CRMを活用できていない企業によくある勘違いとそこから打破するための施策
サブスクリプションモデルの普及により、顧客との関係性を深めることは重要となっています。
その中で顧客データの記録をできる CRM は非常に重要な役割を持っています。顧客の過去の行動から興味関心または課題を見つけ出し、顧客に合わせた提案や対応が可能となります。さらに、全体の記録の数値から現状の事業上の問題点まで把握することができ、事業を成長させるために必要不可欠なツールです。
上記の内容を信じ、CRM の導入をしてきた企業は多いと思いますが、実際本当に活用できている企業はどれくらいあるでしょうか?
本記事では各社の CRM の状況を見てきた私が、CRM を活用ができていない企業によくある勘違いをご紹介します。
目次
CRM は営業だけが使用するツールですか?
CRM をよくある勘違いしているのは「営業が使うツール」です。実際に SFA という機能が今の CRM には付随しているので営業の方が使用頻度は高いですが、何も営業だけが使うツールではないということを認識しておいてください。
「営業が使うツール」という認識でいることによる問題点は「何のために記録するのかを理解していない」ことです。営業のための記録を CRM に残していても、営業だけが活用できるだけであって、マーケティングやカスタマーサクセスには役に立つとは言えません。せっかくの貴重な顧客データを営業のために使用するのであれば、CRM を使用する必要はありません。顧客データを一貫して持つことができる CRM だからこそ、有効的なのです。
CRM を営業だけが使用している問題点
顧客体験の分断
サブスクリプションビジネスにおいて、CRM を営業ツールのみで使用していると、顧客体験の分断が発生します。ファネル型のオペレーションの場合、マーケティング→セールス→カスタマーサクセスの順番で顧客は企業と接触すると思います。しかし、それぞれの部署で同じ顧客を違うデータで見ているとどうでしょうか?顧客から見ると、同じ企業と話しているにも関わらず、違う企業と商談しているような体験をします。このことによって起こることとして、「前にいったよなこの話」と顧客は感じ、企業側は営業チームが「この顧客はなぜ自社に興味を持っているのかわからない」といった状況が起こります。顧客体験も損ないかつ、営業の効率性も下げてしまうのです。
ビジネス全体としてどこがボトルネックがわからない
顧客にとっての体験は、マーケティング→セールス→カスタマーサクセスの流れで進みます。しかし、実際の企業はマーケティング | セールス | カスタマーサクセスといった組織を部分最適しようとします。さらにそれぞれの組織内で問題点を解決します。当たり前のように聞こえますが、この組織体制は顧客体験とは矛盾しています。顧客にとって企業との体験は繋がっています。しかし、企業の組織は分断しています。それでは、顧客体験のどこがボトルネックが明確に見えないと思います。
一つ具体例をあげましょう。
事業状況を見ると、チャーンレート(解約率)が向上していたとします。まず課題解決のため始めるのがカスタマーサクセスに問題がないかを考えます。カスタマーサクセス内ではそこまで大きな変更や事件をした形跡がありませんでした。ではなぜチャーンレートが高騰するのでしょうか?
ここで CRM のデータの登場です。営業だけでなく、マーケティング顧客の情報をマーケティング・営業・カスタマーサクセスの統合データを見ると、ある時期のマーケティングキャンペーンの顧客がチャーンレートを向上させていました。
このように全てのデータを統合させることで、顧客体験によって課題分析を行うことが可能になります。その結果、素早い課題解決を実現し、事業成長をもたらします。
CRMが活用できていない危険な証
ご紹介した通り、CRM を営業のみが使用するツールと考えていた場合、顧客体験は分断され、顧客や企業に悪影響を及ぼします。
そこで、それが起こっているまたは同じようなことが起こっている症状をあげたいと思います。
初期設定後、CRM に何も変更点がない
CRM の初期設定には一般的に導入支援会社が入り、最初の設定を代行します。導入支援会社はいくつも CRM を構築したことがあると思うので、CRM の完成度はとても高いと思います。しかし、CRM は事業の成長に伴って変わっていくべきです。例えば MA (マーケティングオートメーション)を導入した場合、CRM との連携を行い、CRM 内のリード管理が変更する必要があります。また、カスタマーサクセスの構築の際に、どう CRM に記録すべきかを議論する必要があります。
それにも関わらず CRM の変更が半年や1年間変更していない場合は危険視号です。いますぐに CRM をどう活用するかを考えるべきです。
ダッシュボードを見ても何も打ち手が分からない
CRM のダッシュボードを見ても原因がわからず適切な打ち手が出ない場合は、活用できていない証拠です。特にCRM を営業のみで使用している場合、営業のみのデータやログを見て判断するため、事業全体として見たときに、営業のみのダッシュボードでは最適な意思決定はできないでしょう。
CRM の管理者がいない
CRM の管理者がいない場合、データ自体を管理できておらず、CRM 内のデータが正しくない可能性があります。特に営業は商談記録や細かい内容を CRM に記録する必要があるため、人によって解釈が異なりやすいです。そのため、CRM の管理者が必要となります。
また、CRM 専任の管理者はマーケティング・営業・カスタマーサクセス全ての知識があることが望ましいです。
社内にある CRM をもっと最大限活用しませんか?
CRM は営業担当者のためのただの顧客管理ツールではなく、マーケティング・営業・カスタマーサクセスの統合データを見ることができるデータ基盤です。顧客体験を分断せず事業成長を加速する可能性を持っているのにも関わらず、活用しないことは勿体無いですよね。
この記事を読んで、CRM をもっと最大限に活用したいと思っていただければ幸いです。
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