メガバンク出身担当者からみた成長が鈍化する古い営業組織の4つの特徴

こんにちは、Magic Moment の髙橋です。

今回は古い営業組織の特徴についてお話します。

このテーマだけをみると古い営業組織が悪く見えますが、必ずしもそうではありません。

企業成長を妨げやすい古い営業組織の特徴4つをお伝えできればと思います。

今回は自分の営業経験を踏まえつつお伝えしますので、ご自身の会社と比べながら読んで頂ければ幸いです。

自己紹介

私は大学卒業後、某メガバンク法人営業担当として10年勤務しました。

10年の中で東京→大阪→香川を転々とし、電力、電鉄、地方銀行なども含め、様々な業界を幅広く担当し、上場非上場を問わず約500社程度を受け持っていました。

日々の営業活動の中で、自分が本当にやりたい営業との乖離が生まれたことや社会貢献観点でのやりがいが薄れていたことがきっかけとなり、この度ご縁あって2022年12月より Magic Moment にジョインしました。

Magic Moment では General Business チームの一員として、毎日やりがいを感じながら働いています。

Magic Moment では、お客さまの生産性向上を後押しする AI を統合したアドオン機能である 「Playbook Copilot」の提供しています。Copilot の具体的な機能や生み出す効果については、プロダクトサイト にてご覧いただけます。

古い営業組織の特徴

メガバンク時代の法人営業を行う中で感じた、企業成長の妨げになる可能性が高い営業組織の特徴を4つご紹介します。

1.意思決定が全て社長

企業の意思決定のあるべき姿としては、機関決定する事項に対し取締役会で議論されることです(上場会社であれば株主総会も必要)。

ですが、各部署・各役員で練られた議案や検討事項があったとしても、社長の一存で簡単に方針が変わる、全て決まってしまう。そんなことはありませんか?

私が大阪時代に某上場建設会社を担当していた時の話です。

この会社の不動産営業部長より「弊社新規事業拡大のためにどうしても購入したい不動産がある」と相談を受けました。これは新規事業のために購入必須な物件であり、どうしても取得したい物件であることは明白でした。

このことを知っていた私はあらゆるネットワークを活用しなんとか購入できるルートを確保でき、当時は不動産営業部長だけでなく、部署を超えて感謝の言葉を頂いたのを鮮明に覚えています。

当時は私を含めた誰しもが喜んでいたのですが、社長の一言で簡単に購入は白紙となりました。理由はしばらく経ってから判明しましたが、社長曰く、「元恋人が住んでいる家の近くだから手を出したくない」とのこと。

この会社は特殊な事例かもしれませんが、社長の言うことは絶対であり、会社の損得は関係無しの会社だったんですね。

社長が圧倒的なカリスマであれば問題ないですが、そうでない場合、この会社は企業成長の機会を何度も失っているかもしれません。

「僕は良いと思うんだけど社長がなあ」みたいなマインドになっていませんか?あなたの会社にメリットがあるなら徹底的に社内議論できる組織を目指したいですね。

2.部署間の風通しが悪い

私が香川時代に某上場製造業の経理部へある提案をした時の話。

経理部:この内容は経理部ではなく人事部が所管ですね

後日人事部:うちではなく経営企画部に聞いてください

後日経営企画部:まずは経理と人事の意見を聞いてみてください

完全にたらい回し状態ですね。たしかに提案内容は多くの部署が絡む複雑な内容でしたが、自分の部署で能動的に検討するのはめんどくさい、先に他部署の意見を聞きたい といった理由があるのでしょう。

私自身、別の提案方法もあったなと反省する点もありますが、部署間で会話することができない風通しの悪い会社の典型的な例だと思います。

この会社は各部署が独立した組織であるとの社風があり、部署を跨いだ打ち合わせも年に数回程度しか開催されないそうです。今思えば担当者である私が「最近○○部へこんな提案をしています」と各部へ説明し、社内の情報共有をスムーズにする役目を担っていたのかもしれません。

組織として規模が大きくなればなるほど、複数部署に跨って検討すべき事案も多くなりますし、自分の部署以外の意見を聞くことで新しい気付きもあるのはないでしょうか。

あなたの会社は他部署と気軽に相談できる関係性を築けていますか?組織として相談しやすい社風ですか?是非仕事がしやすい環境に変えていけたらいいですね。

3.内部報告作業、内部資料作成が多い

私が所属していたメガバンクでの話です。

月に一度、私の会社の担当役員がお客さんまわりをするため、いわゆる役員向け説明資料の作成を定期的に作成していました。面談時間30分弱に対し資料は70ページ以上、直接面談に関係ない範囲まで作成を求められていました。

担当者としては、この話題を必ず出してほしいとの意味合いを込めて必死に作るのですが、効果的な面談になるのは数回程度。毎月何時間も資料作成のため時間を奪われ、前向きな営業にあてる時間を削られていました。このような悪しき文化をなくせないのが、メガバンクの弱みだと今では感じます。

これは一例に過ぎませんが、無駄資料・無駄報告はどこの会社でもありがちではないでしょうか。「過去から作っているから」ではなく、「本質的に必要な資料なのか」と考えることが大切だと思います。

ちなみに弊社 Magic Moment では紙資料は基本的に一切ありません。資料作成基準も今後使う可能性のあるデータなのか、今後役に立つデータなのかを基準に作成有無を考えています。

限りある営業担当者の営業体力。効率よく効果的に使っている会社は間違いなく強い組織といえます。

4.取引先が長年変わっていない、増えていない

業種や設立年月によってばらつきはあるかと思いますが、一般的な例としてご紹介します。

  • 売上高の50%以上が1つの販売先から計上
  • 仕入先からの仕入条件が過去から変わっていない、または徐々に悪化
  • 大手優良企業の子会社や関連会社の位置付けであり、営業プロセスが過去から不変

あなたの会社はどうでしょうか?一部取引先への依存や親会社の言いなりはかなり危険です。取引先が業績不振になったり、好条件の別取引先を見つけられてしまった場合、あなたの会社へも大きく影響するのではないでしょうか。つまり大切なのは、取引先等の外部要因に左右されない自社単独での強固な営業体制の構築ができていることが大切です。

世の中の情勢は常に変動しており、変動を捉えた営業組織作りは必須です。

CSR、コーポレート・ガバナンス、SDGs、ESG、少子高齢化、新型コロナ、ウクライナ問題等々…。今まで通用していた営業は今後も通用するとは限りません。

現状維持は衰退。常にアンテナを高く持ち、時代の荒波に飲まれない強い自社営業組織となることが大切ですね。

最後に

元メガバンク担当者から見た古い営業組織の特徴を説明してきました。

  1. 社長意向で全て決まってしまう
  2. 部署跨ぎの検討スピードが遅い
  3. 無駄資料作成、無駄報告時間が多い
  4. 販売先依存

この4つの特徴は企業規模問わず、どの会社でも起こりえますし、自分たちの悪しき習慣に気付いてすらいないことも多々あります。自分の会社と比べて頂くきっかけとなれば幸いです。

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