HubSpot の評判は?導入時に検討すべき機能や特徴を解説
- HubSpot は21万社をこえる企業に導入されており、営業やマーケティングに関する情報を一元管理することができる統合型ビジネスプラットフォームである
- HubSpot の主要機能として「認知度の向上」「リードの育成」「CV 獲得数の拡大」などが挙げられ、マーケティングだけでなく営業やほかの業種に対しても対応している
- HubSpot のメリットとして「ツール管理の一元化で業務を効率化」「直観的でわかりやすい」ことが挙げられる
- HubSpot は機能が豊富であるため、自社にとってどんな機能が必要であるのかしっかりと精査して導入する必要がある
マーケティングや営業活動、カスタマーサービスを効率化するために CRM を導入する企業も増えています。そんな中多くの企業で利用されているのが HubSpot です。
多くの企業で導入実績がある HubSpot ですが、機能が豊富であるため、導入するためには検討すべきことが多くあり、導入のハードルは高くなっています。また、導入後のイメージがわかず、本当に自社に導入のメリットがあるのかと不安を感じてしまうこともあります。
本記事では HubSpot の基本的な機能や特徴はもちろん、口コミや評判、導入時に注意するポイントについても解説していきます。
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目次
HubSpot とは
HubSpot とは企業の部門の垣根を超え、営業、マーケティング、カスタマーサービスの取り組みを統合し、社内連携を促進する CRM プラットフォームです。プランは無料版から有料版まで提供されており、ニーズに応じてプランを選択できます。
HubSpot はインバウンドマーケティングの思想が取り入れられており、あらゆるフェーズにおいて顧客の目標を達成することをサポートします。
どれくらい普及しているのか
HubSpot は2024年現在、世界120カ国、216,000社以上の導入実績があります。導入している企業の業種も不動産業から製造業、ソフトウェア&テクノロジー系企業などさまざまです。
HubSpot では提供されている機能も多岐にわたるため、営業力が向上し新規顧客単価が2倍になった企業や、煩雑なスプレッドシートから脱却し業務改善に成功した企業もあります。
インバウンドマーケティングの思想
HubSpot にはインバウンドマーケティングの思想が取り入れられています。インバウンドとは、従来のマーケティング手法と比較して顧客と真摯に向き合いながら顧客をサポートしつつビジネスを成長させるマーケティング手法です。
顧客の成功が自社の成功につながるとの考えをもとに、価値あるコンテンツや体験を顧客に対して提供することによって長いスパンで顧客と有意義な関係を築くことを HubSpot はサポートしています。
統合型ビジネスプラットフォーム
HubSpot は営業、マーケティング、カスタマーサービスに関する情報を一元管理することができる統合型ビジネスプラットフォームです。
HubSpot を利用することによって、部門や部署の垣根を超え、情報を共有し、業務が煩雑になることを防ぎ、業務改善にも繋がります。また、入力画面は直感的に利用することができる設計になっています。
無料を含めて料金プランが複数設定されている
HubSpot には料金プランが無料プランを含めて4つ提供されています。
無料プランでも十分過ぎるほどに機能が充実しているため、まず無料プランを試してから有料プランへ切り替えるなど導入する企業のニーズに合わせて導入スタイルを決められるのもHubSpot の特徴です。
サポートが充実、支援プログラムが用意されている
HubSpot はインバウンドマーケティングの効果を最大限活用するため、サポート体制も充実しています。
電話やメールによるサポートはもちろんのこと、ヘルプドキュメントや支援プログラムも充実しているため、導入後も安心して HubSpot を利用し続けられる環境が整っています。
HubSpot の機能
ここまでは HubSpot に関する概要をご紹介してきました。ここからは実際の HubSpot の主要な機能について詳しく解説していきます。
Marketing Hub
認知度の向上
Marketing Hub の主な機能としてブログ機能、SEO 機能があります。ブログ機能では、顧客の求めている情報を検索エンジンや SNS などで目に留まりやすいコンテンツとして公開することができます。
SEO 機能ではコンテンツ戦略を基に、即座にコンテンツを最適化できるツールを活用し、検索エンジンで他社よりも上位の検索順位に表示されるサポートをしてくれます。
リード育成
リードを育成するための機能としてウェブチャット機能があります。ウェブチャットでは製品に対して興味がある顧客とリアルタイムで繋がることができ、成約につなげることをサポートしてくれます。
また、ボットを利用することによって担当者の負担を軽減し、重要なコミュニケーションに注力することも可能です。
CV 獲得数の拡大
CV 獲得数を拡大させるためには広告のトラッキングと管理機能を使うことができます。現在ではインターネット上に広告を出稿することは当たり前になりつつあります。
しかしながら、Google や SNS などそれぞれの管理画面で広告効果を測定しなければならず、本当に広告によってCV獲得数が向上しているのかを確認するのが大変になることが多いです。
HubSpot を利用することによって、広告出稿元に応じた管理画面で管理するのではなく、HubSpot 上で一元管理することができます。
顧客満足度の向上
ブログで顧客の求める情報を見つけやすくすることはもちろん、SNS も一元管理することができるため、キャンペーン告知や公開予約などに注力することができます。
Sales Hub(SFA&CRM)
Sales Hub では、管理が複雑化してしまい、業務が停滞してしまうことを防ぐ機能が充実しています。Sales Hub は Salesforce と比較されることが多いですが、大きく違うところは無料で導入することができる点にあります。そのため、機能も最低限で見える情報もシンプルに顧客を管理することができます。
まずは無料プランで導入し、その後必要なプランをアドオンしていくことによって導入時のコストを抑えながら顧客管理をしていくことができます。
SalesforceとHubSpot の違いを徹底比較 自社のビジネスに適切なCRMは?
Service Hub
HubSpot では、カスタマーポータルを活用して顧客との問合せにスムーズに対応することができます。
また、ヘルプ動画や Q&A を充実させることができるため、顧客自身に問題を解決してもらい、問い合わせ件数を減らす工夫をすることも可能です。ウェブチャットを活用することによって、問い合わせ内容ごとに担当者をアサインすることもでき、顧客満足度を低下させることなく顧客対応をおこなうことができるのもメリットの1つです。
CMS Hub
ウェブサイトに訪れた顧客に対してパーソナライズ、顧客が使用しているデバイスに応じてサイトを最適化することも CMS Hub を活用することでエンジニアなどの開発者なしで対応することができます。
SEO に対するアドバイスはもちろん、ウェブサイトのテーマも豊富に準備されており、導入する企業のニーズに合わせて柔軟にウェブサイトをカスタマイズすることができます。
Operation Hub
事業が拡大すると社内システムの煩雑化によって、業務が停滞することや管理が複雑になることが多いです。事業が拡大した場合であってもシンプルにアプリ同士の連携や顧客管理、ビジネスプロセスのオートメーション化に Operation Hub は最適です。ノーコードで簡単にアプリとデータを同期することができ、チーム間のデータ連携もスムーズにおこなえます。
HubSpot の料金
では実際に HubSpot の料金を先ほど紹介した機能別にご紹介します。
HubSpot では無料プランのほかに Starter、Professional、Enterprise の3つのプランが用意されています。それぞれのプランの機能の違いも合わせて表にまとめておりますのでご確認ください。
Marketing Hub
料金プラン | 月額料金 | コンタクト数 | プランの特徴 | 主な機能 |
Starter | 1,800円 | 1,000 | フォームやランディングページから HubSpot のロゴが削除 | フォームの自動化、メールの自動送信 |
Professional | 96,000円 | 2,000 | 様々なチャンネルでエンゲージメントが自動化される | コンテンツの他言語化、キャンペーン管理 |
Enterprise | 432,000円 | 10,000 | チーム管理や権限管理が可能 | 権限セット、チームの階層化、予測リードスコアリング |
Sales Hub
料金プラン | 月額料金 | ユーザー数 | プランの特徴 | 主な機能 |
Starter | 1,800円 | 2人 | ミーティング設定、複数通貨対応 | Stripe との連動、コミュニケーションの自動割り当て |
Professional | 10,800円 | 5人 | セールス自動化、電話によるサポート | カスタムレポート、1対1の動画メッセージ |
Enterprise | 18,000円 | 10人 | カスタムオブジェクト、権限管理 | チームの階層化、サンドボックス |
Service Hub
料金プラン | 月額料金 | ユーザー数 | プランの特徴 | 主な機能 |
Starter | 1,800円 | 2人 | ウェブチャット、ミーティング設定 | チームの共有アドレス、基本ボット |
Professinal | 10,800円 | 5人 | ヘルプデスクの自動化、ナレッジベース | カスタムアンケート、サービスアナリティクス |
Enterprise | 15,600円 | 10人 | 権限管理、シングルサインオン | コミュニケーションインテリジェンス、サンドボックス |
CMS Hub
料金プラン | 月額料金 | プランの特徴 | 主な機能 |
Starter | 1,800円 | 標準SSL証明書、コンテンツ配信ネットワーク | ドラッグ&ドロップエディター、ローカル環境でのウェブ開発 |
Professional | 43,200円 | 動的なパーソナライズ、パスワードで保護されたページ | カスタムレポート、A/Bテスト |
Enterprise | 144,000円 | ウェブアプリ、メンバーシップ | チームの階層化、コンテンツのパーティション分け |
Operations Hub
料金プラン | 月額料金 | プランの特徴 | 主な機能 |
Starter | 1,800円 | カスタムプロパティ、カスタムフィールドパッピング | レポートダッシュボード、複数通貨対応 |
Professional | 86,400円 | スケジュール済みワークフロートリガー | 重複管理、リストのセグメンテーション |
Enterprise | 240,000円 | データセット、詳細なデータの計算と準備 | サンドボックス、カスタムオブジェクト |
HubSpot のメリット・デメリット
メリット
CRM や顧客管理ツールが無料
Hubspot の何よりのメリットは CRM や顧客管理ツールが無料で使える点にあります。無料プランでありながら使用することができる機能も豊富であるため、まずはどんな機能があるのか試してみたいという企業にもフィットします。
ツール管理の一元化で業務を効率化
Hubspot 内でデータの一元管理ができるだけではなく、SNS などのアカウントも合わせて一元管理をすることができるため、管理がシンプルになり業務の効率化を図ることにも繋がります。
直感的で分かりやすい
どうしても業務システムやアプリケーションは入力画面が複雑で、使いこなすまでに時間がかかりがちです。しかし HubSpot の場合には直感的に使用することができる UI 設計であるため、初めて触る方でもわかりやすい入力画面、確認しやすいダッシュボードなどデザイン面にもこだわっています。
デメリット
無料だけでは機能不足
無料プランがあるとはいえ、どうしても企業の規模や事業の規模が大きくなってくると無料プランの機能だけでは足りなくなってくるというデメリットもあります。無料から有料プランへアップグレードする際には本当に自社にフィットするのか検討する必要もあるため、規模の大きなビジネスをおこなっている企業の場合にはデメリットになることもあります。
日本語対応が弱い
Hubspot は英語対応が基本となっているため、使用する機能によっては日本語対応されていないというデメリットもあります。基本的には HP なども日本語対応されていますが、まだまだ細かなところは日本語対応できない部分も見受けられます。英語に明るい社員がいない場合には導入にあたって手間がかかってしまうケースもあります。
すべての機能を使うとコスト高い
無料プランから有料プランへ変更する際に全ての機能を潤沢に追加してしまうとコストが高くなってしまうことも注意が必要です。無料プランがあり、ある程度の機能は無料のまま使用することができるのはメリットでもありますが、使い続けた結果として機能を追加していくと高額になってしまうことには注意が必要です。
HubSpot の評判・口コミ
では実際に Hubspot を導入した企業や利用ユーザーからはどのような口コミが集まっているのでしょうか?ここでは HubSpot を導入してよかったポイント、悪いポイント、導入をおすすめする企業について解説していきます。1)
良いポイント
良いポイントとしてあげられるのは、複数のツールをまたぐことなく HubSpot 1つで管理が完結する点をあげられている利用者が多いです。HubSpot に連携することによってメールや SNS のアカウントを一元管理することができるため、プロジェクトや業務の管理がしやすくなったという声が多くあげられています。大きなプロジェクトほど管理がブラックボックス化しやすいため、HubSpot を導入してよかったという声が多いです。
改善してほしいポイント
直感的に情報を管理するダッシュボード機能などが使いやすいという声がある一方で、表示したい項目が増えてくると横にスクロールする必要があるため、一画面で見えなくなります。そのため、画面に表示する項目を精査する必要があるというデメリットが発生します。横にスクロールすると Excel のように選択している行の色が変わることはないため、どの行を確認しているのかがわかりにくいというデメリットもあげられています。
どんな企業に向いているのか
コスト抑えたい
多くの CRM は各社から提供されていますが、無料プランが提供されている CRM はそれほど多くありません。無料プランが提供されていたとしても、機能が限定的であることが多いですが、HubSpot の場合には無料プランでも十分なほど機能が充実しているメリットがあります。導入するコストをなるべく抑えて顧客管理や案件管理をおこないたい企業にはおすすめの CRM になります。
初めてのツール導入
直感的に操作、入力、管理がおこなえるため、初めてツールを導入する企業にも向いています。スプレッドシートや Excel などのソフトは便利である一方で、管理が複雑になるケースがほとんどですが HubSpot の場合には HubSpot 内で全て一元管理をすることができるため、管理がブラックボックス化しません。まずツールを導入してどんな効果があるのか知りたいという企業には特におすすめしたいツールになります。
まとめ
今回は多くの企業で導入されている HubSpot について、機能やプランの詳細、導入のメリットデメリットについてご紹介してきました。HubSpot は機能が豊富であるため、自社にとってどんな機能が必要であるのかしっかりと精査して導入する必要があります。
また、業務システムを導入した後であっても全ての課題が解決するわけではなく、導入後も運用していく上で様々な問題も発生します。特に CRM の運用で一番頭を悩ませる課題は「営業担当者が CRM に入力するしないこと」にあります。営業情報を仕入れてくる営業担当者が入力するのか、それとも事務員の方が入力するのかは企業によって運用が大きく異なる部分になります。
こうしたデータ活用の課題については下記の資料も参考にしてみてください。
《引用文献》
HubSpot
https://www.hubspot.jp/
1)ITreview,「HubSpot CRMの評判を全35件のユーザーレビュー・口コミで紹介」
https://www.itreview.jp/products/hubspot-crm/reviews
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