商談獲得数昨年比121% パソナの新インサイドセールス戦略
パソナグループは、「社会の問題点を解決する」を企業理念に、持続可能な社会と人々の心豊かな生活の創造を目指しています。なかでも株式会社パソナは、人材派遣やBPO、人材紹介、再就職支援を中心に事業を展開し、海外市場への進出やデジタル化も推進しています。
こうした背景から、人材紹介と人材派遣のサービスを担う同社のインサイドセールス組織は、新規案件の創出と若手人材の育成強化に向け、Magic Moment の AIセールスエンゲージメントプラットフォーム「Magic Moment Playbook」(以下、Playbook)を導入しました。Playbook は、お客さまの営業オペレーションの最適化を通じて、収益最大化と成約確度を目的とした営業活動の再現性の確立を支援するプラットフォームです。
同社は、Playbook と Salesforce のデータ連携やデータ入力の簡易化、Playbook の社内浸透、営業オペレーションの定義などを進め、営業活動を標準化しました。その結果、インサイドセールスにおける新規案件の創出数が増加し、若手営業人材の育成にも成功しました。
また、営業活動量やトスアップ数、成約数など多くの指標が向上しています。
同社の成果創出までの背景や弊社 Playbook の活用に関して、セールスサポート部インサイドセールスチームのユニットリーダー、宮さまにお話を伺いました。
新規案件創出と若手育成の二大ミッションへの挑戦。属人化が浮き彫りにした成果のギャップとは
ー最初に事業やサービスの内容、また宮さまの経歴や役割を教えてください。
宮さま:パソナグループは人材派遣や BPO、人材紹介を中心に、幅広いサービスを提供しています。私はインサイドセールスチームのユニットリーダーを務め、メンバーのマネジメントと業務プロセスの改善を担当しています。
ーありがとうございます。インサイドセールスチームのミッションはどのようなものですか?
宮さま:インサイドセールスチームのミッションは2つあり、新規案件の創出と若手人材の育成です。
新規案件の獲得に関しては、働き方の変化に対応するため、2年前にインサイドセールスを立ち上げ、新規案件の開拓と営業数字の向上を目指しました。
若手人材の育成では、新卒メンバーの人材ビジネスへの理解、営業スキルの向上に取り組んでいます。
ー弊社との取り組みの前にはどのような課題があったのでしょうか?
宮さま:特に大きな課題は、全ての業務が属人化していたことです。KGI や KPI に対する数字は順調に伸びてきてはいたものの、当時は各々がどのような営業フローで活動をしているのかがわからない状況でした。
つまり、いわゆる勝ちパターンが言語化・可視化されておらず、個々のスキルに頼った営業が行われていました。
情報の連携とツールの浸透が鍵:営業の再現性向上への道
ーありがとうございます。そこでなぜ弊社との取り組みの検討を進めようと思ったのですか?
宮さま:御社との取り組みのきっかけは、私が御社のセミナーに参加し、その熱意と仮説構築力に感銘を受けたためです。
ー逆に懸念点などはありましたか?
宮さま:懸念点は2つありました。1つ目は、Salesforce との情報連携の問題で、2つのツールを併用することがメンバーの負担とならないかという点です。
2つ目は、Playbook がどの程度メンバーに浸透し、成果を上げられるかという点です。
ただ、いかに一定の方法論で営業活動を進めることができるかという点において、 Playbook は何をすれば営業の再現性を保つことができるのか、という示唆をシステムや提案のなかでいただけるので、そこに魅力を感じていました。
ー上記2点をプロジェクト開始前に懸念されているなかで、Playbook を導入することによりどのような効果があると感じられましたか?
宮さま:Playbook を導入することにより、ヒアリング内容の入力項目を簡易的に作成することができ、データの蓄積がスムーズになると感じました。
また、全員が同じ情報を共有し、データに基づいて振り返りができる体制を整えたいと考えていました。最終的には、営業オペレーションを定義し、再現性のある運営体制のもとで、本来の営業活動に時間を割ける体制をつくっていきたいという思いがありました。
Playbook 活用による変化。データ入力の負担軽減とリストの可視化
ー実際に活用してみて、どのような感触でしたか?現場のメンバーからの意見等はありましたか?
宮さま:データ入力が容易になり、Salesforce の入力項目が減ったことでシステムストレスが軽減されました。
また、Excel で管理していた情報が Playbook に集約されているため、リストの可視化が容易になりました。
オペレーションの改善と標準化への道。メール送信時間が20秒となる大幅な変化
ーオペレーションを定義していく過程には苦労があったとお伺いしています。どのような苦労があったのかを教えてください。また、それをどのように乗り越えましたか?
宮さま:たしかに営業オペレーションの定義には困難がありました。しかし、より苦労したのは、定義したオペレーションをメンバーに落とし込み、浸透させることでした。
そこで、まずは管理者全員にオペレーション変更の意義を理解してもらうことから進めました。次にメンバーに浸透させるためにはどうするべきかを御社の担当者とともに作戦会議を進めていき、効果の出やすいものや取り掛かりやすいことから優先順位を決め、オペレーションのルール決めや、そのルールのタスク設定を通じた標準化を進めていきました。
ーオペレーションの定義による具体的な効果を感じた事例はありますか?
宮さま:実際に理想の営業フローに近い行動を全員が取ることで、特定のキャンペーンリストに関しては、昨年比で数字が300%となり、商談化までの時間も削減されました。
また、以前はメール送信に複数のシステムを使用していましたが、いまは Playbook だけを見て、テンプレートを送るというフローになったことでメール送信時間が約90%短縮されました。
属人化解消と若手育成:担当者との接点回数、活動数、トスアップ数が軒並み増加
ー定量的な成果をまとめると、どのような変化がありましたか?
宮さま:計測期間の直近3カ月では、担当者との接点の回数が昨年比で132%、活動数が112%、トスアップ数が121%となっています。
担当者と会話する時間が増えたことで、フィールドセールスに渡せる案件の数もかなり増えてきています。
ー課題としてあった属人化と若手育成の文脈では、どのような効果がありましたか?
宮さま:メンバー間の成果のバラツキも減少し、全体の数字が向上しました。よって、活動量は3カ月連続で前年比を超えており、生産性も向上しています。
また、成約までの期間が短縮され、新人メンバーの育成も順調に進んでいます。
インサイドセールスから会社をデータドリブンに牽引する存在へ
ー今後に目指していきたい姿や数字はどのようなものでしょうか?
宮さま:まず今後の目標としては、部内で定めている数字を昨年比で1.5倍に引き上げ、トスアップ後の工程をコントロールすることです。
そのためにも、改善の余地があるポイントなどをデータとして残していくことで、メンバーをマネジメントできる状態をまずは目指したいと思っています。
将来的には、インサイドセールスチームがフィールドセールスチームの意見を参考にしながらマーケティング戦略に関与し、定量的なデータをもとにフィールドセールス、マーケティング、営業企画などに対して提案を行うことで、より広い範囲で活躍できる組織を目指したいです。
「インサイドセールスチームが会社の業績に貢献している」と、会社全体から認められる組織になることが目標です。
■基本情報
社名 :株式会社パソナ
創業:1976年2月16日
資本金:1億円
代表者:代表取締役社長COO 中尾 慎太郎
所在地:東京都港区南青山3−1−30 PASONA SQUARE
グループ事業内容:BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援事業・教育事業、介護事業、ライフサポート事業)、地方創生・観光ソリューション
URL :https://www.pasona.co.jp/
弊社サービスについては、下記サービスサイトよりご確認いただき、お問い合わせください。
- AIセールスエンゲージメントプラットフォーム「Magic Moment Playbook」
- セールス AI機能「Playbook Copilot」
- AI Revenue BPaaS「CS BPO」