インサイドセールス未経験者のスキル向上で、アポイント獲得率が2倍に増加
※本記事は2023年6月時点の取材に基づく内容です。りらいあコミュニケーションズ株式会社は、株式会社KDDIエボルバと経営統合し、2023年9月1日よりアルティウスリンク株式会社となりました。
コンタクトセンター事業とバックオフィス事業を中心に、ビジネスプロセスのあらゆる面でお客さまの事業をサポートしているりらいあコミュニケーションズ株式会社様。近年では、ビジネス環境の DX 化に伴い注目を集めるインサイドセールスの立ち上げや成果創出の支援を行うインサイドセールス事業を展開されています。
しかし課題となっていたのは、社内のインサイドセールス組織に未経験者が多く、目標とする事業成長に必要なアポイント数が十分に獲得できていないことでした。そこで営業スキルの平準化を進めるべく、既に弊社サービスをご利用いただいている三井物産 ICT事業本部 中川様からのご紹介をきっかけに Magic Moment Playbook(以下、Playbook)を導入いただきました。
今回の取り組みついて、グローバルコミュニケーション本部 コミュニケーション事業部 第一サービス室 室長代理/インサイドセールスプロジェクトリーダーの渡辺様と、セールスマネージャーの関口様に伺いました。
【課題】
- インサイドセールス未経験の営業メンバーにとって、サービスを販売することが難しく、アポイント獲得数が不足していた
- インサイドセールスの経験者は社内にも少なく、未経験者でも訴求できるように営業スキルを平準化することが必要だった
【解決策】
- 営業における成功パターンを平準化することで、全員が高いレベルで営業活動ができるようにした
- 効果的なメール送付のタイミングやアプローチ方法の PDCA サイクルを短いスパンで実践した
【効果】
- Playbook を活用したことで、インサイドセールス未経験のメンバーでもアポイントを獲得できるようになった
- 従来7.7%であったアポイント獲得率が導入後2ヶ月で15%と、およそ2倍に増加した
- 従来の営業の在り方を見直すきっかけにもなり、社内で営業 DX に関する議論が活発に行われるようになった
インサイドセールス未経験者が多く、販売できるのは経験者に限られていた
ーー最初にお二人の現在の役割やミッションについて教えてください。
渡辺様:我々の所属するコミュニケーション事業部 第一サービス室は、BtoB 向けのインサイドセールスサービスを主力事業としています。コンタクトセンター事業を柱とする弊社の中でインサイドセールス事業はドメインとしてはまだ小さく、ここを大きく拡大させていくことが我々の主なミッションになります。
関口様:渡辺がプロジェクトリーダーとして全体の統括を行っており、私がセールスマネージャーとして社内でインサイドセールスチームの立ち上げや実行を行っています。
ーーインサイドセールスの支援を必要とするお客さまを獲得するための営業部隊として、社内のインサイドセールスチームの立ち上げ・実行をしているということですね。
渡辺様:そうです。りらいあの営業としてリストアップした企業にアプローチ・商談化・受注といった一連の活動を行っています。そこで受注したお客さまに対しては、我々の過去の知見や成功事例を活かして、別のチームがオペレーション構築から運用までをご支援しているといった形です。
ーーPlaybook 導入前にはどのような課題をお持ちでしたか?
渡辺様:当時抱えていた課題は、インサイドセールスサービスを販売できる営業が少ないことでした。我々の主力事業がコンタクトセンター事業であることに加え、インサイドセールスを社内で実施すること自体が弊社として初めてであったことが背景にあります。
お客様は弊社のサービスに「営業力」を求めています。一方、弊社の営業の多くは、コンタクトセンターの事は話せても、経験不足からインサイドセールスについては概要のみで、リアリティを持った過去の実績・事例の説明ができませんでした。
その結果、サービスの販売ができるのは一部の経験者のみとなり、事業成長を実現する上で必要なアポイント数が足りない、という状態になっていました。
未経験者でもアポイントを獲得できることがインサイドセールス事業を拡大する上で急務であり、その課題を解決するためのツール導入を検討していた際に、当社の親会社である三井物産 ICT事業本部の中川さんからご紹介いただき、Playbook を知りました。
営業スキルの平準化を実現する手段として Playbook を導入
ーーPlaybook 導入の決め手はどこにありましたか?
関口様:我々が一番希望していた営業スキルの平準化が実現できると思えたことです。みんなが100点満点でなく80点で良いので、高スキルの人材をどれだけ増やせるかを考えていました。
その中で、Playbook のシナリオの概念(図1)は、我々にとってピッタリだと感じました。各フェーズごとにヒアリング項目やスクリプトが設定できるため、その流れに沿って進めれば全員が高いレベルで営業活動ができ、躓きやすいポイントも項目ごとに的確に捉えられるため、PDCA サイクルを回しやすいことが、SFA と違う点だと感じました。
誰もが高いレベルで営業活動を行えるようになり、アポイント獲得率が2倍に向上
ーーPlyabook をどのように活用されてきましたか?
渡辺様:インサイドセールスのメンバー5人が Playbook を日々活用しています。新規案件の獲得を目指しつつ、先ほどお伝えしたようにヒアリング項目やスクリプトを作って営業の平準化に力を入れてきました。
ーーヒアリング項目やスクリプトはどのようにして作られてきましたか?
関口様:今まで100以上のプロジェクトでセールス業務を経験してきた渡辺と、外資系のインサイドセールス専門企業に以前勤めていた私の頭の中を分解して作りました。受付やキーマンとの商談冒頭などのフェーズごとに案内のポイントを整理し、Playbook に落とし込んでいます。
このシナリオに沿って営業活動を行うことで、未経験のメンバーでも誰にどんな話をすれば良いのかが分かり、全体のヒアリング能力が向上し、お客さまからのご質問にも的確な返答ができるようになりました。
Playbook のシナリオ作成は、営業活動の戦略策定だと思っており、PDCA を通して後から修正することを前提にしつつも、成功の可能性が高いと思われるポイントを事前に盛り込むようにしていました。
ーーその際に、弊社 CS からも支援はございましたか?
関口様:シナリオ作成もそうですし、初期設定の仕方からシーケンス(図2)の使い方、効果的なメール送付のタイミングやアプローチ方法といった Tips まで幅広くサポートいただきました。
特にメールは、仮説なしの単なるサービス訴求から、お客さまの背景を推察した上でお送りするように変わりました。また、メールを送るだけでなく、シーケンスでの後追いやフォローの電話をするようになりました。
ーーPlaybook を活用した結果、どのような成果に繋がりましたか?
関口様:今まで営業経験のなかったメンバーでもアポイント獲得、商談化ができるようになってきました。
特に大きな成果は、弊社で開催したウェビナー参加者へのフォローにおいて、Playbook 導入前は7.7%だったアポイント獲得率が導入後には15%となり、およそ2倍に伸びたことです。
そのアポイントから実際に数件が受注に繋がっていますし、他にもホワイトリストへのコールドコールなどで明確に効果がでてきていると感じます。Playbook を使うことで、アプローチの仕方やタイミングが分かることや、シーケンスによる後追いができていることが成果創出のポイントになっていると思います。
今後は、Playbook を使ってインサイドセールスをできる人を社内で増やしていきたい
ーーその他で、Playbook を導入してみて改めて気づいたメリット・デメリットはございましたか?
関口様:やっぱり柔軟にカスタマイズできる部分はメリットですね。データの入力項目も自由に変更できますし、PDCA を繰り返しながら最適化していくことができるその俊敏性が便利だと思いました。
渡辺様:また少し違った側面でのメリットとしては、Playbook を活用することで従来の営業の在り方を見直すきっかけになり、営業活動の効率化についての議論が、社内で活発に行われるようになりました。
関口様:実は我々は社内で初めてインサイドセールス組織を立ち上げたこともあり、インサイドセールス活動だけではなく、社内のセールス人財育成プロジェクトも行っています。そこにはお客さま先でインサイドセールスのオペレーションを実行しているメンバーまで含めて100名以上が参加し、セールス関連の議論が行われています。
縦だけではなく横にも広がって議論が活発化されているのは非常に良いことだと感じていて、それも Playbook を導入した一つの成果だと思っています。
ーーありがとうございます。最後に今後の目標について教えてください!
渡辺様:まずはインサイドセールス事業を一層伸ばしていくことが目標です。我々としては今後、営業に課題をお持ちのエンタープライズの企業様を中心に積極的にサービスの訴求を行っていきたいと考えており、そこでこの Playbook を活用することで確実な成果創出を実現したいと思います。
関口様:それ以外では、やはり社内でインサイドセールスをできる人材を増やしていきたいです。Playbook を使うことで実現までの道筋は見えてきているので、このまま最大限に活用していきたいと思います。
また折角このように全く世にないソリューションに出会うことができたので、今後共催のウェビナーやプレスリリースなど、何かしら世の中に広げていくためにご協力ができればと思います。
■お客様情報
りらいあコミュニケーションズ株式会社
設立:1987年(昭和62年)
業種:サービス業