営業責任者向け|同じ営業トークスクリプトでも差が出る「喋り方」の心理学

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要約SUMMARY
  • インサイドセールス(営業)において、相手に負の感情を抱かせないためにも、相手の心理状態に合わせた話し方が成功の鍵となる
  • 人の心理状態を左右するもので予測ができるのは自律神経系の働きである
  • 心理状態や雰囲気に加え、顧客との会話がパーソナライズされたものであることも、インサイドセールスの成功率を向上させるための重要な鍵である

同じトークスクリプトを読んでいるのに、営業メンバーによって成果にバラつきがある。そんな状況に発生している営業組織も多いのではないでしょうか?

本記事では、とりわけインサイドセールスで同じトークスクリプトでも差をつける「喋り方」の心理学について紹介します。営業マネージャーやメンバーの育成に携わっている方や、コールセンターで派遣をマネジメントしている方など、トークスクリプトのみに頼らない育成や成果創出についての知見を得られます。

ぜひ本記事の内容を育成や営業組織の型化に活用ください。

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インサイドセールス(営業)成功の鍵は、相手の心理状態に合わせた話し方

コロナをきっかけにこれまで新規開拓の一手法であった飛び込み営業が難しくなった昨今、オンラインでの商談が増えており、インサイドセールスの立ち上げに取り組む企業様も少なくありません。

インサイドセールスを成功させるためには、前提として相手に話を聞いてもらい、友好な関係を築く必要があります。そのためにはテンプレートのような台本(トークスクリプト)を話すだけ、テレアポのようなアポのみが目的の電話では成功しません。

もちろん、わかりやすいかどうか、マニュアルやトークスクリプトの構成・例文、どのように作成するか作り方を知ることなど共通して大事な部分もありますが、相手の心理状態に合わせて自分の心理状態をコントロールすることが重要になってきます。

もし仮に自分のテンションが低い時に相手が意気揚々と話してきたら、あなたはどのように感じるでしょうか?おそらく大多数の人が辟易とした感情を抱いてしまうと思われます。

インサイドセールスで顧客との関係を構築するプロセスにおいて、相手の担当者のことを考えず無理にプレゼンのような提案をし、相手に負の感情を抱かせてしまってはインサイドセールスが成功する可能性を下げてしまいます。

つまり、トークスクリプトの流れや項目の意味を理解した上で、相手の心理状態に合わせた話し方をすることが大事です。

トークスクリプトに依存しない:人の心理状態を左右する自律神経系

人の心理状態に合わせたインサイドセールスを行うことが重要とありますが、それでは、実際にどのような要因が人の心理状態に影響を与えるのでしょうか。

1つ目は、個人的な背景によるものです。しかし、人の心理状態を左右させる個人的背景は多種多様に及び、予測することが困難であります。

2つ目は自律神経系の働きによるものです。自律神経系の働きによる心理状態の変化は容易です。なぜならば、自律神経系とは人間の生命維持に関する命令を司る神経で、筋肉を動かすといった運動神経とは異なり、人間の意志でコントロールできるものではないからです。

自律神経系には交感神経と副交感神経の2つの神経系が存在します。交感神経は「闘争あるいは逃走の神経」ともたとえられる緊張モードの神経です。交感神経が活発な時は心拍数もあがり、気分が高揚します。一方、副交感神経は「休息の神経」ともいわれるリラックスモードの神経系です。この2つの神経系の働きが無意識のうちに人間の心理状態を左右させています。

時間帯によって異なるテンションでインサイドセールスを

自律神経系が人間の心理状態を左右させる要因であることがわかりました。この自律神経系の働きは時間帯によって異なる働きをします。一般的に、午前中から昼にかけての時間帯は交感神経が活発になっており、心拍数も高く、気分が高揚している傾向にあります。よって、午前中から昼にかけてインサイドセールスを行う場合、比較的高めのテンションで話すと相手の気分も高まり、商談が優位に進む可能性が上がります。

一方で、副交感神経は昼食後から夕方になっていくにつれて優位になり、落ち着いた心理状態になりやすいです。従って、昼過ぎや夕方の時間帯にかけてインサイドセールスをする場合、低い声で話し落ち着きのある話し方のほうが相手に話の内容を受け入れてもらいやすくなります。実際に喋りのプロであるアナウンサーも、朝一番は明るい声を出し、はつらつと話し、一方で夜はわざと低い声で落ち着いた雰囲気で話しています。

トークスクリプトに依存せず、営業組織として成果を出す

インサイドセールスの成功率をあげるためには、相手に話を聞き入れてもらえるように相手の心理状態に合わせた話し方を選択することが効果的であります。交感神経が活発になる朝から昼にかけては比較てき高いテンションではつらつと喋り、一方で副交感神経が働いてくる昼から夕方にかけては、ゆっくりと落ち着いた雰囲気で話すことを心がけましょう。

心理状態や雰囲気に加え、顧客との会話がパーソナライズされたものであることも、インサイドセールスの成功率を向上させるための重要な鍵です。

当たり前ですが、エクセルや CRM などに記載されている顧客リストはただのテレアポリストではありません。顧客リストは自社の資産です。そのテレアポリストをどう活かすか考える時に、保険や不動産(物件紹介)など個人向けの商材においては1人1人との関係構築が重要です。また、対法人では1社1社との関係構築が重要になります。

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