【2022年最新】営業の生産性を上げるおすすめ SFA を徹底比較
- SFA は、データに基づいて営業に取り組み、生産性を高めるための必須ツールです。
- SFA 各製品、詳しく見れば特徴があるため、導入を検討する際にはそれぞれ自社の営業組織の問題解決に役立つかを判断することが必要です。
- 自社の営業のめざす活動やスタイルと、現状の問題解決のために SFA を導入しましょう。
- SFA は導入がゴールではなく、正しく活用・定着に至ることが、一旦のゴールです。
目次
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SFA とは
SFA とは、「Sales Force Automation」の略で、日本語としては「営業支援システム」と呼ばれることが一般的です。
個々のセールスパーソンの営業活動を文字通り支援するシステムで、下記の行動管理や顧客管理機能が備わっています。
- 営業のタスクやスケジュールの管理
- 営業プロセスを進捗させるためのアクション
- 営業活動のKPI分析
- 商談の優先順位の明確化
- 商談の情報から次の最適な活動のレコメンド
もはや SFA は営業活動や営業組織にとって、なくてはならないツールに成長しています。
SFA を含む、クラウド型のソリューションサービスの市場は、急拡大しています。
CAM / SFA に限らず、業務システム等の類は、自社内でシステムを構築するオンプレミス型よりも、導入コストの低いクラウド型に移行しています。
IT/デジタル分野およびBPO分野の市場調査機関であるミック経済研究所のデータによると、クラウド型の CRM 総市場は急拡大を続けています。
(日本経済新聞 ミック経済研究所、「マーテック市場の現状と展望2021<クラウド型CRM市場編>」)
なぜ、このように急拡大する予測となっているのでしょうか。次項で解説します。
SFA が注目されている理由
近年、SFA が注目され、市場が急拡大している大きな理由は、「働き方改革」と「DX(デジタルトランスフォーメーション)」が、営業に求められているからです。
製造業などの生産の効率化や製品開発などと比較すると分かりやすいのですが、従来、「営業」という仕事は属人化しやすい傾向にあり、データに基づいた改善の取り組みが遅れていました。
また、報告資料の作成や、業績の過度な頻度での確認など、あまり生産的でない仕事も必要とされていました。
一方、上記を放置すると、安定して成果を上げることが難しくなります。
そのため、営業の生産性を上げるために、データに基づいて改善プロセスを回しながら営業活動を実践し、営業活動の成果に直結しない、無駄な仕事はなるべく減らす取り組みが求められているのです。
上記を実現するために、SFA は必須のツールと言えるのです。
おすすめツール比較
Sales Cloud
グローバルで SFA や CRM 領域でシェアナンバーワンの、セールスフォースが提供する SFA です。
機能の特徴としては、セールスフォースという会社が、営業を科学的に捉え、強化してきた取り組みを背景とした、最先端の営業の考えが盛り込まれていることです。
クラウドサービスかつ、SaaS 企業に特に親和性が高く、特段のカスタマイズを実施せずにそのまま使うだけで、それが最先端の営業になると言ってもいいでしょう。
また、グローバルの顧客管理に適していて、世界の営業担当者が即座に連携することも可能です。
NTTコミュニケーションズでは、顧客のグローバル展開を支援するための営業活動を、セールスフォースを導入することによって、シームレスにスピーディーに実践しています。(出典:「 Salesforce Sales-cloud Customer-stories 」)
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HubSpot
HubSpotは、米国に本拠を置く会社です。HubSpot 社が提供するマーケティングからセールスを包含したオペレーションを支援する全体的なプラットフォームの中で、Sales Hub と言われるものがCRM / SFAに該当します。
特徴として、Marketing Hub と言われる MA (マーケティングオートメーション)という製品を持っていて、インバウンドマーケティングの高度なノウハウを持っていている企業です。
そのため、SFA も、活動管理もさることながら、CRM (顧客管理)機能が強いことが特徴です。
マーケティング施策とその後の顧客管理が課題となる、B to C の営業において威力を発揮します。
ランドネットという不動産投資の個人顧客向けのサービス企業では、今まで見込み顧客を管理できておらず、無駄な営業が発生し、生産性がばらついていた問題に対して、HubSpot を利用することで、効果的な営業活動を行うことができました。
(出典:「 hubspot case-studies 」)
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Dynamics 365 Sales
Dynamics 365 Sales とは、Microsoft が提供する SFA です。Dynamics 365 とは、ERP (Enterprise Resources Planning 基幹システムのこと)の発想で構築されています。
SFA 以外にも、サプライチェーンや B to Cのマーケティング、顧客サポート、社内の人材管理など、多数のモジュールで構成されています。
Microsoft が提供することもあり、Office 製品との親和性が高いことも、大きな特徴です。
SFA の機能としては、マーケティングとの連動、営業プロセスの設定を適宜実施することが可能で、顧客との長期的な関係を構築するための柔軟性の高い運用が可能です。
ロジスティクス(物流)の大手である DP World は、Dynamics 365 Sales の導入によって、導入以前の問題であった、顧客との接触履歴とコミュニケーションのマネジメントの不具合を解消しました。
(出典: 「 Microsoft Dynamics 365 story 」 )
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e-セールスマネージャー
e-セールスマネージャーは、ソフトブレーン社(日本)が提供する、日本発の SFA です。その歴史は古く、1999年にe-セールスマネージャーの初版を発売しています。
特徴としては、営業コンサルティングや営業教育といった、営業改革を主導してきたパイオニアとして、SFA 導入前から立ち上がり、定着のサポート体制が充実していることです。
システムだけではなく、本質的に営業を変えていきたいと思っている企業に向いているサポート体制だと言えます。
法人向けの福利厚生アウトソーシング事業のベネフィット・ワンは、当初内製の SFA を使用し、多くの帳票を自前で作成し、営業が疲弊していた状態を、e-セールスマネージャーを活用し、生産性を向上させました。
(出典: 「 e-sales casestudy 」 )
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Sales Force Assistant
Sales Force Assistant は、NIコンサルティングが提供する SFA で、直近でテレビ CMで積極的に PR している多機能グループウェア「 NI Collabo 」を開発・提供している企業です。
NI コンサルティングは元々、経営戦略や人事制度のコンサルティング会社で、特に可視化経営を強く世に訴えてきました。
そのため、営業戦略や営業行動を可視化によって支援するサービスも強化しており、Sales Force Assistant の大きな特徴は、一通りの基本的な可視化機能がそろっていながら、コストが安いことです。
なるべくコストを抑えて、第一歩として営業の可視化を手早くやりたいというニーズに最適です。
電子部品、サーミスタのトップ企業である芝浦電子は、エクセルで案件の一覧表を作成して、それを印刷して一行一行眺めてマネジメントするという状態から、Sales Force Assistant を導入して効率的な案件管理を実施しています。
(出典:「 Sales Force Assistant jirei 」)
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ネクスト SFA
ネクスト SFA は、株式会社ビジョンが提供する SFA です。
ネクスト SFA は、前述の Sales Force Assistantにひけをとらない、価格の安さが特徴です。
また、操作が簡単で、初期設定のみで使用開始できることもメリットのひとつです。
Sales Force Assistant と同様、なるべくコストを抑えて、第一歩として営業の可視化を手早くやりたいというニーズに最適です。
公式ホームページでの成功事例には、比較的小規模の営業組織で導入され、可視化によってマネジメントしやすくなったという声があがっています。
価格は下記のとおりです。無料トライアルも実施できます。
Oracle Sales Cloud
Oracle Sales Cloud は、ソフトウェア大手、米Oracle が提供する SFA です。
一般的な機能はもちろん網羅されていますが、特筆すべきは顧客のスコアリング(優先順位)や、科学的な人員配置など、組織の意思決定のための機能が充実していることです。
B to C など、顧客の属性や購買動機、また様々なデータを取得できる業態で、そのデータを科学的に使いたいというニーズに最適です。
価格は要問い合わせとなっています。
UPWARD(アップワード)
UPWORDは、UPWARD株式会社が提供する SFA です。
UPWORD株式会社は、位置情報サービスに特化した技術をもった会社で、Salesforce と位置情報を高度に連携させた SFA となっています。
営業のスタイルとして、多種多様な顧客に出向く必要がある営業スタイルに、とてもマッチした SFA となっています。
農機具のグローバルメーカーであるクボタは、全国に700拠点網で、農家向けの提案を行っていますが、UPWORD 導入により、訪問し、直接の商談がしやすい時間帯に効率よく訪問することが可能になりました。
(出典:「 UPWORD case 」 )
価格は下記のとおりです。 無料トライアルが可能かどうかは、問い合わせが必要です。
CRM 導入済みの場合は、以下の価格で導入いただけます。
Zoho CRM
Zoho CRM は、アメリカ本社の Zoho 、日本ではゾーホージャパン株式会社が提供する包括的な CRM / SFA です。
Zoho CRM の大きな特徴は、コストが安い割に、営業の可視化機能だけではなく、CRM としての顧客管理機能(スコアリングやセグメント分析)なども搭載されていることです。
マーケティングとセールスの連動に課題を感じていて、早く投資に対するメリットを求める場合は、検討すべきシステムであると言えます。
公式ホームページでは、企業名は掲載されていませんが、マーケティング施策と顧客の反応を連動させ、見込み顧客への最適なアプローチが可能です。Zoho CRM の強みと言えるでしょう。
(出典:「 zoho enterprise-index-header 」 )
価格は下記のとおりです。15日間の無料トライアルが可能です。
kintone
kintone は、サイボウズが提供する業務改善のシステムソリューションで、その中にSFA機能が存在します。
kintone 自体の大きな特徴は、必要な業務改善機能を足し合わせて使用できることです。「共有」「コラボレーション」「マルチデバイスアクセス」をコンセプトにしています。
足し合わせる機能として、SFA が存在します。
SFA としての機能も、情報分散を一元化して可視化して共有し、チャットコミュニケーションなど、コミュニケーションを円滑にする機能が基本です。
kintoneの場合、SFA 単体としての検討を避け、全社の業務効率の一環として捉えるべきです。
ケーブルテレビ、高速インターネット接続、固定電話サービスを一括提供するジュピターテレコムは、kintone によって全国の顧客からの問い合わせを素早く展開することにより、より迅速な顧客対応を実現しています。
(出典:「 kintone cases 」 )
価格は下記のとおりです。非常にコスト競争力が高いといえます。無料トライアルも可能です。
JUST.SFA
JUST.SFA は、ソフトウェア開発の日本大手、株式会社ジャストシステムが提供する SFA です。
JUST.SFA の大きな特徴はノーコードで自社オリジナルの SFA にカスタマイズできることです。
言い換えれば、自社のめざす営業スタイルが特異で、かつパッケージ型では対応できないことが明確、かつ自社で設計するためのノウハウがあれば、自由自在に運用することが可能です。
住友林業グループの賃貸管理業務を行っている住友林業レジデンシャルは、契約前の見込み案件についての管理手法の強化という、具体的な目的に対して JUST.SFA を利用することで成果を上げています。
(出典:「 justsfa case 」 )
価格は要問い合わせとなっています。
Knowledge Suite
Knowledge Suite は、ナレッジスイート株式会社が提供する統合型統合ビジネスアプリケーションです。
SFA / CRM 機能で特徴的なのは、報告が3ステップで完結するなど、使用する営業パーソンが楽になるようにという発想でつくられていることです。
また、グループウェアとしての機能もあるため、テレワークや商談、スケジュールや設備予約まで対応することができます。
営業組織のITリテラシーなどに少々不安を抱いている場合、かつはじめて SFA というものを導入する営業組織には、親しみやすい SFA と言えます。
様々な印刷を手掛ける東洋レーベルでは、コロナによって従来の営業活動が難しくなりました。また、営業パーソンは、ITリテラシーが低い、という状態でしたが、Knowledge Suite により情報共有や営業活動の可視化に成功しています。
(出典:「 knowledgesuite case 」 )
価格は下記のとおりです。特徴的なのは、1人あたりという課金スタイルではない、ということです。データ容量との関係は注意が必要です。
SFA 導入・活用時の注意点
導入前の比較検討の注意点
導入目的の明確化
SFA導入のポイントは、第一に、導入目的の明確化です。
導入目的とは、どのような営業スタイルをめざし、SFA 導入によって何を解決しなければならないのかを明確にすることです。
これまで解説してきたように、SFA は営業活動や業績などの可視化といった基本機能は、各製品共通していますが、特徴があります。
それらが、自社の営業の組織的な問題解決に役立つかを、見極める必要があるのです。
費用対効果が見込めるか検討しておく
導入目的に対して、どの程度の費用対効果が見込めるのかは、重要な判断基準です。
SFA には、導入時のイニシャルコスト、月額利用料だけがコストではありません。営業人員の少なくとも半数が、SFA を活用し自律的な営業活動を実行できるまでの「定着」に要する期間・時間もコストです。
SFA ベンダーから、正しく定着するためのサポートや、施策への助言が得られるかも、費用対効果を判断するポイントです。
データ入力が複雑でないか確認する
データ入力が複雑、かえって煩雑ということがないかは、重要な判断基準です。
各ベンダーは、簡単に入力できると言いますが、本当にそうか、実際に使ってみて感触を聞くことは、有効な手段です。
無料トライアルがあれば活用すべきです。
運用サポートの充実度合いを確認する
一旦導入しても、正しく使えなければ、SFA ほど高い買い物はありません。
営業担当者が正しく使えるように、サポートしてもらえるかどうかは、重要な判断基準です。
活用にあたっての注意点
データ入力の正確性を保つ
SFA の活用にあたって、営業担当者が入力するデータが正しいかどうかは、生命線ともいえる重要事項です。
なぜなら、正しいデータが入力されなければ、SFA 自体が意味を成さないからです。
よくある望ましくない事象は、報告のためによく見せるなどの理由で、正しい情報が入力されないことです。
特に活用初期にあたっては、正しい入力をすることが何よりも大事だということを伝えること、正しく入力することに心理的安全性を担保していくことが重要です。
データ活用の体制を整える
SFA から取得できるデータをどのように活用するかも重要です。
なぜなら、SFA 導入によって成果を出すか出せないかは、データを活用できるかどうかがポイントになるからです。
データを活用しなければ、SFA はただ入力するだけの無用の長物となり、何の変化も起こせません。
週次や月次で、どのデータを参照し、どのようにマネジメントするのかを決めて、運用することが重要です。
運用が組織に浸透するよう準備する
SFA の活用と運用が軌道にのるように、組織全体に浸透させていくことが必要です。
例えば、SFA を活用し成果を上げた事例があれば、組織全体で共有したり、活用のポイントを詳しく解説する学習教材をつくるなどがアクションとして考えられます。
いずれにせよ、SFA の活用を広めていくことが重要です。
まとめ
いかがだったでしょうか。
SFA は製品ごとに特徴や強みが異なります。自社に合った SFA を導入するには、各製品の特徴や強みを踏まえて、自社の営業組織に適合するかを判断することが必要です。
また、SFA に限らず、そもそもDX自体が自社に適した方針を定めた上で導入する必要があります。
しかし、自社の営業にどのような課題があるのかは、見えにくいことも多いのではないでしょうか。
ぜひ、下記を参考に、自社の営業組織の課題をチェックして、社内で議論いただくことをおすすめします。自社の営業の DX、SFA の活用など、ぜひこの機会に考えてみてください。
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