータのやり取りの時間的ロスのない状況になるのです。その結果、関係性を深めた顧客に対して、製品の提供価値を向上させ、更新に対して解約率を減らすことにつながります。

顧客データの一貫性によるインサイト発見

また、CRMを導入すべき理由となるポイントは一貫した顧客データからインサイトを発見することができる点です。組織内で顧客関係管理データを共有できることから、従来の企業体質にある部署ごとに偏った情報の独占という状況がなくなります。

顧客関係管理データは、常に一貫した品質で保持されるため、組織的に一貫したテーマに沿った顧客との関係を保持できるのです。そのため、既存の顧客の定着と同時進行で新規顧客獲得に展開していくことも期待できるでしょう。

CRM を導入することで、一元管理および効率化ができます。

CRM導入の成功とは更新してもらうこと

以上の CRM を導入すべき理由から、サブスクリプションビジネスにおいての CRM 導入による成功は、顧客に更新してもらうことになるでしょう。実際に CRM の導入により顧客の定着に成功している「Salesforce(セールスフォース)」は、CRM と SaaS をシステムに統合させています。

その結果、SaaS 製品ユーザーのログイン頻度を計測して、使用する機能も分析していくのです。分析データを活用することで、更新に至らないユーザーに対してのデータを蓄積して解約防止のために活用していきます。

それは、解約に至る可能性のあるユーザーの特性をデータ化し、解約ユーザーに関するデータを自社のカスタマーサポートチームがフルに活用することができることで効果を発揮できるのです。このように更新をしてもらうために CRM を使用してカスタマーサポートチームのワークフローに組み込んでいくことができます。

具体的には、カスタマーサポートチームが、顧客からの通知や自動タスクを通して、顧客のアカウント登録解除のリスクを事前に察知できる点です。カスタマーサポートチームにとっては、自社全体で共有できる情報を活用して顧客に対してアップセルを最大化できるようになります。それは、解約を途中で防ぐことと、さらに製品に対してのニーズを高め、結果的にアカウントの更新が行われるようになるのです。

このように、導入目的を明確にした上で、戦略を立てた上で運用することが成功の鍵となります。
CRM のデメリットや概念、戦略について、以下の記事で解説しております。

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生産性向上とサービス品質向上が見込める

CRM を導入することによって、見込み客のデータだけでなく、既存の顧客のデータも保存されます。それにより、カスタマーサポートチームはCRMソフトウェアを使用してトラブルシューティングに活用することができるのです。

CRM をシステムに取り入れることは、カスタマーサポートチームのデータ検索効率を格段と向上させることになります。その理由は、既存の顧客について必要があるすべてのデータをすばやく見つけることができるからです。この取り組みは、顧客にとっても大きなメリットになります。

顧客にとっても、カスタマーサポートチームにとっても電話による時間的コストを大きく軽減できます。さらにデータ化した解決策は正確性とサービス品質向上につながるのです。

まとめ

以上のようにサブスクリプションビジネスにおいて、CRM の導入は組織の各部署間を隔てて一貫性のある情報を共有することができます。その結果、改善された顧客サービスを継続することで顧客との関係性を深め、アカウントの更新につながっていくのです。CRM の導入は、特に SaaS製品を扱う企業にとって、大きな業績向上につながる投資になることでしょう。

CRM を導入するにあたり、自社に合った製品を選ぶことがポイントとなります。
自社に合った製品を選ぶにあたり、まずは実際に顧客と直接接する営業組織の状態を把握することが重要です。

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