営業が新規顧客開拓を成功させるポイントとは?
- 新規顧客開拓営業のスタイルはプッシュ型営業とプル型営業の2つの手法があり、使わけや組み合わせによってそれぞれのメリットを最大化できる
- 新規顧客開拓営業を成功させるにはターゲット層を設定、リスト化しアプローチを継続しながら顧客育成していくことが重要である
- 効率よく新規顧客開拓営業を行うためには営業ツールの導入が有効である
「真面目に営業しているのに成果が出ない」「毎月ノルマに追われている」など、営業部門では数字の悩みがつきものです。
営業活動で満足度の高い成果を出すためには、既存顧客への営業活動はもちろん、新規顧客の開拓営業が必須となる場面もあるでしょう。ですが新規開拓営業はこれまでに取引のある既存顧客へのアプローチと比較して難易度が高いものです。
そこで今回は、新規顧客開拓の必要性から営業手法、アプローチを成功へ導くためのポイントまで詳しく解説します。
また、弊社 Magic Moment では、トップセールスと同じ水準・内容の営業活動を再現できる「Magic Moment Playbook」を提供しています。
目次
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新規顧客開拓とは
最初に営業における新規顧客開拓について理解を深めておきましょう。
新規顧客開拓とは
新規顧客開拓とは、取引等で関わったことのない顧客に向けて、自社を新規利用してもらうために行う営業活動のことです。
新規顧客への営業活動は、自社や自社サービスをまったく認知していない顧客へのアプローチになることも多く、そのハードルの高さに悩む担当者も少なくないでしょう。
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新規顧客開拓が必要な理由
新規顧客への営業はなぜ必要なのでしょうか。
既存顧客だけで収益を長期的かつ継続的に得られれば、経営上問題はなさそうですが、すべての既存顧客が永遠に利用してくれる保証はありません。既存顧客との取引にのみ依存していれば徐々にその数が減少し、収益は先細りとなり、やがて立ち行かなくなってしまうことも十分に考えられます。
既存顧客が離れていくリスクを完全に排除することは不可能です。売上を向上させ、企業を成長させていくには、既存顧客への営業だけでなく新規顧客への営業活動も行い、サービス展開の幅を広げておくことも重要でしょう。
ただし、新規顧客開拓は既存顧客とは異なる営業手法が必要になるなど、ハードルが高く、コストもかかるものです。
続いて、どのように新規顧客を獲得していくのか具体的な方法について見ていきましょう。
新規顧客開拓で用いられる手法
プッシュ型営業(アウトバウンド型)
プッシュ型営業とは、顧客に向けて自社の商品やサービスを積極的にアピールしていく営業手法で、アウトバウンド型営業ともいいます。
例えば、以下のような方法があります。
- テレアポ
- ダイレクトメール
- 飛び込み営業
プッシュ型営業は、営業側が選択した相手に向けたアプローチです。顧客側ではなくアプローチする側のタイミングで営業活動を行うため、顧客の欲するタイミングと合わなければ十分な効果を発揮できない可能性があります。
プッシュ型営業を効率よく行うには、営業活動に時間や労力を割く価値のある顧客として事前にターゲットの絞り込みをしておくことが重要です。
プッシュ型の営業で成果につながった、またはつながらなかった顧客データとその営業活動経過を分析し、社内で共有する情報が蓄積していけば、より有益な営業活動にも役立ちます。
確度の高い顧客に向けて集中的に営業活動を実施できる体制を整えることで、成果を生み出す好循環も生み出せるでしょう。
プル型営業(インバウンド型)
プル型営業とは、プッシュ型とは反対に顧客からのアプローチを待つ営業スタイルです。何もせずにただ待つのではなく、顧客からの問い合わせや相談等のアクションを喚起するための情報発信等を行う、インバウンド型での営業手法になります。
プル型営業は、顧客が興味をもつであろう有意義で信頼性の高い情報を発信し、顧客の理解度や温度感を高めていく手法であり、営業効率の向上や営業担当者の業務負担軽減にも役立ちます。
プッシュ型営業と比較して消極的なアプローチにも見えますが、顧客側が欲するタイミングで自ら有益な情報をキャッチしてもらうことで、確度の高い商談や成果につながりやすいのが魅力です。
具体的には、以下のような情報発信方法が挙げられます。
- SNS
- 広告
- プレスリリース配信
- ホームページ運営
- オウンドメディア運営
- ウェビナーの実施
- 展示会の参加
プッシュ型営業の場合は、顧客リストからの集客になりますが、プル型営業であればインターネット等を通じて地域などの枠を限定せずにアプローチ可能です。
LINE や Twitter、Instagram、Facebook 等の SNS は無料でありながら拡散力のあるプラットフォームであり、営業活動の一環として活用する企業も年々増加しています。
自社ホームページや SNS 等を介したプル型営業スタイルの構築が成功すれば顧客との関係性を築くきっかけになり、幅広く確度の高いアポイントを増やすのにも貢献してくれます。
ただし、プル型営業の場合、営業サイドでは顧客を選ぶこともタイミングを選ぶこともできず、先方からのアプローチによって発生するコミュニケーションとなります。新規顧客向けコンテンツの露出を高める SEO効果等を十分に発揮できるまで一定の時間を要するため、即効性を求められる手法とはいえません。コンテンツの運用スキルや対応リソースも必要です。
有意義な情報発信をしていくためには時間もコストもかかることに加え、情報発信の仕方や内容によっては顧客の目に留まらなかったり、一時的に問い合わせが集中してしまったりする可能性もあります。
プッシュ型営業もプル型営業もそれぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらかを選択するというよりは、双方のメリットを活かしつつデメリットをカバーし、自社に合ったスタイルを構築していくことが望ましいでしょう。
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新規顧客の開拓プロセス
新規顧客への営業を効率的に行うためには、その開拓プロセスが非常に重要となります。
ターゲットの選定
営業リソースには限りがあり、すべての見込み客を対象に営業活動を行っていくのは非効率です。
限られたリソースで効率よくアプローチしていくためには、自社で提供する商品・サービスの顧客ニーズや競合等の市場分析を行ったうえで、最優先顧客となるターゲット層を明確化しておく必要があります。
ターゲットを選定し、自社が取るべき戦略や具体的なアクションを導いていくことが大切です。
- プッシュ型営業:アプローチ対象となるターゲット層をリスト化
- プル型営業:ターゲット層に響くキーワード等を意識した情報発信
提案の準備
ターゲットとすべき顧客層の選定後は、提案の準備に入ります。
- プッシュ型営業:トークスクリプト、営業資料等
- プル型営業:コンテンツ、広告作成等
提案にあたっては、いずれの営業手法を採用する場合でも、自社製品やサービスの特徴、利点を隅々まで整理しておくことはもちろん、顧客の状況や課題、ニーズを仮説立てしたうえで、訴求ポイントを明確にしておくことが重要です。
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新規顧客の開拓を成功させるポイント
続いて、新規顧客への開拓営業を成功させるポイントについて見ていきましょう。
ターゲットリストの作成
新規顧客への営業では、的確なターゲットリストの作成が欠かせません。
適切なターゲット選定が成否の大部分を決める
適切なターゲット選定は、新規顧客への営業を効率化し成功率を高める要素として非常に重要なポイントとなります。以下の図のように、企業規模や業種によって狙うべきターゲットの設定を明確にしておきましょう。ターゲット層を区切って明確化しておくことで、組織全体の営業力標準化にも役立ちます。
大切なポイントは、自社にとって最適なセグメントを明確にし、どこを捨てていくかを考えることです。
既存顧客を深く知ることで自社に合った顧客の把握に役立てる
新規顧客への営業においては、既存顧客のニーズを深く知ることも大きなヒントとなります。既存顧客がどのような悩みや課題を抱えて自社の商品やサービスを利用するに至ったのか、導入したことによって何を得られたのか、なぜ継続しているのかなどの情報収集しデータを蓄積していけば、需要のあるターゲット層の選定やアプローチ戦略にも活用可能です。
提供する自社商品やサービスによって、顧客ニーズや抱えている課題は大きく異なります。既存顧客情報からニーズを深掘りして、有益なアプローチ対象となるターゲットを見極めるのに役立てましょう。
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定期的な再アプローチ
新規顧客への営業活動においては、1度断られただけでリストから除外してしまうこともあるでしょう。
ですが1度営業しただけで成約に至るケースは稀であり、多くの顧客がすぐに何らかの結論を出せるわけではありません。
特に初回の飛び込み営業などでは、内容もよく把握してもらえないうちに断られるケースも珍しくないでしょう。
成約や商談に結びつけるためには、まず自社商品やサービスを知ってもらうことからスタートし、その必要性やベネフィットを描いてもらい商談につなげ、購買段階まで育成していく期間が必要です。
1度アポ取りや商談に失敗しても、継続的に連絡を取り、ステップを踏まえながら次の機会を待つ姿勢も大切です。
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営業ツールの導入
新規顧客へのアプローチでは、既存顧客への営業活動と比較して手間や時間、コストも消費します。
事前のターゲット選定や提案準備等も非常に重要で、そこにリソースを割くべきでもありますが、最も重要となる顧客と向き合う時間へのリソースが不足しては肝心の商談や受注につながりません。
この課題を解消するためには、営業ツールの活用検討が必要となるでしょう。
新規開拓営業をサポートする代表的な営業ツールとしては、MA や CRM/SFA などの選択肢があり、企業の状況や抱えている課題、扱う商材の特性等に合わせて選定する必要があります。
これら新規開拓の営業ツールについては、以下の記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
あわせて読みたい:【厳選】新規開拓に役立つ営業ツールは?自社に合った選び方を学ぶ – Accel by Magic Moment
プッシュ型営業とプル型営業を使い分ける
プッシュ型営業とプル型営業は、全く異なるアプローチ方法ですが、それぞれを使い分けたり組み合わせたりすることで、より効率のよいアプローチを行うことも可能です。
新規開拓営業をプッシュ型営業のみに頼ると、大量の顧客リストにただひたすら電話やメールを発信する作業の連続になります。この方法によって嫌悪感を抱く顧客がいますし、営業マンにかかる精神的負担も大きく、生産性がいいとは言い切れません。
プッシュ型営業とプル型営業の使い分けや組み合わせで、それぞれのマイナスポイントをフォローし、インバウンドとアウトバウンド双方のメリットを最大限に活かしていきましょう。
プル型営業のプロセスを作るメリット
プル型営業のプロセスを作成するのには時間やスキル、コストがかかりますが、以下のようなメリットもあります。
- 無駄な営業活動を減らせる
- 機会損失を最小化できる
- ビジネスの費用対効果を最大化できる
プッシュ型の営業のみで新規顧客を開拓する場合、非効率な営業活動が増加しがちですが、プル型営業のプロセスを作成することで、その割合を減らすことにつながります。
自社サイトや SNS を通じた情報発信により営業活動のエリア等の幅も広がり、機会損失を最小化することも可能です。
営業活動の効率化が進めば費用対効果も最大化し、企業全体としての利益アップにもつながります。
売上拡大につながる反響営業の仕組みづくりについては以下の記事で詳しく解説しております。営業成果アップにつながるヒントとしてこちらも合わせてご一読下さい。
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