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事業拡大の壁を突破:放置案件を収益に変え、ARR 目標達成を加速させる営業体制へ
急成長する富士フイルムイメージングシステムズ株式会社のクラウド事業部様は、3年以内に ARR を2倍とする成長目標を掲げたことをきっかけに、さらなる売上拡大に向けて営業組織の効率化を目指していました。しかし、営業活動における属人的なスタイルや、放置される案件の増加という課題が浮き彫りになり、営業管理の可視化と効率化が急務であると痛感されたといいます。
そこで弊社のセールスエンゲージメントプラットフォーム「Magic Moment Playbook」(以下、Playbook)と、お客様の営業チームの一員として戦略・プロセス設計から成果創出までを担うセールス BPO サービス「Revenue BPaaS」を導入いただきました。
今回の取り組みについて、富士フイルムイメージングシステムズ株式会社のクラウドメディア事業部 クラウド事業のマーケティング・営業統括である山口様に詳しく伺いました。
【課題】
- 属人的な営業スタイルによる非効率な流入リード・案件管理と商談化率の低迷
- リードの放置案件の慢性化による効率的な追客の必要性
【解決策】
- Playbook による営業プロセスの標準化と可視化
- Playbook の機能での追客の自動化による商談化プロセス効率化・フォロー漏れ防止
- Revenue BPaaS の導入による放置案件の再商談化を促進
【効果】
- Playbook を使った営業活動により商談化率が1.3倍に向上
- Revenue BPaaS の活動により放置案件商談化率も3.2倍に向上
- Revenue BPaaS チームから、顧客のニーズを深く理解し、長期的な関係構築を目指した顧客志向の営業スタイルの構築ノウハウを学ぶ
急成長に伴う営業組織の課題:属人的な営業スタイルと放置案件の増加
ーーーRevenue BPaaS、Playbook 導入前はどのような課題を抱えていましたか?
「当社のBtoB向けクラウド事業は急成長を遂げていました。成長に伴い、さらなるムーンショットの目標を達成するためには、営業活動の属人的なスタイルと、それによる非効率な管理を解決してスケールを目指していく必要があると感じていました。
クラウド事業立ち上げ当初、営業は3〜4名の少人数で行われ、各担当者が独自の方法で案件管理をしていました。その結果、営業ノウハウが個人に留まってしまい、組織全体での営業活動の標準化が進まず、対応の一貫性が欠けていましたが、人が増えていく中で効率的に成果が出しづらいと感じていました 。
さらに、リードの約7割弱が受注や失注に結びつかず、その後のフォローアップまで手が回っていなかったため、「放置案件」として残る状況が慢性的に続いていたんです。このような状況から、営業活動の標準化と効率化が急務だと感じるようになりました。」
Magic Moment Playbook 導入の決め手:営業管理の効率化と可視化による課題解決への期待
ーーーPlaybook 導入の目的はどのようなものでしたか?
「入ってきたリードや案件の半数以上が放置案件になっている状況が続いており、このままでは目標とする 中期計画上のARR 目標の達成が難しいと感じていました。経営陣からも成果に対する具体的な目標値が示され、営業活動の標準化と効率化が急務であると改めて認識しました。そんな時、Magic Moment Playbookに出会い、営業管理を効率化し、商談化プロセスを可視化することで、この課題を解決し、目標達成に近づけるのではと注目しました。」
ーーーPlaybook 導入後、どのような効果がありましたか?
「Playbook を導入したことで、各営業担当者の活動が明確に可視化され、また、ターゲット別のアプローチルールを定めて浸透させやすくなりました。
可視化の効果としてはPlaybookの導入により、各営業プロセスに KPI を設定し、進捗状況をリアルタイムで可視化できるようになったことです。これにより、担当者ごとの活動が”見える化”され、各メンバーが自身のパフォーマンスを具体的に把握できるようになりました。」
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「リアルタイムでの可視化により、各担当者は目標達成のためにどのアクションが必要かを理解でき、営業活動を戦略的かつ効率的に進めることが可能になりました。また、進捗が数値で見えるようになったことで、チーム全体でのモチベーション向上にもつながっています。」
「加えて Playbook 導入により、ターゲット別に各営業担当者の活動を効率的に進めるための仕組み(図1)が整いました。特に効果を感じたのは、Playbook の『シーケンス機能』です。この機能を使うことで、メールや電話でのフォローが自動化され、営業担当者がタイミングを逃さずに顧客との接点を持てるようになりました。」
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「従来は各担当者の裁量に任されていた追客が、このシーケンス機能(図3)により、事前に設定したトリガーや条件に基づいて自動でアプローチできるようになりました。その結果、フォローが漏れるリスクが大幅に減り、リードが確実に次のステージへ進むようになりました。」
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商談化率1.3倍に:徹底した追客と標準化された営業プロセスによる成果
ーーーどのような成果に繋がりましたか?
「Playbook を導入する前は、営業活動が各担当者の経験や判断に依存していましたが、導入後は導入前の1.3倍の商談化率になりました。この成果は、シーケンス機能による自動フォロー体制の確立と、全体の追客精度が大幅に向上したことが大きく貢献しています。
Playbook の活用により、リードが取りこぼされずに商談化される体制が整いました。特に、従来は営業担当者がフォローを見逃しがちだった案件も、Playbook によって確実にフォローが行われるようになり案件が適切なステップへと進んでいくことを、チーム全体で実感できています。」
ーーー商談化率の向上に加えて、内部で感じられた変化はありますか?
「これまで担当者任せだった営業プロセスが標準化され、進捗状況や KPI が可視化されたことで、担当者が主体的に業務改善に取り組むようになりました。進捗が見えることで、目標達成のためにどのアクションが必要かを具体的に理解できるようになりました。」
「さらに、成果に向けて何が不足しているかを”数値”として認識できることで、各自が自分のアプローチを調整しながら成果を出そうという意識が強まり、営業活動がより戦略的かつ効率的に進められるようになりました。」
「Playbook はチーム全体の目標達成へのモチベーション向上にも役立っています。営業活動の透明性と効率性が格段に向上したことで、チーム内での連携も強化され、組織全体の成果が上がっていることを実感しています。Playbookの導入によって、単なる効率化ではなく、営業活動そのものが戦略的かつ効果的なものへと進化しました。また、Playbook の AI 機能である Playbook Copilot を導入し、Playbook と共に AI による営業活動の最適化にも挑戦しています。」
Revenue BPaaS 導入によるさらなる進化:掘り起こし案件の活性化とインサイドセールス体制の強化
ーーーRevenue BPaaS の導入が営業活動にどのように貢献しましたか?
「Playbook の導入により、営業プロセスが標準化され、商談化率の向上は見られましたが、次なる成長フェーズでは新たな課題も出てきました。それは、放置されていたリード、つまり”掘り起こし案件”をどう活用し、再商談化に繋げるかという点です。これらのリードは当初のフォローから進展がないため、案件が取り残されることが少なくありませんでした。」
「この課題に対処するため、Magic Moment の Revenue BPaaSを導入し、放置案件の再活性化に注力しました。具体的には、Revenue BPaaS のインサイドセールスチームが、リードの再アプローチを専門的に担当しています。彼らが徹底して追客を行うことで、営業担当者が手の回らなかったリードにも確実にアプローチできる体制が整いました。Revenue BPaaS のチームがリードを再フォローし、潜在的なチャンスを掘り起こすことで、商談の機会をさらに拡大しています。」
ーーー具体的には、どのような成果が得られましたか?
「Revenue BPaaS 導入後、特に成果が顕著だったのは、以前アプローチが停滞していたリードへの再コンタクト・再商談化への成功率が向上したことです。以前は商談に結びつかなかったリードも、Revenue BPaaS による継続的な追客によって新たな商談機会として復活するケースが増加しました。具体的には、掘り起こし案件の商談率が従来の3.2倍に改善し、結果的に商談数も約2倍と全体的な増加につながりました。」
「この成果は、Revenue BPaaS が単にリードに追客するだけでなく、適切なタイミングとアプローチでリードに接触する仕組みを持っているためです。営業チームが対応しきれなかったリードも、Revenue BPaaS による的確な再アプローチで復活し、これまで活用されていなかった商談機会を生み出すことができました。」
「当初は、過去の案件の再商談化をメインとして担当いただく形で導入をしていましたが、この領域での成果を踏まえてインサイドセールス全体の方でも活動をしていただくようお願いするようになりました。そのため、既存の営業メンバーは商談に集中することができ、営業組織全体の生産性高まっていると感じています。」
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ーーーインサイドセールス体制の強化は他にも影響がありましたか?
「はい、Revenue BPaaS のインサイドセールスチームが営業活動に深く関わることで、営業体制全体の強化が実現しました。特に、コールドコールや、フォローが行き届かなかった放置案件に対して、インサイドセールスが積極的にアプローチしてくれるようになり、非常に効果的に商談が進められるようになりました。」
「これにより、営業担当者が他の案件商談および受注に向けた活動に集中できる体制も整いました。Revenue BPaaS が顧客への初回接触や追客を担当することで、営業チームが成約に向けたプロセスに専念できるようになり、営業活動全体の効率が向上しました。商談化率の向上だけでなく、全体的な営業活動の質も大きく改善されたと感じています。
インサイドセールスでの効果を受けて、フィールドセールスも対応いただくことになり、営業組織全体でいかに再現性高く生産性を高めていくかという点をサポートいただいています。」
営業担当者育成にも貢献:Revenue BPaaS から学ぶ顧客志向の営業スタイル
ーーーRevenue BPaaS のサポートで営業担当者にどのような影響がありましたか?
「Revenue BPaaS の導入によって、営業プロセスの効率化や商談化率の向上だけでなく、営業担当者の育成にも大きな効果がありました。特にRevenue BPaaS のインサイドセールスチームは、私たちの営業メンバーと密接に連携しながら、顧客に対してより価値を提供できるアプローチ方法を共有してくれています。その結果、現場に新たな営業スタイルがもたらされ、従来の営業手法が見直されるきっかけになりました。
Revenue BPaaS チームは、単にアポイントの獲得に終始せず、顧客のニーズを深く理解し、長期的な関係構築を目指したヒアリングや提案を行っています。この顧客志向の営業スタイルは、私たちの営業チームにも大きな影響を与えています。」
ーーー顧客志向の営業スタイルが営業成績に与える影響はどのように感じますか?
「インサイドセールス担当者が行う丁寧なフォローや、顧客の課題に対する詳細なヒアリングを目の当たりにすることで、営業メンバーはその効果を実感しています。彼らも顧客に寄り添い、ニーズに応える営業スタイルを取り入れるようになり、商談の質が向上しました。
Revenue BPaaS のサポートは、単なる外部のリソースというだけでなく、営業担当者の成長を促し、顧客志向の文化を社内に定着させる非常に重要な役割を果たしていると感じています。」
今後の展望:フルファネルでの営業オペレーション構築とさらなる事業成長
ーーー今後の営業戦略で注目されているポイントは何ですか?
「私たちはこれまで、Magic Moment Playbook とRevenue BPaaS を活用し、商談化率の向上や営業プロセスの標準化を実現してきましたが、さらなる事業成長を目指すためには「再現性のある、フルファネルでの営業オペレーション構築」が次のステップだと考えています。
従来はリード生成から商談化までの一部のプロセスに焦点を当ててきましたが現在は、リード生成から受注までの全てのフェーズを一貫して管理・最適化する体制を目指しています。特に、商談後のフォローアップや受注までのプロセスをより体系的に整備することで、営業活動全体のパフォーマンス向上が期待されます。」
ーーーMagic Moment と協力したフルファネル体制の構築により、どのような成果を目指していますか?
「Magic Moment のサポートを受けて、フルファネルの営業オペレーションを構築することで、営業活動の効率化や透明性が一層高まり、商談数の増加や受注率の向上が期待できます。さらに、既に取り組んでいるインサイドセールスの強化と併せて、営業部門全体の成長を促進する新たな仕組み作りにも注力していく予定です。ARR の目標達成に向けた事業成長を加速するために、これらの戦略が大きな役割を果たしてくれると確信しています。」
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◾️基本情報
社名:富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
設立:2012年2月1日
代表者:代表取締役社長 松本考司
事業内容:電子映像・写真関連等のイメージング製品の販売、ビジネスユースに関連した画像・情報サービスの提供
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