営業が商談後のお礼メールで差をつけるには?【サンプルあり】

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要約SUMMARY
  • お礼メールの役割は「認識のずれを防ぐ」「信頼関係の構築」「顧客が検討を進めるためのフォロー」の3点である
  • 基本的に記載しておくべき内容やマナーを把握していることが前提であり、基本ができていないと印象の悪化や信頼を損なうこともある
  • お礼メールで注意すべきことには「商談の機会をいただいたことのお礼を記載する」「一目で要件がわかる件名にする」などがある
  • より顧客に喜ばれるポイントとしては「求められている内容の送付」「できるだけ早く送信する」ことがあげられる
  • コロナ禍を経てオンラインでのコミュニケーションは増加しており、短時間で質の高いメールを送付することが求められている

ビジネスにおいて、商談後にお礼メールを送ることはオンライン・対面にかかわらず、重要なプロセスの一つです。効果的なお礼メールは顧客との関係性を強化し、将来的な成果向上につながります。

この記事では、商談後に送るお礼メールの役割やマナー、差別化ポイントを例文と共に紹介します。日々の営業活動において、メールを有効活用する際にぜひ参考にしてください。

また、Magic Moment では、トップセールスと同じ水準の内容やタイミングで商談後のお礼メールを送れることをはじめとした、営業活動全体をサポートする 「Magic Moment Playbook」を提供しています。

お礼メールの役割

お礼メールの役割は以下の3つです。

認識のズレを防ぐ

商談での議論中に、言葉の定義の違いや思い違いによって、合意した内容が実は顧客と認識がずれているケースがあります。お礼メールで商談時に話した要点に触れておくと、認識のズレが発生するリスクを予防することに繋がります。

信頼関係の構築

商談後の迅速な対応や的確なフォローは信頼関係の強化に繋がります。商談後も関係を継続しやすくなります。

顧客が検討を進めるためのフォロー

商談時に答え切れなかった質問への回答や、顧客の関心に合わせた追加資料やコンテンツなどをメールにて返信することで、購買判断を後押しすることに繋がります。

お礼メールで気をつけること

返信でお礼メールを送る時には、基本的に記載しておくべき内容やマナーを把握していることが前提として必要です。基本的なことができていないことで、売上成果に繋がらないだけでなく、印象の悪化や信頼を損なうことにもなりかねません。

記載すべき内容

社名と名前

冒頭は顧客の社名と名前で始めます。少なくとも主たる送信先である「TO」に当たる人の名前は記載しましょう。重要性に応じて「CC」の人の名前も記載するケースもあります。

お礼

商談の機会を頂いたことへのお礼は本文の前半に記載すると良いでしょう。商談が成立した場合や、具体的な進捗があった場合には、それらに対するお礼も含めます。

今後のことについて

次回アポイント予定や、今後の論点・課題などを確認します。認識のズレを防ぐのにも役立ちます。

商談で興味を持っていた点を訴求するコンテンツ

商談の中で出たがその場で答えきれなかった質問への回答や、顧客が購買の検討を進めるうえで役立つコンテンツを盛り込みます。

自社の署名

末尾には社名や連絡先などを記載した署名を必ず含めてください。署名のないメールはセキュリティ上懸念を抱かれるリスクもあります。

気をつけるべきマナー

原則は訪問したその日のうちに送る

お礼メールの返信は商談後早めに送らなければいけません。特段の事情がなければその日の営業時間内の送付が基本です。ビジネスタイム中に送れない事情がある場合は明朝に送るようにしましょう。

タイトルは簡潔にし、一目で要件が伝わるようにする

メールのタイトルは内容が一目で分かるように記載すると良いです。

  1. 【先日の御礼】株式会社○○の田中です
  2. 株式会社○○の田中です

例えば上記であれば、1つ目の方がお礼メールであることが一目でわかるので適切なタイトルと言えます。

タイトルの長さは20〜30文字以内が適切です。それ以上はタイトル全文が表示されなくなってしまいます。

誤字脱字や表現に気を付ける

基本的なことですが、誤字脱字はないようにしましょう。作成後に見直したうえでの返信を心掛けると良いでしょう。

商談後お礼メール【サンプル紹介】

ここからは、実際に商談のお礼メールを返信するときのサンプルを紹介します。

以下のシチュエーションごとに見ていきましょう。

  • 基本的なお礼メール
  • 商談が進んだ場合
  • 商談で課題をもらった場合
  • 資料を送る場合

基本的なお礼メール 


件名:本日の打ち合わせの御礼/株式会社 × × × × × × 

株式会社△△△△営業推進部 部長 〇〇  様 

いつも大変お世話になっております。
本日、弊社の「~~~」について紹介させていただきました、株式会社 × × × ×、営業部の× ×です。 

このたびは、ご多忙にもかかわらず、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。

本日ご提案をさせていただきました
◯◯サービスの資料をこちらに添付させていただきます。

ご不明点等ございましたら、お気軽にご相談頂けましたら幸いです。
近いうちにまた、ご連絡のうえ、再度お話をうかがわせていただけますと幸いでございます。

今後ともよろしくお願いいたします。
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× × × ×営業部 × ×
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇
TEL 090-0000-0000
email  × × × × × × @  × × × ×.com
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商談が進んだ場合 


件名:新規契約の御礼/株式会社 × × × × × × 

株式会社△△△△営業推進部 部長 〇〇  様 

平素よりお世話になっております。× × × × の× × ×でございます。 

このたびは、〇〇 サービスを新規ご契約頂きまして誠にありがとうございます。 

当サービスは、多様なカスタマイズ機能をもつ画期的な新サービスと自負しております。
末長くご利用くださいますよう心よりお願い申しあげます。 

なお、今後貴社とのご連絡は、私、× ×が担当いたします。 
ご要望・またはご不明の点などございましたらいつでもご連絡ください。 

今後とも末永くお付き合いくださいますよう、謹んでお願い申し上げます。
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× × × ×営業部 × ×
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇
TEL 090-0000-0000
email  × × × × × × @  × × × ×.com
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商談が進んだ場合は、商品・サービスの強みや今後の活動に対する意気込みなどを盛り込むことで、顧客の期待感が高まり更なる信頼関係の構築に繋がります。

商談で課題をもらった場合 


件名:本日の打ち合わせの御礼/株式会社 × × × × × × 

株式会社△△△△営業推進部 部長 〇〇  様 

株式会社× × × × 、営業部の× × ×です。

本日はお忙しいなか、お時間をいただき誠にありがとうございました。  

本日〇〇 様からご指摘いただきました点につきましては、ご要望にお応えできるよう努力したいと存じます。 
近いうちにまた、ご連絡のうえ、ご提案をもってお伺い致したいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。  

〇〇 様にお会いできましたご縁を大切に、より一層精進してまいります。
今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
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× × × ×営業部 × ×
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇
TEL 090-0000-0000
email  × × × × × × @  × × × ×.com
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顧客から検討事項や課題を頂いた場合、検討や対応を進める旨を書き加えましょう。「来週までに対応します」など期日を明確にすることができればより良いです。

資料を送る場合


件名:本日の打ち合わせの御礼/株式会社 × × × × × × 

株式会社△△△△営業推進部 部長 〇〇  様 

平素よりお世話になっております。× × × × の× × ×でございます。 

本日はご多忙の中、〇〇について
お話するお時間をいただき誠にありがとうございました。 

当社を選んでよかったとのお言葉をいただけるよう、私も担当として、全力で御社のお力添えをさせていただきます。 

早速ではございますが、ご依頼いただきました資料を添付ファイルにてお送りします。
添付ファイル:〇〇資料(PDF:全3ページ)

限られた時間ではございましたので、
ご不明な点・ご質問等ございましたらどうぞお気軽にお問い合わせくださいませ。

今後とも、何卒よろしくお願い申し上げます。
 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 
× × × ×営業部 × ×
〒000-0000
東京都〇〇区〇〇
TEL 090-0000-0000
email  × × × × × × @  × × × ×.com
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追加資料がある場合は、お礼メールに添付して送付するのが良いでしょう。

お礼メールで差がつくポイント

ここまで紹介したことは全てお礼メールを作成する際に最低限押さえておくポイントです。ある程度経験がある方であれば、誰もがやっていることではないでしょうか。

ここからは、お礼メールにおいて差がつくポイントを紹介します。

参考:メールだけでアポは獲得できるのか

顧客が求める情報を送る

丁寧にお礼の気持ちを伝えただけでは検討が進みません。以下のような、顧客が求める情報を盛り込み、お礼の気持ちと合わせて顧客が検討を進める材料としてもらうのが有効です。

  • 問い合わせへの回答
  • 追加資料
  • 費用対効果
  • 契約締結のメリット

商談の場で顧客から求められた資料や質問への回答を含めるのはもちろん、顧客とのコミュニケーションの中で、顧客にとって有効な情報を察知し、能動的に盛り込むと更に質の高いメールとなります。

なお、添付ファイルを送る際は次の点に注意してください。

  • 顧客が閲覧可能なファイルフォーマット
  • ウイルスチェック
  • ファイルサイズの大きさ
  • わかりやすいファイル名

できるだけ早く送る

お礼メールは商談の印象が残っているうちに送付することが効果的です。早ければ早いに越したことはありません。

元グーグルCEOのエリック・シュミット氏1)も、迅速なレスポンスのコミュニケーションにおける重要性を次のように指摘していました。

“すぐ返信する。世の中にはメールの返信が速く信頼できる人とそうでない人がいる。前者になるように努力しよう。私たちが知っている中でもとびきり優秀で、しかもとびきり忙しい人は、たいていメール返信が速い。”

顧客に対してできるだけ早いレスポンスを行うことは、関係構築に大いに貢献します。顧客が特定の情報を求めている場合はもちろん、そうでない場合も、商談の記憶が新しいうちに、相手に有益な情報を届けることを第一に意識してみてください。

営業におけるメールの重要性の高まり

営業活動におけるオンラインでのコミュニケーションは増加しており、お礼メールを含めた営業メールの重要性は高まっています。

コロナ禍を経て、対面による訪問営業は大幅に減少し、2022年は回復傾向にあるものの、依然として2019年比で訪問型を優先する人は減少しています。

HubSpot社の営業に対する意識・実態調査2)によると、訪問・非訪問の「どちらでもよい」と考えている人は、2020年から2021年で1.5倍に増加しました。また訪問型営業の方が好ましいという意見は、2021年においてコロナ禍前の2019年対比で13%も低下しています。

図1. 「買い手が考える好ましい営業スタイル」(『日本の営業に関する意識・実態調査2022の結果をHubspotが発表』より Magic Moment 作成)

オンラインでの顧客とのやり取りが多くなることを見据えると、メールの送信は質の高さだけでなく、処理のスピードも求められるようになります。

短時間で質の高いメールを送信するためには、「メールの基本部分やカスタマイズ部分を共通化する」「ターゲットの検討状況に応じていくつかテンプレートやサポートとなる資料をまとめておく」と言った組織全体でメールの質を高める仕組みを構築することが有効です。

状況に合わせてメールがすぐ送れる Magic Moment Playbook

当社では、LTV(顧客生涯価値)経営をサポートする営業 SaaS 『Magic Moment Playbook』を提供しています。Playbook では、商談や顧客の状況に応じてコミュニケーションを自動化するシーケンス機能を活用することができます。

シーケンスを利用することで、事前に顧客の状況を分析し、それぞれの状況に適したメールを自動化またはワンクリックで送信することが可能です。また、商談時に収集した情報に基づいて、最適な資料を自動的に送信することもできます。

営業担当者の負担を軽減し、送り漏れなどの機会損失を防ぐことができます。また、メッセージが画一的にならないように、営業担当者が自らメッセージを編集できる機能も備えているため、自動化だけでなく顧客とのエンゲージメント向上にも貢献します。

その他、Magic Moment Playbook の機能についての詳しい情報は こちらの記事「営業改革を実行するための主要機能」 をご覧ください。

Magic Moment Playbook の詳細はこちら:https://www.magicmoment.jp/
資料請求:https://lp.magicmoment.jp/magic-moment-playbook-document
導入事例:https://www.magicmoment.jp/academy/category/case/

《引用文献》

1)  夏目力. “元Google CEO「メールの返信の速さが本当に強い企業文化を作る。」”. リーディング&カンパニー株式会社. https://lrandcom.com/articles/response_asap. (参照 2022-12-01)

2)HubSpot株式会社. 日本の営業に関する意識・実態調査2022の結果をHubSpotが発表. https://www.hubspot.jp/hubfs/Press%20Release_HubSpotJapan_JP_State_of_Sales2022_20220216.pdf. HubSpot Japan株式会社. (参照 2022-12-01)