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【フェーズ別】SaaSスタートアップの営業を効率化する3つの施策

公開日: 2019/07/31著者: 大樫 もも

この記事の要約

文字数: 0 |読了時間: 約7
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営業は、会社という組織において、自社のプロダクトやサービスを売り出し、利益をあげるために必要不可欠な存在です。そこで、営業担当者の採用や、営業オペレーションの構築を進めようとしているが、なかなか営業効率が改善されずに悩むスタートアップ経営者や営業担当者の方は多いのではないでしょうか。特に、急速な成長を遂げる特徴のある SaaS スタートアップでは、フェーズごとに打つべき施策を考えなければなりません。そこで、本記事では、SaaS スタートアップの成長フェーズごとに営業が抱えている課題とそれらを解決するための施策を紹介します。

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【フェーズ別】SaaS スタートアップが抱える営業の課題

多くのスタートアップでは、営業責任者が業務をいくつも兼任しています。そのため、日々山のようなタスクを処理しなければならず、中長期的な営業戦略に目を向ける時間が足りないケースも少なくないでしょう。

そこで、SaaS スタートアップのフェーズごとに、営業組織にどのような課題が生じるのかをご紹介します。課題やタスクの優先順位づけの参考にしてみてはいかがでしょうか。

フェーズ1:年間経常収益(ARR)1億円未満

状況

プロダクトやサービスは開発途中の段階です。しかし、最初の営業責任者は採用しており、更に営業担当の社員を4人程度、主にアウトバウンドセールスを担当するインサイドセールス担当社員を2人程度雇っていることが一般的です。このフェーズの営業チームは、今後の事業成長の予測が難しい段階ではあるものの、さらなる成長に向けた生産性向上に注力する傾向にあります。

このフェーズで営業責任者が担っている業務

セールスプロセスの構築
メンバーの能力向上のためのトレーニング
オンボーディング
案件獲得
会社全体の事業計画デザイン
予算・事業計画
案件獲得

セールスが抱えている課題

セールス責任者が案件獲得・トレーニングなど多岐にわたる業務に深く携わっているため、本来注力すべき戦略づくりに時間をかけられず、中長期的な事業成長が疎かになってしまいがちです。また、営業データ分析とその共有が徹底されていないため、セールスチームをはじめとして社内の人が成約率・セールスベロシティなどのビジネス全体の動きを理解できない状況になっています。

フェーズ2:年間経常収益(ARR)1億円から10億円

状況

プロダクトやサービスに対する需要が市場に存在することがある程度検証できており、顧客が増え始める成長のステージです。

このフェーズで営業責任者が担っている業務

営業プロセスの改善
チーム内の他のメンバーが提案作成するための支援
競合との差別化計画策定
予算・事業計画策定
案件獲得

セールスが抱えている課題

新しく入った営業担当者がまだ生産的な業務ができていない場合があります。チーム内の生産性が低いため、成約率も低くなってしまいます。このような状況に対して、営業責任者などは、彼らの育成やフォローに時間を取られてしまうでしょう。これらが合わさって、全体的な営業の生産性が低下します。

フェーズ3:年間経常収益(ARR)が10億円以上

状況

経営が軌道に乗り、収益が伸びていくことで大きく成長するフェーズです。大きなVCからの投資を受け、投資ラウンドで言うと、シリーズCに当たります。

このフェーズで営業責任者が担っている業務

このフェーズでは、営業担当者は主に GTM と呼ばれる役割を担います。具体的には、どのように自社サービスや製品を顧客に発信して、営業活動に繋げていけばいいかを考えます。

セールスチーム全体が抱えている課題

まず、営業担当者は多くの企業に対して広く浅いアプローチを繰り返しており、リソースが無駄になっているとことが課題として挙げられます。また、このような手当たり次第の営業のアプローチはパイプライン分析を困難にしてしまいます。質の低いアプローチを繰り返してしまっているため、結果として、不当な割引を要求される会社と取引を開始してしまうなど、案件の質も下がってしまいます。

打つべき3つの施策

打つべき施策は大きく3つあります。

技術的なオペレーション構築
営業効率の管理
営業オペレーション全体の管理

では、もっと具体的に各フェーズで何を行なっていけばいいのかを例示します。

フェーズ1

技術的なオペレーション構築

CRM の活用
営業データの報告と分析
各営業担当者に払っている金額に対して彼らのパフォーマンスがどうかの確認
成長戦略策定のためのインプット

フェーズ2

技術的なオペレーション構築

営業データの報告と分析によるインサイトの抽出
各営業担当者に払っている金額に対して彼らのパフォーマンスがどうかの確認

営業効率管理

各プロジェクトマネジメントの徹底
トレーニングシステムの設計
トレーニングと認証の付与

フェーズ3

営業効率管理

営業データの報告と分析によるインサイトの抽出
営業担当者に払っている金額に対する彼らのパフォーマンスがどうなっているかの確認
セールスのオンボーディング
トレーニングシステムの確立

営業オペレーション全体の管理

事業成長計画を含むセールスオペレーション計画策定
案件獲得のための指導
顧客領域の確定
競合との差別化戦略策定
予算・事業計画策定

まとめ

それぞれのフェーズで営業責任者が担う業務は多く、煩雑化しています。そのため、上記で紹介したような「打つべき施策」を実行する人を新たに雇うということの手段の1つとして考えられます。たとえば、フェーズ2で打つべき施策の実行には、セールスに関する深い知見と経験が求められることからも、施策に対する専門性を備えた人材を雇う必要性があります。

米国では、BtoB スタートアップを中心にこれらを担う Sales Ops という組織の導入が進んでいます。Sales Ops が注目された背景や役割などはこちらの記事で解説していますので、併せてご覧ください。

https://www.magicmoment.jp/blog/9-best-practice-of-sales-ops/

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